■赤岳西壁主稜(八ヶ岳) |
レポート No.930 |
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29日 鈴鹿(8:00)〜春日井(9:00)〜美濃戸(12:40) |
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プロローグ 今年の冬はどこへ行くか、、重い荷物か担げなくなってきたし、小屋が利用できるところは限られてくる。昨年は燕でその前は仙丈だった。そして今回は、Tjさんのお誘いで八ヶ岳になった。赤岳西壁主稜は冬期クライミングの人気ルート。登攀技術的には易しいルートだが、ピッチ数が長く、冬期というだけで、基本的な技術が出来てないと厳しいと思う。 今回は年末ぎりぎりの微妙な時期になった。当初の予定は26,27日だったが、冬型の気圧配置が厳しかったので、予備日の30日31日にもってきた。移動性高気圧にすっぽりと入らない限り我々の実力では駄目だとの判断だった。 アプローチ 前夜車泊の予定で美濃戸へ入った。高速料金深夜割引を適用させるため、0時まで諏訪SAで時間調整し、南諏訪ICで降りた。美濃戸口までくると雪がなく、難なく美濃戸まで入ることができた。これで徒歩1時間分の時間節約と体力温存になった。駐車場はまだまだ空きがあった。5時過ぎにアラームをセットし横になった。朝までに少し車が増えていた、 軽く食事を済ませ準備をしてヘッデンの明かりで5時40分に駐車場を出発した。今回は小屋泊のためにテント装備などの生活用具はザックに一切入っていないが、ロープやギア類、アイゼン、ピッケル、バイルが入るので10キロにはなる。ギア類はいろいろと情報を得て厳選したつもりだが、初見ルートなのでどうしても多くなってしまう。 行者小屋 休憩を入れながらゆっくりペースで8時40分に行者小屋に到着した。行者小屋は出発の準備をするパーティで賑わっていた。小屋が営業していることもあって、テントは数はそれほど多くはなかった。主稜をやるパーティがどれだけあるか心配になった。ここですべての準備を整えておく。軽く行動食でエネルギー充填。岩壁に取り付くと食事もままならなくなる。 文三郎道 登攀準備と食事を30分で済ませ出発。少しずつ気持ちが戦闘モードに入って行く。アイゼンがキンキンと雪面をとらえる音を聞くと高山に来たという実感が湧いてくる。アイゼンでしっかりと雪面を捉え文三郎尾根で高度を上げていく。この間1時間10分、事前情報で得たルート情報が頭を巡っている。と同時に気持ちが登攀モードへと入っていく。 大半のパーティーは一般ルートで赤岳か阿弥陀岳に向かっているようだ。右手に阿弥陀岳が陽を受けて青空をバックに輝き、冬山に来たという実感が湧いてきた。天気も良く風もそれほど強くない。心配なのは難パーティが先行しているかだ。2,3パーティが詰まっていると核心部での待ち時間次第ではルート変更もありうることは想定内。もしその場合は、南峰リッジに変更出来るよう準備はしていた。 赤岳沢トラバース 文三郎道から赤岳沢上部の岩混じりの雪面のトラバース50m。ここからが本番。分岐で岩壁を見ると先行パーティーがいるがフォローがチムニーを登り終えるところだった。これで待ち時間なしで登攀できそうだ。早速、赤岳沢の雪面のトラバースにはいる。雪がしっかりとしているので確保なしでも大丈夫のようだ。途中にミックス帯があり、そこは慎重に行動した。ここは失敗できないところだ。 1ピッチ目 30m さて登攀開始。気温は行者小屋がマイナス15度だったので、高度を上げた分気温は下がっているはず。岩壁は西側なので日陰になっている。ロープを出すなど、登攀準備をしている10分間で身体が冷えてきた。手袋をしたままの細々した操作に時間がかかる。ここはまた、傾斜があって油断は出来ないので、到着したらセルフビレイ。 このピッチはチムニーの登攀が核心でグレードはWーと紹介されている。カムが使えそうだが、しっかりとしたハーケンがあったのでそれに支点をとった。チムニーの上で#1を使った。手はガバがあるが手が冷えていて感覚がうすれている。しかし、しっかりとスタンスがとれるので問題はない。岩に触ると自然と登攀モードのスイッチが入った。チムニーから凹角に入り、その後はリッジを右上。ロープが屈曲するので支点に120のスリングを使った。 2ピッチ目 垂壁を左から越える。ここからは200mは階段状の岩の、ミックスのリッジ雪面が続く。ロープを50mいっぱい延ばしながら効率よく登った。ロープいっぱいのところでペツルのボルトがあった。 いい間隔でペツルのボルトがあって安心だ。コンテでも行けそうな所だが、面倒でもスタカットでいった。 3ピッチ目 ミックスからリッジを登り途中で切った。ここもロケーションのすばらしいピッチだった。登攀自体は易しく、 支点は中間に1カ所程度だった。 |
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