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■甲斐駒ケ岳(南アルプス)
〜美しい岩峰の一般登山道の日帰りハイク〜

レポート No.759
日時:2013年10月14日
参加者:隊長、うさぎ

仙流荘バス停(5:40)〜北沢峠(6:40)〜双児山(8:12)〜駒津峰(8:40)〜 (10:00)駒ヶ岳山頂(10:30)〜魔利支天(11:00)〜仙水峠(13:10)〜北沢峠(14:40)〜仙流荘(15:20)〜自宅(20:40)


プロローグ 紅葉の季節で3連休なのだが、自由になる日は14日の最終日しかなかった。鈴鹿や台高の紅葉にはまだ少し早いので、この時期は例年、白山周辺を日帰りで楽しんできた。今年は少し趣向を変えて、南アルプスの甲斐駒ケ岳に行ってみることにした。紅葉への期待もあったが、それ以上に岩壁の雰囲気をつかんでおきたかったからだ。アルパインクライミングをやっているものにとって、赤石沢奥壁ダイヤモンドフランケはあこがれの岩壁だ。

アプローチ 自宅からだとアプローチに時間がかかるので前夜車泊とした。北岳へは毎年は行っているが、いつも、アプローチの容易な芦安からの入山がほとんどだったので、戸台を利用するは久しぶりになった。自宅を18時前に出発して戸台には21時前に到着した。天候のいい3連休なので駐車場は多くの車で埋まっていた。始発がバスが6時なので、スマホのアラームを5時にセットしシュラフに潜り込んだ。

戸台  5時のアラームで目を覚ますと駐車場周囲は、出発準備をする登山者で活況を見せ始めていた。とりあえず準備をしてバス停の順番を待つ登山者の列に並ぶことにした。バスはマイクロバスだが、何台も準備しているようなので乗りはぐれはない。始発は6時だが、臨時便が5時30分から動き始め我々は2代目のバスに乗ることができた。バスは、南アルプス林道を50分で標高差1000mを登る。北沢峠の標高は約2000mで、ちょうど紅葉が見頃を迎えていた。黄葉はカツラやカラマツで。紅葉はヤマブドウ、ミネカエデが主なようだ。予定通りバスが北沢峠に到着し、登山者はそれぞれのルートに散っていった。我々は最短ルートで登ることにした。標高差は1000m程度なので、ゆとりのある日帰りハイクが楽しめそうだ。

   
戸台仙流荘前バス停             北沢峠

双児山2649m 美しいシラビソ樹林の急坂をぐいぐいと高度を上げていく。寒いと思って冬のウェアを準備してきたが、風もなく日差しのある穏やかな天気になったので、気温は上がってきそうだ。レイヤーで調整しながら1時間30分登ると二児山に投薬した。南峰にはかわいらしいお地蔵さんが祀られていた。コメツガの灌木に混じりダケカンバが見られるようになってきたが、残念ながら紅葉は終っていた。樹間から駒津峰とその向こう側に、山体が花崗岩で白っぽく見える駒ヶ岳と摩利支天が見えてきた。赤石山脈の山が主に、堆積岩からなる黒っぽい岩石でできていて、比較的穏やかなゆったりとした山容を見せている中で、白っぽくい美しい岩峰の甲斐駒ヶ岳は異色だ。

   
双児山              駒津峰と駒ヶ岳

     
美しいシラビソ樹林         双山と千丈ケ岳

駒津峰2752m 双児山を過ぎるとハイマツ帯の登りになり、一気に展望が開け開放的な雰囲気になってくる。期待したダケカンバは落葉し冬の準備が整っていた。駒津峰を上り詰めると正面にピラミッド型をした端正な甲斐駒ヶ岳が姿を現した。日本百名山の中でも屈指の山容を誇っていると思う。ここで仙水峠からのルートと交わり、広々としたピークは登山者で賑わっていた。

   
駒津峰


駒ヶ岳

六方岩 一旦鞍部まで下った所が六方岩と呼ばれるところで、ここで直登ルートをトラバース道が分岐する。岩場に慣れてない人は路ラバースルートがいいだろうが、年間山行の大部分がクライミングに費やす我々にとって岩場は、水を得た魚のようにすいすいと足が動き始めた。ホールドやスタンスを探しながら歩くと安心感がある。花崗岩のきれいな岩峰帯に入るとアルペンムードが高まってくる。登るほどに青空がぐんぐんと近づいてくると山頂は近い。アプローチがいいので南アルプスでは入門的な位置づけだが、入門にしておくのはもったいないほどの山だ。


