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■薬師岳(南アルプス)

〜冬の南アルプス第2弾は鳳凰山〜

レポート No.777
日時:2014年1月18日19日
参加者:じんじんさん、隊長、うさぎ

18日 夜叉神の森P10:00)〜夜叉神峠(11:30)〜杖立峠(13:40)〜苺平(16:00)〜南御室小屋(16:30)
19日 南御室小屋(6:54)〜薬師岳(8:46)〜南御室小屋(9:55)〜苺平(11:38)〜杖立峠(12:43)〜夜叉神峠(13:45)〜夜叉神の森(14:30)

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プロローグ 冬はやはり冬山がいい。先週に引き続き南アルプスへ。この時期の冬山は登攀技術よりも、天候によるアプローチが成否を分ける。テント装備でラッセルとなると体力ばかりが消耗し、雪と格闘しただけで途中敗退もありうる。その点、鳳凰山はアプローチがいいし、岩峰の登攀もないので初級の冬山だ。先週の仙丈は天候を味方につけ、すばらしい冬山が満喫できたが、さて今回の鳳凰山はどうだったか。

天候 さて天候だが初日の18日は、弱い移送性高気圧に覆われるが午後から寒気を伴った谷が通過する。19日は、冬型気圧配置で500hpa気温−33度以下の寒気が入り北西風が非常に強く、6時の時点で山頂付近は気温ー22度、風速15m/sとなり、かなり厳しそうだ。薬師ケ岳は山頂近くまで樹林帯なので、いつでも撤退するつもりで入山した。

アプローチ 18日  初日の行程は夜叉神の森の登山口から野営地となる南御室小屋までと、約6時間くらいの行程なので早朝発とした。刈谷のSAでじんじんさんと合流し、新東名で新清水ICから国道52号線を北上し芦安に入った。林道は通行可能で、登山口まで入ることができた。もし芦安止まりだと、計画は大幅な変更になる。

夜叉神の森登山口 もう少し賑わっているかと思ったら、正月の山行期間が終わり、駐車する車も少なくひっそりとしていた。入山者は少ないようだ。パッキングしたザックから荷物がはみ出していたり、外付けのギア類に重量感と威圧感を感じる。夏のアルパイン装備に比べると軽量だが、冬のテント装備にワカン、アイゼン、ピッケル、スコップが加わるので、それなりの重量になった。

   
登山口周辺

アスファルト道を歩いて登山口へ入るなり、凍結道となったたけ早速アイゼンが必要になり装着。登山口から峠までは標高差400mの登り。急勾配はなく、ジグザグに緩やかに登っていく、よく整備されたルードだ。北岳へのアプローチで賑わう登山口は何度か見ているが、実際にこのルートを利用するのは初めてだ。久しぶりに重荷を担いだので身体が重さになじまず苦しい。途中、アイゼンの装着や小休止をはさみ、夜叉神峠まで1時間30分もかかってしまった。


夜叉神の森登山口

      

夜叉神峠 初めて夜叉神峠に立ち、展望の良さに驚く。西側に雪をまとい白く輝く農鳥岳と間ノ岳が目に飛び込んできた。ここにテントを張って、白根三山の展望を楽しむのもよし、と弱気になる。ベンチに腰を下ろし、しばらく三山を眺めていた。後続の5人パーテイーが追いついてきた。このパーティーとはほぼ同じ時間で行動とともに行動することになる。


農鳥岳3025mと間ノ岳


間ノ岳3189m


夜叉神峠

杖立峠 心配していたトレースだが先週来、降雪が少なかったようでワカンの出番は全くなく、凍結した雪面にはアイゼンが有効だった。さて夜叉神峠から杖立峠の区間は標高差400mを2時間で歩く、緩やかな登りの行程だ。カラマツ林で途中標高差100mくらいの登りがあり、雪が氷結しアイスバーンイなっていて、アイゼン爪が頼もしく感じられた。高度を上げるにつて積雪が増し、シラビソ林へと変わっていた。

   
杖立峠にて

    

苺平 さて次の区間は苺平までで、この区間も標高差は400mだが、距離は先ほどよりも長く、標識を見ると所要時間が2時間40分を書かれていた。この区間で、今日の登りの残った三分の一を稼ぐことになる。暗くなるまでにはテントを設営したいので、あまり時間的なゆとりはない。峠を出てしばらくトラバース気味に進み、長い緩やかな登りになる。疲労が蓄積し、ジャブが効いてきているので徐々に足が出なくなってきた。何度も立ち休みし、2時間20分でやっと苺平に到着した。標高は2500mでシラビソ林の中で展望はない。北アルプスなら森林限界を越えている高さだがここは南アルプス。ここまで来ると南御室小屋は近く、登りのない30分の距離だ。

   
苺平にて

南御室小屋には16時30分に到着した。暗くなるまでに到着できたのでよしとしよう。テントは二張で大きのは行動が同じだった5人パーティのテントらしい。小雪がぱらついてきた。水場の横に素泊まり小屋があったので覗いてみる。先客はいない。有料で一人1000円だそうだ。テントの方が暖かいと思うが、設営が面倒なので小屋を利用することにした。


野営場

   
南御室

素泊小屋は5人くらいが定員で、板の上にゴザが敷いてあった。毛布と布団があるのがありがたかった。その上にマット敷き、シュラフに入ると快適だった。さて夕食は、前回と同じで豚汁。水場が近くになるので便利だ。おそらく気温はマイナス20度くらいになっているだろう。汲み置きするとすぐに凍り付いてしまう。ガスカートリッジは2個あるので、ジェットボイルはお湯沸かし用、もうひとつは調理用で使った。テントならガスを使えば暖まるが、小屋なのでどれだけ火を使っても暖まらない。ビールとお酒を少しいただき、少しリッチな気分。低温化では、お湯作りと食事作りが大仕事だ。飲料用に暖かいコーヒーをポットに詰め込んだ。食事を終え、18時30分にシュラフに潜り込んだ。手足がなかなか暖まらなかった。

   
素泊小屋


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