プロローグ　昨日から異常な暑さが続いている。梅雨に入る前の猛暑は珍しいそうだ。2週間前に中鬼をやりに来たときは、寒さで手が動かず、日差しがありがたいほどだった。そして2週間後の今日は、体がだるくなるほどの猛暑。藤内壁はそこそこ標高があるので日陰に入ると涼しいが、湿度が高く息苦しかった。

アプローチ　裏蜜登山口周辺の駐車スペースは空いていて、登山者も少ないようだ。平日なので登りたいルートがやれると期待し藤内壁に向かった。

　　　
コアジサイ　　　　　　　　　藤内小屋

　　　
藤内壁　　　　　　　　　　　　ヤマツツジ

藤内沢出会いで休憩していると、ガイドのMさんがお客さんとやってきた。貸し切り状態で黙々と課題に対峙するのもいいが、順番待ちがなければ、ある程度のパーティーか入っているのも、活気があっていい雰囲気だ。

一の壁　右ルート　一の壁に到着すると、二人組がすでに２ルートからクライミングを始めていた。先ほど藤内小屋にいた男女ペアも到着し、数パーティがそろい、今日の一の壁も盛況だ。皆さん、2か3ルートからアップを始めるので、我々は右ルートから始めることにした。半年ぶりの一の壁なので、ちょっぴり新鮮みが感じられた。グレードは�X級なのでアップにはちょうどいい。久しぶりに乾いて岩に触れたのでいい感じだ。

　　　
右ルート　�X級

アップだが汗が噴き出した

一の壁　フランケ　宇宙遊泳　5.10b　さて次はどうするか。アップはもういいので、フランケの宇宙遊泳5.10bにトップロープをセット。これまでにも何度かやりたいと思っていたが、季節のいい土日はタイミングが悪く出来ないでいた。だから今回は初見ということに。１０ｂのオンサイトは自信がないし、欲もないので、とりあえずトップロープで感覚を掴むことにした。

宇宙遊泳にトップロープをセット

なぜ宇宙遊泳か、うさぎがテンション掛けたときに理解できた。下のクラックがハングしているので、剥がされると空中にぶら下がってしまう。下のクラックはジャムが効くし、右のフェースを使いながら身体が上げることができた。正しハングしているので、長居は無用。もたもたしていると手がもたなくなってっくる。

上部のクラックは、クラックの手がかりが悪い。ジャムが使える場所も限られていて、レイバックで離陸を試みるがバランスが悪い。さてどうするか、もたもたしていると下からＭガイドから、同じ場所にまだおる。何しに来たの、登に来た。とヤジが飛ぶ。レイバックはあきらめ、ジャムとフェースで解決。次回は一発で決めたい。課題を残して、今日はこのへんで許してもあげよう。

　　　
さて、核心部へ　　　　　　　　　　　　平日だが賑わう一の壁

お昼休み　花見にいい季節だ。イワカガミが見頃になってきた。ベニドウダン、サラサドウダンもタクサン花をつけていた。食事後、モンキーフェースに移動。グレードは5.10aで、前回は途中で終わっていた。

　　　
サラサドウダン　　　　　　　　　　タテヤマリンドウ

イワカガミ

一の壁

モンキーフェース　5.10a　まずはRP狙いでやってみる。いけそうだが、カムの効きが悪いので気持ち悪い。暑くて気持ちも乗らないので、トップロープをセット。

中尾根　モンキーフェース

まずはうさぎから。風が良く通るので少し涼しくなってきた。レイバック気味にうまく身体を上げていく。１０クラスはやはり、バランスとムーブで対応できるレベルだ。耳の所のフレークで１テン入ったが、それなりに楽しめたようだ。続いてわたくし。前回、といっても３年くらい前、耳のところで苦戦したが、今回はあっさりクリア。少しは上達したのかな？

　　　
モンキーフェース

バットレス北面　セプテンバーレイン　5.10a　さて次はどうする。スラブもやっておきたかったのでバットレスに戻る予定が、バットレスの北面があまりにも涼しかったので、ここをやることにした。確か10aがあったと記憶しているが。たぶんこれが、ここでは一番易しいセプテンバーレイン5.10aのようだ。簡単そうに見えたが、取り付いてみるとむずい。終盤のクラックはカムが入るようになったので、ロープでカムを引き上げた。クラックはなんとかなったが、出口が微妙。ううさは身体のサイズがあったようで難なくクリアしたようだが。結局、OSを狙ったが、だめだめ。A0で何とかクリアし、トップロープをセットした。

バットレス　北面

　　　　
セプテンバーレイン

ラインを間違え、ヌンチャク回収のために懸垂振り子

　　　
うさぎもA0が入ったがクリア

　　　　
藤内沢　　　　　　　　　　　　　　イナモリソウ

帰りにイナモリソウを覗きに行くと、咲いていた。岩と花と、充実した一日になった。ただし、暑かった。

イナモリソウ