駒津峰と千丈

   
直登ルートから見上げる駒ヶ岳

甲斐駒ケ岳山頂2996.6m 10時に山頂に到着した。好天に恵まれ、これが3000m峰の山頂かと疑うほど穏やかだ。台風が接近していて少し湿気が入っているようだ透明度はそれほど高くなく、遠くの山は見えなかったが、雲海に浮かぶ南アルプスの山々が一望できた。お昼には少し早いがサンドイッチで昼食にした。

   
甲斐駒ケ岳山頂

さて帰路は魔利支天経由で、ピークから赤石沢奧壁を観察すること。心が急いでトラバース道を駆け下りていたらうさぎが、岩に左足を挟んでしまいひねったようだ。膝を少し痛めたくらいかなと思っていたらどうも様子がおかしい。足の甲に負荷がかかったようでかなり痛そうだ。とりあえず私だけ魔利支天から岩壁の写真を摂ってすぐに合流した。


甲斐駒ケ岳山頂

摩利支天 約2820m ピークからは赤石沢奧壁が一望できた。


摩利支天から見る赤石沢の岩壁


摩利支天から見る駒ヶ岳の岩壁


摩利支天から見る駒ヶ岳の岩壁

左足を負傷 左足を右足でかばっているので右足がつりだしたみたいだ。アミノバイタルとシャクヤク甘草でカバーするが力を入れると痛みが走るようだ。足の甲が腫れてきたようだ。状況から判断すると骨折ではないようだ。私は足の甲をバスケットボールで2回骨折しているので、経験から骨折したときの症状は推測できる。足首の関節のひどい捻挫なら歩けないが、足の甲なので痛みをこらえながらなんとか歩けるようだ。足を痛めた時用に整形外科でボルタレンを処方してもらっているのでそれを服用した。これで力を入れない限り痛みは消えた。


雲海に浮かぶ鳳凰三山

仙水峠 2264m 薬は効いているが、左足の力を入れると痛いので、なるべく左足に負担を掛けずに歩かなければならない。駒津峰まで下り、どちらのコースを選択するか悩んだが、傾斜のきつい登りに使ったルートを避けて、仙水峠経由ルートで下ることにした。仙水峠までは傾斜がきついがそれから先は比較的緩やかだ。痛さをこらえてゆっくりと下り13時過ぎにやっと仙水峠に到着した。仙水峠は展望にいいところで、魔理支天と駒ケ岳ガいい角度で見上げられる。撮影にはベストポジションだ。カラマツの黄葉が見頃を迎えていた。

    
カラマツの黄葉が見頃          仙水峠

仙水峠からは傾斜が緩くなるが距離が長い。平坦なところはいいが岩場は歩きにくそうだ。1時間半でなんとか北沢峠まで戻ってくることができた。やれやれ。


仙水峠から見上げる摩利支天

北沢峠 帰りのバスの時刻は最終が16時だが、臨時バスが随時運行していた。10分ほど待って、2台目のバスに乗ることができた。今年はバリエーションとクライミングが続いていたので、久しぶりの一般道の歩き山行で油断してしまったようだ。 翌日は靴が履けないくらい足が腫れ上がっていたが、整形外科によると全治2週間の診断だった。来週、小川山にでも行くことになれば、クライミングはできないので、「めしたき当番」ということになるが。 完

   
カラマツの黄葉            長衛荘

帰路の中央高速は、飯田ー瑞浪が45キロの渋滞になっていた。飯田山本で高速を降りて153号線で豊田まで走った。曲がりくねった道だが、信号もなく快調に走れた。足助で少し渋滞したが豊田で湾岸に乗り刈谷で夕食にした。鎌北尾根から帰路についているであろうsskさんに電話するとまだ「松川」のようだ。渋滞は多少なりとも解消されただろうか?


 

2013-10-14Copyright (C) 2013 k.kanamaru. All Rights Reserved.  home