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■前尾根@御在所(鈴鹿)
〜今シーズン初のマルチピッチだったが、岩が冷たかった〜

レポート No.723
日時:2013年3月29日 
参加者:隊長、うさぎ

駐車場(8:55)〜裏道登山口(9:10)〜藤内小屋(10:00)〜藤内壁出合(10:25)〜P7(11:10)〜P6(12:07)〜P5(13:00)〜P4(13:55)〜P3(14:20)〜P2(14:50)〜前壁ルンゼ〜裏道登山道(15:45)〜藤内小屋(16:23)〜駐車場(17:06)

 

プロローグ 前尾根の貸し切りを狙って出陣したのはいいプランだったが、壁は濡れていて冷たく、P7、P6は手がかじかんで苦労した。P2まで通したものの、満足のいくクライミングが出来なかった。シーズン序盤はこんなものだろう。

アプローチ 事前に調べないのが悪いが、スカイラインはまだ開通していなかった。ゲートから歩くのはいやだったので、温泉街から入り少しでも歩く距離を縮める作戦を選択。ところが旧料金所の駐車場は整備工事中で駐車不可。工事はやってないようだし、平日で登山者も少なかったので、路肩に駐めさせてもらった。駐車地から10分程度で裏道登山口に到着。これで往復40分の節約になった。平日だし、天気もぱっとしなかったために入山者は少なく、人気山岳の賑わいはなかった。ログハウス前の砂防工事はまだ続いていた。

クライミングは毎週、鬼が牙で続けていたが、山歩きは3週間ほどしていなかったので、藤内小屋までの歩きで足の重さを感じた。誰もいない藤内小屋のベンチで一休み。単独の男性が一人休んでみえ、後続の人が追い越していった。

  
藤内壁出合           ガスに霞む藤内壁

藤内壁出合 藤内小屋を出ると雨がぽつりとあたってきた。藤内壁は上半分がガスに覆われていて、それを見上げているとモチベーションが上がってこない。少し風が出てきて、岩を乾かしてくれると期待しながら藤内壁出合まで進んだ。出合から藤内壁を見上げた。誰もいない、貸し切りだ。一の壁に魅力を感じたが、まだ壁が少し濡れているし、岩が冷たそうだ。人工のルートでアブミの練習でもいいのだが、それよりも誰もいない前尾根をマイペースで展望を楽しみながら登る方を選択した。


雪渓が残る

P7 P7で準備をしていると先ほど小屋にいた男性が藤内沢を覗きに来て帰って行った。P7もいろいろとルートがあるようで、ここで遊んでもいいが、なにせ岩が濡れているので却下。ノーマルルートからスタートすることにした。ところが取り付いてみると、濡れていて微妙に滑るし、ガバをとると急激に手が冷えてきた。身体は冷えているし、手が冷たく感覚が鈍っていて、ホールドの感覚が曖昧でつかめない。ピンでランニングはひとつとったがその上にカムを入れ安心を買う。岩が滑り、ホールドの感覚がないと一気に難易度が上がった。カムでレストし、両手をフリーにして、息を吹きかけて温めないとホールドがとれない。このノーマルルート1ピッチ目のグレードはXだが、今日はそれ以上に感じた。

  
前尾根P7

うさぎの1ピッチ目は惨憺たるもので、今までにテンションはなかったはずだがこの日は、2テンションとなった。2ピッチ目は少しからだが目覚めスムーズにクリアできた。リッジに立つと展望が開け気分が高揚し、クライミングモードに入っていった。

    
P7、2ピッチ目

P6 さて次はP6で、リッジルートはWで簡単だ。いつもは後続がいるので駆け足でのぼっていた。今日は誰にも遠慮しなくてもいいので、クラックルート5.9NPからフェースXへ移りリッジWに戻るという変則ルートに挑戦した。クラックはレイバック気味でいけたがフェースは細かく、まだまだ身体が冷えてこわばっていて難しく感じた。

  
P6、1ピッチ目

  
クラック5.9からフェースX

P5 のTピッチ目はリッジを進むが、冷たい風に吹かれ、2ピッチ目は北谷側へ逃げた。ノーマルルートを登りP5終了。


P5、1ピッチ目

      
P5、1ピッチ目の終了点

  
P5、2ピッチ目

P4 P4も上部ルートをやりたかったが、身体が冷えてきたので、北谷側の凹角ルートを登る。2ピッチ目から取り付き一気に2ピッチ、ロープを伸ばした。マンサクが満開だった。


P4

   
マンサク              P4の登攀

P3 コンテで登りたいところだが、身体が依然温まらず、調子が出ないのでスタカットで登る。藤内沢にはまだ雪渓が残っていた。 時計を見ると14時30分だ。厳選せずに持ち込んだ10キロ近いクライミング装備(シングルロープ50m1本、カム5個、ヌンチャク12個、アブミ2個、カラビナ環付5個、カラビナ5、スリング5本、ロープスリング3本、水、食料、ガスコンロなど)を詰め込んだザックは10キロを越え、P3まで来るとバテ気味だ。しかし、ヤグラ(P2)を前にして下るのはもったいないので、私だけでも登ることにした。

     
藤内沢の残雪           藤内壁


P4のピーク

    
P3の登攀

    
P3、2ピッチ目

P2ヤグラ 核心部分に赤色のロープスリングがかかっているのが見えた。A0で登るのは自由だが、使用後は撤去しておいた方だいいだろう。ペツルのアンカーに掛けてあったので、クリップの邪魔になったので、隣のリングボルトに移し替えておいた。実はここが核心部で、フェースをフリクションを効かせて乗り越しとマントルに頭がつかえるところが微妙だ。身体を起こしていればバランスで立ち上がれるが。


P2ヤグラ

 

  
ヤグラの登攀

前壁ルンゼ P2を懸垂で降りると15時を過ぎていた。上に抜けると余計に時間がかかるので時間節約のために、下降に前壁ルンゼを使うことに。今までにこのルートを使う機会がなかったの今回が初めてだ。傾斜がルートはしっかりとしている。もちろん落石には注意が必要だが。下部はぐずぐずの雪渓で足を乗せただけで踏み抜いてしまうほど緩んできた。雪渓の淵を石を拾いながら谷へ降りた。裏道登山道に合流すると15時45分だった。18時からの予定に間に合わすべく急いで山を下った。


ヤグラの頭から見下ろす前尾根


前壁ルンゼで下山


ルンゼのマンサクが満開

  
前壁ルンゼ裏道登山道出合   駐車場は整備中、広く使いやすくなるといいが

藤内沢にはまだ雪渓が残っていた。日差しがあれば岩が温もりいいコンディションになると思うが、風が冷たく岩が冷えていて、なかなか銚子のあがらない一日となった。若葉の出る頃には藤内壁も賑やかになるだろう。

 


 

 

2013年3月29日 Copyright (C) 2013 k.kanamaru. All Rights Reserved.  home