■鬼ガ牙・臼杵岳(鈴鹿) |
レポート No.883 日時:2015年5月9日 参加者:隊長、うさぎ |
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鬼ガ牙登山口(7:50)〜鬼ガ牙南峰(8:30)〜鬼ガ牙(9:10)〜長坂の頭(10:18)〜小太郎峠(11:20)〜船石(11:40)〜昼食休憩〜臼杵ケ岳697m(12:35)〜臼杵山(13:00)〜臼岩・杵岩(13:12)〜登山口(13:50) |
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プロローグ 藤内壁でクライミングの予定をしていたが生憎の雨で急遽歩きに変更した。鬼が牙は何度もクライミングで足を運んでいるが周回するのは5年振りだ。ルートチェックと撮影を兼ね、新緑の鈴鹿南部を歩いた。さて、鬼が牙から臼杵山を周回するルートだが、三重県の山で取り上げて久しい。今回のルートチェックでは、しっかりと歩かれてることが確認でき安心した。標高は700mに満たないが、鬼が牙から周回するとしっかりと歩けるルートで充実感がある。 アプローチ 鬼が牙登山口から入山する。臼杵岳登山口と接近しているので周回に継ごうがいい。臼杵岳登山口周辺に空き地があり駐車可能。鬼が牙登山口を入ると谷に沿った急登から始まる。日陰で岩が滑りやすいので注意が必要だ。周回ルート中の核心部は入山直後から鬼が牙までなので、気を引き締めて入山したい。 鬼ガ牙に到着すると雨がぽつりぽつりと当たり出した。モチベーションは下がる一方だが、取材を後回しにするのも嫌だ。負の葛藤の板挟みになるが、条件が悪くても山はきっと、それなりの充実感を充て得てくれずはず。低山こそ新緑が似合うので、新緑を生かした撮影に専念することにした。 長坂の頭に鈴鹿では珍しいコウヤマキがあることを確認していたが今回は、鬼が牙周辺で見つけた。これはうれしい。鈴鹿山系ではこの辺りが北限なのか、大変興味がある。 長坂の頭まで来るとヤマツツジが咲き始めていた。いつの間にかミツバツツジが終わり、ヤマツツジの季節になってきた。 小太郎峠 蒸し暑くて尾根のアップダウンが堪える。時折現れるヤマツツジの鮮やかな紅色に励まされながら、長坂の頭から約1時間で小太郎峠に到着した。今歩いてきた鬼が牙西尾根を一望でき、正面にはこれから向かう臼杵岳が見えている。稜線まで上がってしまえばこの先は歩きやすくなる。 船石 「鈴鹿の大と谷6」によると 「古代稲作民の進行とされるいわくらや、舟石、ウス岩、キネ岩等は現在見捨てられている。・・・・・ウス岩、キネ岩などは一目でそれを判る姿をしているから比較的よく知られているが、船石となるとほとんど知られていない。・・・・船石谷の最奧のコスギ谷とスギオ谷の源にある花崗岩であることが判明した。・・・・ 船と見られなくもない。」 稜線を歩いているとチゴユリが見頃を迎えていた。そのそばでササユリが葉を広げようとしている。草本類の少ない山だが、季節の花が見られてうれしく思った。雨が止んだので展望のいいところに腰を下ろして昼食休憩した。お握りとパン1個で十分だ。 昼食休憩を入れ船石から約1時間で臼杵ガ岳に到着した。 興味深いのでさらに引用する。「尾根に戻り、なおも東へ下降していくとウス岩とキネ岩が並んで直立している。遠くから見えるわけである。これから広い展望が得られ、特に伊勢平野に点在する町や村がよく見える。古代信仰時代には弥生人がこの展望を楽しんだはずであり、この展望こそが麓の農民に山岳を対象とする原始信仰を芽生えさせたのではないだろうか。神が降臨し水田を耕作する民を見守ってくれることを望み、臼と杵といった男女を意味し、また農耕を象徴する道具をもって信仰の対象としたのではないだろうか。性神、つまり生殖によって増産にイメージを呼び込む農耕神の姿がそこに見える。」 岩を見ると無性に登りたくなるのがクライマーの習性が。この岩がご神体だとすれば罰が当たりそうだ。と思いながら気がつくと登っていた。さてここからは急降下で、一気に下って40分で登山口に到着した。標高こそ700mに満たないが、変化があっていい周回ルートだと思う。 イワカガミの花は終盤でほとんど落花していた。面白かったのはオトシブミ。あちこちで目に付いた。葉巻のようにきれい葉を丸め、開いてみると小さな卵が一つ入っている。 チゴユリが見頃を迎えていた。背丈が小さいので地味だがマクロレンズの覗き込むとやはり百合だ。 ササユリが開花に備え葉を広げ始めていた。今年のシロヤシオは裏年でほとんど花をつけていなかった。昨年はどこの山でもたくさん花をつけていたのだが。小さいところでは、ヒメハギとニシキゴロモが咲き始めていた。 |
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