■聖岳(南アルプス) |
レポート No.902 |
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8月9日 自宅(18:30)〜易老渡の手前の駐車地(22:30) |
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プロローグ ハードな遠征が続いたので今回は、緊張をほぐして歩きの山行に切り替えた。といっても聖岳は日本の最南端の3000m峰で、標高差のある歩きごたえのある山だ。南アルプスの南部と言えば、椹島からの入山が一般的だが今回は、長野側から入山してみることにした。これまでにも何度か「便が島」をベースに計画したことがあったが、ネックはやはりアプローチの林道で、少しの雨でも通行不能になってしまう。 アプローチ 前夜車泊の予定で夕方に家を出た。中央道飯田ICから矢筈トンネルを通って国道151号線に入った。易老渡へは国道151号線の上島トンネルからで、登山口の案内もある。問題は易老渡までの車道で、災害に弱いらしいこと事前調査で判っていた。 落石を踏まないようにいつもより慎重に運転し、1時間かけて易老渡まで車を進めると、なんと易老渡の手前で土砂崩れをおこして通行不能となっていた。易老渡にはたくさんの車が駐まっていたが、この状態では通行が不能で、道路が復旧するまで帰れないことになる。とりあえず易老渡から歩いて15分手前の橋の駐車場に止めることにした。すでに何台か駐められていた。道路状況は「遠山観光協会」のページで確認できるが、後で調べたところによると、通行止めになったのは9日夕方未明で復旧が10日11時となっていた。とにかくよく通行不能になるみたいなので直前の情報のチェックが必要だ。 易老渡 8月10日 4時のアラームで活動開始。車を出ると、他の登山者も出発準備をしていた。今回の装備は歩きのテント1泊なので荷物が軽い。カメラや水を入れるとザックの重さが12キロ弱。先週の半分なので、すごく軽く感じられる。小屋泊にするとザックの重さがさらに半分になるが、費用が一人1泊9000円と嵩む。担げるうちは担ぐことにしている。 15分も歩くと易老渡の駐車場に到着した。駐車場にほぼいっぱいの車が入っていたが、通行不能になっているのでこのままでは帰れないことになる。 便が島 5:40 西沢渡 便ケ島(tayorigashima)から40分ほど歩くと西沢渡(nishisawado)に到着した。この沢に荷物運搬用の人力索道があるのは知られている。しかし登山者用には木製の橋がかけられてるので安心だ。駐車地から4キロ以上歩いてきたので沢に下りて小休止。お腹が空いてきたので朝食にした。 西沢渡〜薊畑 6:35 さてここからが登山道に入る。ここの標高が約1050mで薊畑が2350mくらいなのでほぼ1300mの登り。苔平までは傾斜がきつく登りが辛かった。しかし、高度を一気に稼げる区間でもある。1400,1600,1800,2000,2200mと標高差200mごとに標識があり、休憩の目安にもなっている。同じくらいの時間に出発した数パーティーが抜きつ抜かれつ。 登るにつれ、カラマツ林がツガ林になりやがて、シラビソ林に変わっていく。植生の変化が短時間で見られるのがおもしろい。シラビソ林は苔が多く、まるで大台ヶ原のようで雰囲気がいい。マイズルソウやゴゼンタチバナも見かけたがすでに実ができていた。見かけた花はカニコウモリくらいだった。 薊畑 順調に高度を稼ぎ10:40に薊畑に到着した。立ち枯れの木が多く、まるで大台ヶ原の白骨林のようだ。倒木の後は光が入り草地が広がっていて、そこが花畑になっていた。展望もいい。今日の宿泊地の聖平はここから30分ほど下ったところだ。時間はたっぷりあるので、大休止して花の撮影に専念した。 聖平 さて、1時間近く薊畑で散策し、聖平へ下った。ちょうど12時を過ぎたところだった。小屋もきれいでテント場もフラットで雰囲気がいい。水場も近いし、トイレは水洗だ。それだけではない、ウエルカムの「フルーツポンチ」がテント泊の登山者にも振る舞われていて、とても嬉しかったし、おいしかった。ここならもう一度来てもいいかなと思った。 野営場は昼過ぎだったので設営場所を選択できる。グループは喧しいので大きなテントのそばは避けたいが、トイレと水場の位置を考慮して設営。早速テントに入ってお昼寝タイム。 夕食はマグロの照り焼き缶詰、ボイルウィンナー、餅入りラーメンでお腹がいっぱいになった。テント場の真ん中に沢が流れていて冷たい水に箸を入れると気持ちがよかった。ただし沢沿いにはアブがいるので何カ所か刺されて早々に退散。テントに戻るとぽつりぽつりと雨が当たり出した。アルプスも午後になると天気が不安定になる季節になってきた。今日中の登頂も考えていたが、行かずによかった。明日の朝に期待しよう。
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2015-8-12 Copyright (C) 2015 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |