前尾根@藤内壁(御在所岳) クライミング 2012年5月25日 ホーム |
■前尾根@藤内壁(御在所岳)2012年5月26日 No.672 とっちゃん、うさぎ、隊長 プロローグ シロヤシオが不振に終わった今年、花に見切りをつけ岩場に向かった。夏場のアルパイン山行に備えてのトレーニングを始める時季でもある。しかし前尾根は、トレーニングコースというより、本番のコースといってもよく、ロケーションも良く内容も充実しているので、県外からのクライマーが多い。季節も良く天候にも恵まれ、人気の高い前尾根は混雑が予想されたので早出をし6時に裏道登山道を出発した。 アプローチ 6時にとっちゃんと合流し、登山口を出発した。ロープやクライミングギアの詰まったザックはさすがに重い。ロープは悩んだ末に50mシングルを1本にしたが、ザックの重さは12キロを超えているはずだ。その大半はギア類で、基本装備は食料と水とカッパくらいだ。夏のアルパインの装備は20キロになるので、徐々に身体を重さに慣らしていくトレーニングにもなる。10分も歩くと身体に加わるいつもと違う負荷が気になり出した。 少しペースを落として歩き、藤内小屋で小休止。知り合いの3人パーティーにあいさつ。今日は一の壁らしい。
P7 岐阜からの3人パーティの出発を待って、P7に取り付いた。早出が功を奏し2番手につけることができた。私たちの後ろは大阪からの2人パーティーで、終始この順番を守って最後のP2を抜けることになった。さて長いルートの始まりだ。何度も登っているが半年ぶりなので少し緊張した。古いハーケンで2カ所支点が取れるが、ペツルのボルトがないということは、ナチュラルで行けということなので、クラックにキャメロット#1をかまして支点をとる。あしが上がらないし身体も硬くなっている。緊張しているので身体が壁に近づいているのがわかる。スマートに登りたいが身体が硬直している。
ぎこちない登りで1ピッチ目をクリアし後続を確保、うさぎ、とっちゃんの順に登る。前尾根ルートは1ピッチが25m以内なので、50mダブルを一本で対処できるが、2人を確保することになるので、50mを折り返して使うことになり色分けで区別できないのが困る。 P7(X)の1ピッチ目の終了点のテラスは狭く、3人で満員御礼。狭いところでのロープ操作も勉強だ。手早く確実にやる必要がある。さて、2ピッチ目だが、樹林を抜け出し展望が開けてくる。リッジに出るところが核心だが、ムーブがわかっていれば問題なし。 P6 さて次はP6の1ピッチ目だ。いろいろなルートがあるが今回も、一般的なリッジ(W)ルートで登る。Wとはいっても、スタンス、ホールドとも細かく、いやな感じのするルートだ。身体を岩から離しフリクションを効かせるのがいいだろう。終了点手前でうさぎがいろいろとムーブを試しているうちに2テンション。ここはリムニールートがあり、チムニーの出口が1ピッチ目の終了点だ。展望がいいところなので一壁や中尾根を一望できる。2ピッチ目は出だしが核心なので、しっかりと後続を確保した。身体を岩から離しフリクションを効かせる。 P5 前回、ノーマルルートはVなのでコンテでトラバースし、最後の1ピッチをスタカットで登っが、今回は、先週に事故が起こっているので横着をせずすべてスタカットで、凹角ルート(W)を登った。一番下から取り付くと3ピッチになるが、途中から2ピッチで登った。後続は2人パーティなので効率がいいが、それに負けずこちらは、二人を同時登攀させ時間短縮を図った。ただし、シングルロープで二人を確保するとロープの引き上げに苦労することになった。腕の筋肉痛の原因はロープの引き上によるものだ。このピッチはW程度なので、気持ちにもゆとりが持て、高度感もあり展望もよいので、快適な登攀が楽しめる。 P4 ここもグレードはVで3ピッチある。最初のピッチはコンテでもいいが、初心に返って全ピッチをスタカットで登る。最終ピッチを除き、同時登攀で時間短縮を図る。フォローする方は大変だが。今日のロープは、シングル50mを一本で、3人で登ったので、25m以上のピッチは困るが、どこも1ピッチは25m以内。 P3 P3も簡単だが、ロープ操作の練習も兼ねてスタカットで登る。ここも同時登攀で時間短縮を図った。 P2 簡単なところは同時登攀で登ってきたのでヤグラのコルに11時に到着した。さて、クライマックスはP2だ。 まるでオブジェのようなヤグラは前尾根の象徴でもある。1ピッチ25m(W+)で核心は上部のクラックからフェースに出るところ。今回ウサギがクラックに挑戦したが1テンション。やり直し、フェースに出たところでまた1テンション。練習のため側面を懸垂で降りた。 全ピッチが終了し時計を見るとまだ12時を過ぎたところだ。
P2の登攀が終わり緊張が緩む。ほとんどのパーティーはコルから裏道に下山するが、われわれは展望のいいP1にあがり昼食休憩にした。山上公園の展望台から賑わいが聞こえてくる。新緑の頃の御在所の撮影を兼ねて中道で下ることにした。水分を飲み干したので駅の自販機で飲料水を購入し中登山道に向かった。タテヤマリンドウが良く咲いていた。 第2部 前尾根の登攀が終わり、帰りは中道で気楽に下るのみだが、ちょっと冒険心を起こして立岩から下ることになった。フリークライミングの砦岩へは立岩から行けることを知っていたが、一度降りてみることにした。 踏み後があり、赤テープで砦岩まで導いてくれた。 砦岩 十数分で難なく砦岩に到着した。思った以上に立っている。ボルトが整備され何本かのルートがあるようだ。しかし見る限りフリーのルートが多いようだ。一度じっ来るとやってみたいなと思った。さて問題は、ここからの下りだ。懸垂で下の岩壁を下るとルートがあるのかもしれないが、それ以外は探してもルートが見つからなかった。なんとかなるだろうと、降りられそうな谷を見つけて下り始まる。しかし予想通り、もう少しのところで活きず待った。ザックにしまったハーネスとロープを取り出すことになった。結局、25m2ピッチの懸垂をすることになった。2ピッチ目の懸垂で谷に降りるとすぐそこが藤内小屋だった。小屋に近づくと「何しとるの」とMガイドに声を掛けられる。 ハーネスをつけ変なところから出て行ったのでタイミングが悪かった。とりあえず水曜日はお願いします、と挨拶をした。 完 |
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