■三方岩岳1736m、野谷庄司山1797.3m(白山国立公園) 2012年10月14日 No.697 じんじんさん、うさぎ、隊長 プロローグ アルプスの紅葉の時期までアルパインクライミングを続けていた。気がつくと紅葉の等高線が2000mを切り、10月中旬は白山周辺の山を予定していた。白山平瀬道、石徹道から銚子ケ峰、三の峰、チブリ尾根など過去に実績のあるルートを考えていたが、先週の谷川岳クライミングの疲れが抜けきっていないこともあり、軽めのルートを選択してみた。今年は紅葉がいいとの情報が山のサイトで報告されているので、期待はあるが、クライミングモードからハイキングモードへの切り替えがはっきりとしないのでモチベーションの上がりが悪かったので、初日にい労を兼ねて飛騨古川、白川郷の散策を入れ、温泉に浸かりのんびりすることにした。 アプローチ 登山口は白山スーパー林道の馬狩料金所前にあり、駐車場があるのでそこが利用できる。夜間は閉鎖になるので静かに夜が過ごせた。散策後、夕食のできるところを探すが、翌んまで営業をする店は殆どない。観光客が引き上げると淋しくなるようだ。唯一営業の焼き肉店に入り、飛騨牛を食べた。夕食後は、白川郷の湯に戻り、ゆっくりと湯につかった。その後、コンビニで食糧を調達し料金所前の駐車場に移動し車泊した。 4時過ぎのアラームで目を覚まし出発の準備にとりかかった。夜空を見上げると満天の星空が広がっていた。夜が白むのを待ち、ヘッデンをつけて出発した。しばらくは作業道を谷に沿って進み途切れたところで登山道に入って行った。白山周辺はツキノワグマの多いところなのだが、残念ながら熊鈴を忘れてきた。ザックについている笛を鳴らしながら、ストックでわざと音を立てながら、騒々しく歩いた。灌木が積雪で曲がり、ルートを塞ぐところが多いが、良く踏まれた道だ。豊かなブナ林は北陸の山の特徴で、ブナの大木が目を引いた。東の空が赤らみ夜が明けるたころに展望台に到着した。すぐ下は有料道路の駐車場になっていて、そこから散策路が付けられているようだ。道路料金さえ支払えば、ここからスタートもできるが、車の回収があるので来た道を降りてくることになるだろう。ブナ林もこの辺りが最も美しく、高度を上げるにつれ小振りになっていった。急こう配だった登山道も徐々に傾斜が緩んでいく。 展望台から1時間ほど登るとP1586.3に到着、紅葉もこの辺りかえ見ごろになってきた。ブナ林も終わりダケカンバが混ざりはじめ、小低木帯に入っていく。ところどころに展望が開け出し、正面には三方岩岳が見え隠れしだした。稜線付近は盛りまでは少し時期が早そうだが、まずまずの色好きに期待が膨らんだ。急ぐ山行でもないので、のんびりと撮影しながら三方岩岳を目指した。どうやら正面に見える岩壁が飛騨岩で、右手の岩壁が三方岩岳らしい。 紅葉と岩壁の白、青空とのコントラストがよく、なかなかいい景観だ。じんじんさんが後続の単独者の男性と反し込んでいて、聞くところによると、サイト「山あっとらんだむ」さんのようだ。これまでにネットでのやりとりはあったようだが、初めてのご対面となった。なかなかの健脚で今日は、妙法山まで足を伸ばすらしい。今回は我々にペースを合わせて、野谷庄司山でお付き合いいただけた。 三方岩岳 さて、三方岩岳に到着すると、そこは観光地のようになっていた。どうやらスーパー林道の峠から30分くらいで山頂まで来られるらしい。登山道を見下ろすと登山者が列を作って登ってくる。あれあえ、長居は無用だ。白山の展望をカメラに収め、野谷庄司山への稜線トレースに入った。 野谷庄司山 多少のアップダウンはあるものの、展望のよい素晴らしい尾根だ。ミズナラの灌木の黄葉とドウダンやナナカマドの紅葉が稜線を彩っていた。振り返ると三方岩岳の山腹がきれいに色づいていた。何度も足を止め、振り返りながら撮影した。立ち涸れの木が目立つが、あれはトウヒかシラビソだろうか。稜線は東側が足元から崩壊を続けていて、所々で地肌が見えていた。注意が必要だ。ゆっくりと1時間ほど歩くと鶴平新道分岐(大窪登山口分岐)に到着した。野谷庄司山はここから稜線を400m進んだところにある。15分ほど歩き山頂に到着した。山頂は稜線上のちょっとしたピークで道標がないと通り過ごしてしまいそうだ。「山あっとらんだむさん」はこれから妙法山まで足を延ばすようだ。のんびり山行の我々はここで早い昼食をとり、引き返すことにした。 鶴平新道 パンとお茶で軽く食事をして帰路について。少し戻って分岐から鶴平新道を下降する。この尾根の展望がよく、紅葉もまっ盛りで、何度も振り返りながら下っていた。赤頭山を過ぎると樹林帯に入っていく。先ほどの稜線にも熊の大きな糞があったが、この尾根でも何箇所かに熊の糞が見られた。冬に備えても熊も活発に活動しているようだ。順調に高度を落としブナ帯に入ると登山口は近い。分岐から2時間で大窪登山口に到着した。とぼとぼと歩き案内所に荷物をおいて車の回収に向かった。完 番外編 飛騨古川 東海北陸自動車道の川島ICでじんじんさんと合流し、飛騨古川の手前の道の駅で昼食を済ませてから古川に入った。市役所前の駐車場が無料で開放されていて、観光バスやマイカーでほぼ満車の盛況だった。飛騨古川は、コイが泳ぐ瀬戸川と土蔵の白壁など、こじんまりとした古い街並みが残っていて、散策目当ての観光客で賑わっていた。造り酒屋に立ち寄り、旬の限定品をゲット。1時間ほど散策し白川郷へ移動した。
白川郷・五箇山の合掌作り集落は、世界遺産にも登録されていて有名だ。観光客も多い、なんだかテーマパークのようで風情にかける。コスモスやススキなど秋の風情が感じられる時期であり、どぶろく祭りが明日から始まるようだ。今回、三方岩岳の登山口が近くにあり、車泊のつもりなので、散策目当てというよりも、温泉目当て立ちよった。温泉は、「白川郷の湯」があり、日帰りの利用(700円)もできる。アルカリの天然温泉で、ぬめっとした感じで、体がよく暖まった。
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