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■烏帽子沢奥壁@谷川岳
〜中央カンテを登り南稜を懸垂下降〜

レポート No.742
日時:2013年6月23日
参加者:たっくん、すえつぐさん、seitaroさん、とっちゃん、隊長、うさぎ

6月22日 榛名山黒岩でクライミング
鈴鹿(6月21日18:00)〜(6月22日1:00)谷川岳ロープウェイP(6:30)〜榛名山黒岩〜谷川岳ロープウェイ(21:30
6月23日 烏帽子沢奥壁中央カンテ@谷川岳
谷川岳ロープウェイP(3:15)〜一の倉沢出合(4:15)〜テールリッジ末端(5:00)〜奥壁中央カンテ取付(6:40)〜登攀終了(13:20)〜中央稜懸垂下降〜中央稜取り付き(16:40)〜テールリッジ〜一の倉沢出合(19:10)〜土合(17:50)〜鈴鹿(6月24日1:30)

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プロローグ 梅雨の間隙をねらって出撃。遠距離の遠征なので、二日目は比較的短いルートにしたかったが、初日の予定を二日目に変更してロングルートの中央カンテにアタック。登りが中央カンテ11ピッチ、下りは南陵を懸垂で下った。岩は濡れていて脆く、一の倉沢出合を出発して戻るまでの15時間は緊張が緩むことはなかった。これが谷川岳なのだろう。やはり充実感が違う。

アプローチ  今日の中央カンテルートは11ピッチと長いために、出発を1時間早め3時行動開始になった。昨日は黒岩でクライミングを夕方まで楽しみ、湯につかり食事をしてベースプラザ駐車場に戻ると21時を過ぎていた。seitaroさんととっちゃんはテント、我々は車で休んだ。睡眠時間は5時間と短かったが、ぐっすりと休むことができた。

行動開始 3時に起きて行動開始。ヘッデンを点けて出発した。昨日から雨はあがっているが、雲と霧ですっきりとしない天気だ。有料サイト(ヤマテン)の谷川岳の天候は概ね晴れの予報が出ている。梅雨前線が南下している隙をついてのアタックで、晴天までは望まないが雷雨だけは避けたいところだ。

    
3時15分、ヘッデンを頼りに閉鎖されている国道を歩く

閉鎖中の国道を1時間歩いて一の倉沢出合いに到着した。昨年まではこの時期、車で出合いまで入れたそうだが、今年は通行止めが続いている。本日はロングルートなのでアプローチで短縮したかったがそうもいかなくなった。


一の倉沢出合に着く頃には明るくなっていた

予定通り一の倉沢出合いに到着した。テント泊のパーティーが数組あり準備をしているところだった。今日は、人気ルートの南稜や中央稜は混みそうだ。小休止を入れ、一の倉沢に入った。雪解けは2週間前よりも進んでいるが、ルートはしっかりとしていて右岸を少し歩いてから雪渓に入れた。雪渓もしっかりとしていて予定通り約40分でテールリッジ末端に到着した。ここで軽量化のため、この先不要となるアイゼンやストックをデポした。

  
シラネアオイの花がが見頃になっていた  雪渓を慎重に登っていく

テールリッジ さてここからテールリッジに取り付く。乾いているとフリクションがきく岩だが、少しでも濡れると良く滑る。アプローチではあるがテールリッジはすでにクライミングの領域に入っていて、スリップしての滑落は許されない。途中で朝食タイムをとり、慎重に登って中央稜取付まで進んだ。

  
テールリッジ末端に取り付く(5:00)     濡れた岩場に注意を払う

  
確保こそしていないがテールリッジは、クライミングの領域だ

中央カンテ取付 予想通り今日のパーティの大半は南稜と中央稜に集中している。中央稜取付ではすでに数パーティーが順番待ちをしていて、我々が準備をしている間にも2パーティーほどが上がってきた。どうやら濡れたルートの中央カンテにアタックするのはわれわれの2パーティーだけになりそうだ。今日は先行パーティーがseitaroさんリードで、たくさんとビデオ撮影の末次さん、セカンドパーティは私がリードで、とっちゃんとうさぎでいくことになった。*以下、ルート解説については、チャレンジアルパインから引用している。


中央カンテ取付に到着(6:40)

烏帽子沢奥壁中央カンテ 1ピッチ目 V+ 40m バンドを右に出て凹状の細かいフェースを拾っていく。さて中央カンテだが、2週間前にやった凹状岩壁と2ピッチまでは供用になっている。バンドの右へのトラバースから始まるが、トラバース部分は濡れていても問題ないが、凹状のフェースは水が流れていて、ホールドした手を水が伝ってきた。中途半端なスタンスやホールドはスリップの原因になるので、甘いところは避けて確実なスタンスやホールドに心掛けた。40mロープを伸ばしてピッチを切った。解除のコールが聞こえないので笛で合図。 


seitaroパーティーの出発を待つ、中央カンテ取付にて

    
中央カンテ取付  登攀開始(6:45)


1ピッチ目の終了点にて、凹状のフェースクライミング(7:42)

2ピッチ目 V 50m 傾斜の緩いフェースからスラブを左上。さて2ピッチ目も濡れた岩が続く。しかも凹状なので落石が集まってくるところだ。先行パーティーがいるようなので気が抜けない。ロープが濡れてしまい引き上げが余計に重く感じられた。


2ピッチ目をリードするseitaroさん(7:13)

   
2ピッチ目の終了点にて

3ピッチ目 W 40m バンドを左上し急なカンテを直上する。カンテのクライミングになり、岩が乾いてきて快適だ。前方に岩壁が迫り、直下には雪渓が見えていて、高度感が出てきた。これぞアルパインクライミングの醍醐味だ。ロープを40m伸ばしカンテの途中でピッチを切った。


3ピッチ目のカンテライン(8:14)

   
2ピッチ目の登攀を見下ろす(8:20)

      
3ピッチをリードする     2ピッチ目の登攀

  
ベニバナドウダン         終了点のとっちゃん

4ピッチ目 W 40m カンテを直上。小垂壁を越えフェースへ。ここの終了点で、変形チムニールートからのトラバースが合流する。この辺りまで来るとガスが徐々に上がってきて、青空がのぞきはじめてきた。実に快適なラインだった。

  
4ピッチ目の登攀(8:46)


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