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■大面岩@瑞籬山(奥秩父)


レポート No.833
日時:2014年10月11日
参加者:たくさん、隊長、うさぎ

〜大面岩の左岸稜でマルチピッチクライミング〜

 

駐車場(7:00)〜左岸稜線取付(8:10)〜1P(8:20)〜2P(9:15)〜3P(9:45)〜4P(10:15)〜5P()〜6P(10:30)〜7P(11:00)〜8P(11:25)〜9P(12:50)〜10P(13:20)〜(13:40)山頂(14:20)〜懸垂〜駐車場(18:10)


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プロローグ この三連休は丸山東壁を狙っていた。気持ちも準備も整いあとは出発を待つばかりだった。ところが台風19号の接近である。先週、台風18号が去り、好天を期待していたのだが。丸山東壁は今年、メインの岩壁に据え準備をしてきたのだが、4度目の計画も流れてしまった。何とかやってやれなくもなかったが、じっくりと対峙してみたい国内のビッグウォールなので焦ることはない。ということで瑞籬に変更になった。数えてみると今年は瑞籬山は4度目の遠征になった。大ヤスリ岩、十一面岩の黄昏ルート、錦秋カナトコルートに続いて今回が、4本目のマルチピッチとなった。どれも特徴があり裁縫してみたくなるルートだが、その中で今回のルートが最も充実感が感じられるルートだった。

アプローチ 須玉ICの出口のコンビニで6時たくさんと合流。食料を購入し瑞籬に向かった。瑞籬の登山口には7時に到着。登山者なのかクライマーなのかわからない、すでに数台の車が駐まっていた。このあたりから瑞籬への登山道があるらしい。唐松林の中に遊歩道が整備されていて、1本ではないので所見ではわからないかもしれない。必要なギアをザックに詰め込み出発。今回の左稜線はボルトルートらしいので、カムは中間サイズに絞った。ヌンチャクは15本、ダブルロープ、スリング、アブミなど。

   
登山口に

アプローチは1時間ほどの距離。まずは瑞籬山へ向かう登山道(バリエーションルートらしい)を辿るらしい。踏み跡はしっかりとしていた。カンマンボロンの手前で休憩していると単独登山者が瑞籬へのルートを探していた。

   
カンマンボロンの基部を通過し登山道から外れて大面岩へ


左稜線取付

1ピッチ目 5.10a まず今回のルートだが、「日本マルチピッチ」では次のように紹介されている。「大面岩の左端のリッジを登るもので、この岩壁では最もやさしい。核心は露出感の高い非常にすっきりとしたフェースで、快適さも抜群だ。しかし最後に出てくるオフウィズスが意外と手強く、決して容易な部類のルートではない」そして、1ピッチ目については、「下半部は、大面岩とカンマンボロンの間にある岩稜を登る。ここま末端から取り付けるが苔がひどい。通常は正面壁側のバンドをトラバースして1ピッチ目を割愛する」と紹介されている。しかし我々は、1ピッチ目から取り付いて。グレードは5.9となっているが、出だしはそれ以上に感じた。少しやってみて行けそうだが、ここは勝負するところではないので、ボルトでアブミを使い体力温存。

ところでこの1ピッチ目の取り付きだが、たくさんの案内がないと全くわからない所だ。所見では取り付を見つけるのに1時間かかったそうだ。この取り付きだが、トポとはあわないみたいだ。岩は乾いているが、苔がついているので濡れる厄介かも。出だしにアブミを残置しその先はフリーでいった。

    
1ピッチ目はためらわず人工でスタート

2ピッチ目W  記憶がはっきりしない。ルンゼを登って小テラスでピッチを切った。左にカンマンボロンの岩壁が間近に迫ってきている。樹林から抜けたことで見晴らしがよくなってきたが、まだ先には樹林帯がある。

    
見晴らしのいいところでピッチを切った

    

3ピッチ目 5.8 木登りを交えて岩を2段ほど上がると、木がなくなりすっきりとした岩場になった。

   

    
スラブを登りルンゼの樹林帯に入っていく

    
屈曲するので途中の立木でピッチを切った

4ピッチ目 5.7 さてここからがクライミングらしくなる。凹角を登ったところに木が一本ある、そこを右に90度曲がり、窮屈なバンドをトラバースする。そこから上がルート中の核心で、5.10bのカンテ状フェース。まずは核心の下でピッチを切った。窮屈なバンドのトラバースは、難しくはないが、落ちるとかなり振られるのでカムを1個突っ込んだ。

    
唐松が色づき始めていた

     
凹角を登り木にランニング      窮屈なバンドのトラバース

   
ホールドはしっかりとしているが、念のためにカムを1個突っ込んだ


バンドを通過後に振り返る。後ろはカンマンボロン。

5ピッチ目 5.10c 短いピッチだが気の抜けないフェースで、探せば細かいホールドが見つかる。御在所の中尾根バットレスよりもホールドはあるように思う。先週登っているので、スラブ間隔で登った。ボルトに沿ってリードしたがうさぎはカンテに沿って登ってきた。

    
左:神経を使うリード     中と右:うさぎはカンテのラインをとった。


左上の大テラスでピッチを切った

   
核心を登るたくさん          核心部下のボルト

    
核心部を見上げる       リードが終わりほっとした

   
核心部の登攀

6ピッチ目 5.10b 核心を越え大テラスで休憩。さてここから2ピッチが、このルート中でも最もおいしいところだ。まずは大岩の上に出なければいけないが、どうやって乗り越すか。小さな岩から乗り移れそうだが、サイズの小さいうさぎは無理なようなので、岩の裏側に回り込むとボルトが1個あった。フリーでは難しそうなので、アブミをかけ、クラックにカムを1個入れ人工で突破した。


すっきりとしたフェース5.10a、2ピッチで登った。

     
6ピッチ目をリード

     

     
後半はカンテに沿って登った

大岩の上に乗るとフェースの傾斜が実感できた。ボルトの位置を確認しラインを頭にインプット。どうやらフェースで離陸し右のカンテに行くようだ。離陸してみるとなかなかの傾斜だ。細かいがホールドは適度に見つかる。3ピン目をクリップし少し緊張感がほぐれていった。

    
左:大岩の後ろから離陸    右:カンマンボロンを背に快適なクライミング


中間のビレイ点から見下ろす


ヤシオがきれいな紅葉

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