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■仙丈ケ岳(南アルプス)

天候に恵まれ、冬の仙丈はほほえんでくれた

レポート No.776
日時:2014年1月11日12日13日
参加者:隊長、うさぎ

11日 戸台駐車場1020m(8:50)〜白岩堰堤(9:45)〜旧丹渓山荘1450m(12:04)〜大平山荘(14:45)〜こもれび山荘(旧長衛荘)2030m(15:38) +1000m 11km
12日 こもれび山荘(7:00)〜大滝の頭(9:09)〜小仙丈岳2855m(11:30)〜仙丈小屋分岐(12:30)〜仙丈岳3033m(13:10)〜小仙丈(14:15)〜こもれび山荘(16:45) +1000m 12km
13日 こもれび山荘(7:07)〜大平山荘(7:22)〜旧丹渓山荘(8:34)〜白岩堰堤(10:04)〜戸台駐車場(10:50) 〜仙流荘で湯に浸かる〜鈴鹿(16:00)  -1000m 11km

| 11日 | 12日の1 | 12日の2 | 13日 |

プロローグ 冬季登山は岳人にとってあこがれ。雪と氷で抽象化された山の景観は、冬山の厳しい自然環境にリスク管理しながら踏み入ったものへのご褒美。週末から今季一番の寒気が入り、降雪を風が予想されたが、登攀予定の12日は等圧線が緩む予報。当初テント泊2日で鳳凰三山を予定していたが、北沢峠のこもれび山荘「旧長衛荘」が12日まで営業だったので、3連休を有効に使い、甲斐駒か千丈にアタックすることにした。甲斐駒は岩稜と雪、仙丈はなんといっても冬の3000m峰で、どちらも魅力がある。

アプローチ 11日  初日の行程は北沢峠の長衛荘までなので、鈴鹿の自宅を4時30分に出発することにした。早朝といういことで積雪や路面凍結が心配だったが、中央道は順調に流れていた。恵那SAで朝食にかけそばを食べて暖まった。伊奈ICで降り高遠に入ると一面銀世界。登山口の戸台まではしっかりと除雪されていて予定取り到着した。

戸台 すでに20台ほど車が入っていて、我々と前後して何台かの車が入ってきた。南アルプス林道の運用が始まると、戸台からの入山者は鋸岳縦走なのど一部の登山者に限られるが、冬季に甲斐駒や千丈を目指す場合はここ戸台から入山することになる。戸台川にそったルートで、林道をバスが運行する前はこのルートが一般的だった。行程は11kmと長いルートだが、北沢峠までは標高差が1000mなので、それほど厳しくはない。駐車場の気温はマイナス8度だった。管理棟に登山届けを掲出し駐車場を後にした。

   
戸台登山口管理棟で入山届          河原の駐車場

北沢峠には15時くらい迄には到着したいので、どのパーティーも同じような出発時間になった。我々と前後して大小数パーティーが出発した。ザックには皆、アイゼン、ワカン、ピッケル、スコップなどの冬装備が括り付けられ重そうだ。

   
戸台川


最初の堰堤、凍結しアイスができそうだ

白岩堰堤 駐車場からは戸台川右岸を歩き1時間で白岩堰堤に到着した。トレースがしっかりとあるのでルートを見誤ることはなかった。トレースのおかげでここまでアイゼンは必要なく、歩きやすかった。堰堤まで来ると、深い谷の奥に真っ白に雪化粧した駒津峰が屹立し、南アルプスの一角に踏み入ったことを知らされた。堰堤は日陰だったので、日当りにいい河原まで進み小休止した。  


白岩堰堤と駒津峰

白岩堰堤を越えるとルートは、左岸に移動する。徐々に谷が狭くなると同時に岩を越えたり避けたりと、谷の様相になってきた。小休止を挟みながら1時間半ほど進むと角兵衛沢分岐の案内があった。鋸岳はここで分岐で、対岸に目印があった。踏み跡もあった。

   


    


甲斐駒が見えてきた

   
角兵衛沢分岐を過ぎると谷が狭くなってくる

赤河原分岐 角兵衛沢分岐を過ぎるしばらく進むと谷が合流する赤河原分岐に到着した。ここから谷を離れ登高が始まる。右岸に丹渓山荘の廃屋があった。かつては甲斐駒や仙丈への主要ルートとして歩かれていた頃には役割が担っていたのだろう。廃業して十数年が経過し、この小屋を利用した経験のある登山者も少なくなってことだろう。ここで小休止を入れアイゼンを装着した。

   
ツルウメモドキ          廃業した丹渓山荘

八丁坂 谷の分岐からは、これまでの河原歩きから一転し、八丁坂で一気に高度を稼いでいく。ジグザグの登りが終ると傾斜が幾分緩み、シラビソの原生林のスノーハイクになる。トレースがあるからいいものの、ここを先頭をきってのラッセルは大変だったろう。高度を上げるにつれ林道が近づいてきた。小休止を挟み2時間30分の登りで林道脇の大平山荘に到着した。さてここからは登山道へのトレースが分からず、先行者グループは林道を歩いていったので、それに習い林道を進むことになった。帰路に気付いたことだが、かなりの大回りにしてしまったようだ。足を取られながらのラスト1時間、この林道歩きが一番辛かったように思う。

   
積雪が増してきた            林道を歩く

こもれび山荘(旧長衛荘) 初日の目的地のこもれび山荘へは、ほぼ想定通り15時台に到着できた。玄関に「  」と黒板に白いチェークで書かれていて、宿泊者への心遣いが感じられた。巻きストーブで暖められた小屋に入りほっと一息ついた。今回は経費節約のために素泊まりとして、食材は持ち込んだ。素泊まりの料金は正月料金なので、ひとり一日6000円だ。夏場のアルパイン山行はいつも、登攀具が10kg、テント装備や食料が10kgで一人で20kgを担いでいるが、雪上歩行となるといつものようにはいかなくなる。年齢的にも重い荷物はかなりきつくなってきていて、易きに流れろではないが、今回は冬季営業小屋の利点を生かした計画にした。 

   
こもれび山荘          豚汁で自炊

受付で二日分の料金を支払い、荷物を整理し案内をまった。というのはご主人が、今日の食料のボッカに出かけているようなのだ。林道が積雪で使えなくなっているので、ボッカで荷揚げしているようだ。そうこうしているうちにご主人が重い食料を担いで小屋に入ってきた。今日の宿泊者は二十数名のようで、ベットが割り振られた。我々は2回のベットになった。一人ずつカーテンのしきりがあるプライバシーへの配慮がある。我々は素泊まりなので食事時間を気にすることなく小屋で過ごすことができる。とりあえ布団に横になって身体を休めることにした。

   
薪ストーブが暖かい     通路の長いテーブル

小屋の真ん中には大きな薪ストーブがあり、靴屋装備を乾かすことができた。山の雑誌や写真集、大型のテレビがあり薪ストーブの回りでくつろぐことができた。少し早いが小屋の食事時間の前に、豚汁を作って夕食の準備をした。ストーブにかけられた大きなやかんのお湯が使えるのがありがたかった。トイレは水洗で便座にはヒーターがついていた。設備もさることながら、こじんまりとして家族経営のあったかい雰囲気のある小屋だ。


maayaさんの歌を楽しむ

食事が終ると小屋でアルバイトをしている歌手のmaayaさんの、ミニミニコンサートが始まった。お酒やワイン、焼酎が無料でふるまわられ、小屋の評価はうなぎのぼり。酒好きはもってこいの山小屋だ19時30分にはお開きになり、暖かい布団に潜り込んだ。夜中はストーブがついていたので、薄着で毛布一枚でも暖かかった。


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