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■岩ケ峰(鈴鹿)
今年の発登りをどこにしようと迷ったが〜

レポート No.709
日時:2013年1月2日 
参加者:隊長、うさぎ GPS

栃谷入口(8:30)〜コースアウトトスタイム20分〜P649(10:06)〜岩ケ峰(11:36)〜(11:54)昼(12:20)〜県境稜線(12:30)〜コーヒーブレイク〜中峠(13:43)〜八風峠分岐(14:13)〜駐車地(15:03)


 

プロローグ 年が明けた。今年もアグレッシブに攻めていきたいが、山に向かう気持ちも同じで、手応えのある登山がしてみたい。年が明け、日本海側は悪天候が続いている。西穂、明神で遭難があったようだ。太平洋側は天候は悪くないが、すっきりとしない天気だ。雪なし、樹氷なしで、なんとも中途半端な天気だ。とりあえず、家に居るとからだが鈍るので、出かけてみることに。天候がこんな状態のときは、ルート的に面白いところになるが。

アプローチ このルートは一般登山道にはなっていないものの、古くから山麓の花市場に住む木地師に使われていたようだ、と西尾本に記されている。最近では、一般ルートから少しグレードアップしたい人に歩かれているようで、ネットで検索すると簡単にヒットする。ルートは栃谷と大谷を分ける長い尾根で、今回は栃谷から取り付いてみたが、北山の手前で大谷からのルートが合流していた。特に決まった登山口はないようだが、登りやすそうな所から取り付けばいいだろう。

ルートは尾根を行けば迷うことはないし、所々に目印があり、比較的踏まれている。地形図を見てもわかるが、傾斜がきついところもある。尾根筋はウバメガシ、アカガシ、モミ、アカマツなどの常緑樹林なのでそれほど明るくはないが、南紀の山を思わせる尾根道だ。

    
モミ                尾根道

    
アカマツ       所々に風化した花崗岩


イワカガミ


ウバメガシ、アカガシ、アセビなどの常緑樹林が続く

    


岩ケ峰

北山の手前で大谷からのルートと合流するところがあり、目印テープがしっかりとついている。間違えて北谷のルートへ下ってしまったので20分のロスタイムが発生した。元に戻り、急な尾根を登ると標高770mの北山に到着した。「岩ケ峰から東に向かうと道が怪しくなるが、キレットがあってガレが落ちている。栃谷側アザミ谷の源で悪い所である。ここは大谷の側を行った方が良い。2,3のピークで構成する細長い峰の辺りを北山と呼んでいる。この名称は北谷からきているようで、地元の小字名も北谷・北山が共に健在である花市場から尾根通しに昔から道があってが、歩かれなくなって長年立つものとみえてシャクナゲに足を取られることが多くなっている」(西尾本から引用)全くその通りで、踏み後は石楠花をうまく避けている。

    
岩場の急登もある    尾根の落ち葉と残雪

北山を過ぎるとブナがちらほら見られるようになってくる。痩せ尾根からは岩ケ峰がよく見えている。少し下ってから急登になっているようだ。右手には鏡岩が見えている。岩に立ち寄り遊んでもいいが、今日は帰りが遅くなりたくないのでパスすることにした。尾根の南面はカシ類が多いが、尾根芯や北側はシロヤシオやアカヤシオが見られる。5月、花見を兼ねて岩遊びも面白そうだ。


ブナが出てきた

  
鏡岩                 氷柱

岩が峰への固定ロープがある急登だ。岩壁には氷柱が下がっていた。この辺りもシャクナゲが多いが、幼木なので花はどうだろうか。少しがんばると岩ケ峰の到着した。灌木が茂り展望は良くない。少し進んだところにヌタ場があり、凍り付いていた。どうも天気は前線の通過で下り坂のようだ。小雪がちらつき風が出てきたので、県境稜線に出るまでに昼にすることにした。


ホンシャクナゲ


ヌタ場が凍り付いていた

最後の急登を凌ぐと県境稜線に出た。予想通り風が強くなってきた。散策を楽しむ雰囲気ではないので、すぐそこの釈迦ヶ岳にもたち寄らず、仙香山も通過し、すたすたと歩いて中峠を目指した。途中で三池岳からきた男性と情報交換。彼は段木から下るようだ。今日出合った登山者はこの男性だけだった。無線のスイッチを入れると、ないやら賑やかだ。ニューイヤーコンテストをやってるみたいで、4局ほど相手をしているうちにうさぎが先に行ってしまった。ロケーションがいいので、数十キロ範囲の局は59(ちょっと専門用語になったが、RSレポートで、R(了解度)を5段階評価で、S(信号強度)を9段階評価したもの。したがって59は、了解度も信号強度も最高ということ)で入ってくる。携帯は届かなくてもCQ出せば誰かが聞いているので、遭難したときなど、連絡方法の選択枝になる。


県境稜線から岩が峰を見下ろす

  
県境稜線

  
段木             シロヤシオの樹林

八風街道 途中で風を避けられるところでコーヒーブレイクを入れ、約1時間ちょっとで中峠に到着した。三池岳を経由してもいいが、天候が芳しくないので中峠から下山した。八風分岐までは良かったが、その先の作業道が派手に崩壊していて帰って歩きにくかった。古来から歩かれてきた中峠道は、自然の地形をうまく利用してくつけられた道であるが故に、自然災害にも強いが、重機で力任せに作られた作業道はあっけないものだ。途中、旅に倒れた「嘉助の碑」などがあるが、昔は八日市と桑名を結ぶ重要なルートで、行商人が行き来したのだろう。標高は900mくらいだが、冬の鈴鹿は厳しく、登山の素人の行商人が峠を越えるのはそう簡単ではなかったはずだ。往事の様子を想像しながら山を下った。 完


県境稜線のシロヤシオ

  
中峠             峠道


 

 

 

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