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コグルミ谷&丸山周辺の捜索@御池岳(鈴鹿) 2012年4月15日   ホーム

 

コグルミ谷&丸山周辺の捜索@御池岳(鈴鹿)2012年4月15日 No.662 隊長、うさぎ
〜雪解けが進んでいる、今日の捜索でコグルミ谷の可能性が低くなった〜
鞍掛トンネル手前の駐車地(7:43)〜コグルミ谷登山口(7:53)〜タテ谷分岐(8:14)〜コグルミ谷左岸斜面の急な谷(8:27)〜P1148(10:41)〜(11:27)丸山(12:15)〜P1182(12:38)〜(13:04)鈴北岳1182(13:12)〜鈴北北斜面〜P1056(13:40)〜鞍掛峠(14:20)〜登山口(14:32) 捜索ルート
今日で11回目の捜索となった。今日はメンバーが揃わずうさぎと二人だけの極小隊になったが、本隊との無線連絡で連携した捜索ができた。今日は懸案であったコグルミ谷左岸斜面を中心に捜索を行ったが、手がかりはなかった。コグルミ谷からの下山の可能性はきわめて低くなった。

一般登山道周辺は一般登山者に任せて、われわれは迷い込むと危険な斜面や谷の捜索に専念している。今回は未捜索部分の多かったコグルミ谷の左岸斜面を集中的に捜索することになった。これは、Nさんの下山ルートが、鞍掛峠かコグルミ谷の可能性が高いためだ。

先週末から国道306号線のゲートが開き通行可能となった。部分的に災害復旧工事が行われているものの、通行に支障はない。開通はありがたいが、しかし、登山者にとっては駐車場所に苦慮することになる。コグルミ谷登山口の下と鞍掛トンネル周辺に駐車が可能だが、台数は限られている。この日は観光バスを利用したツアー登山もあったようで、静かな山域だった御池岳が賑やかにになってきた。

駐車地の心配があったので早出を心がけたが、駐車地はどこもほぼ満車になっていた。なんとか路肩にスペースを見つけ駐車する。今回はコグルミ谷から入り、鞍掛峠からの下山の計画だ。国道を歩きコグルミ谷登山口へ向かうと、くまさんとzippさんが準備をしていた。捜索活動はすでに2カ月以上に及んでいるが、捜索の主体は我々ボランティアで、この山域を熟知し、バリエーションを歩けることが肝要だ。

 
ハナネコノメソウ       ヤマネコノメソウ

コグルミ谷登山口に到着すると、樹林の回廊のハリマオさんが登山ボックスに投函していた。今回は、めぼしいところをバリエーションで単独捜索の予定らしい。第1回目の捜索で犬帰し谷を一緒に登ったがそれ以来だ。タテ谷まで話をしながら一緒に上がった。

 
コグルミ谷、まだ少し残雪がある

コグルミ谷は雪解けが進み、露岩の隙間にはヤマネコノメソウが咲きだし、穏やかな春の気配に満ちている。ハナネコノメソウも咲き始め、ニリンソウが咲きはじめると一気に華やかになってくる。ハリマオさんはタテ谷からはいるとのこと、我々はもう少し先に進んでから取り付く予定なのでここで別れる。

 
コグルミ谷左岸斜面の急峻な谷

長命水の手前150m地点でハーネスとロープを準備する。確保なしでも大丈夫なようだが念を入れる。地形図を見ると、コグルミ谷左岸斜面では最も傾斜がきつく、切れ込んでいることが読み取れる。間違えてもこの谷は下らないと思うが、これだけ探しても見つからない以上、すべての谷と斜面が可能性として残っている。雪が消えた今、捜索することにより確実に、対象範囲から除外できるからだ。


コグルミ谷左岸斜面の急峻な谷、岩場が続く


コグルミ谷左岸斜面の急峻な谷、岩場が続く


上部はコンテで登る

  
谷の上部、傾斜は緩やかになる


苔むした石灰岩と落葉樹林

石灰岩の谷というより、U級程度の岩壁だ。スタンス、ホールドとも困ることはないが、念のためにスタカットで登る。チョックストーンを乗り越すと徐々に傾斜が緩んでくる。標高を200mほど稼いだところで小休止していると、上の方から声がする。ハリマオさんだ。タテ谷ルートからバリエーションでトラバースしてきたようだ。そのまま尾根を登って行った。われわれはこの谷を最後まで確認することにした。上部に行くにつれ若干、残雪があったが、不自然な所はなかった。このまま稜線まで行っても異常はなさそうなので、トラバース気味に南に移動しながら谷を一つ一つ覗き込みながら調べていった。最後は、県境稜線ピークのP1148に登りついた。


県境稜線手前200mくらいから残雪があった


高度が上がってくると傾斜が緩やかになる

ここで小休止。他のグループからの無線連絡が頻繁に入り、数グループが同じ斜面を細かく調べ登ってくるようだ。のりやさんから無線連絡が入る。どうやら土倉尾根のP844にいて、双眼鏡で頭蛇ケ平の南斜面を捜索してもらっているようだ。2週間前の捜索でカラスが群れで飛び回っていて、気になっていた所だ。双眼鏡では異常は見られないとのこと。写真画像を持ち帰り細かく調べるらしい。些細な情報でも一つ一つ確認をとっていく必要がある。

さてわれわれは、丸山の北東斜面の捜索に入ることにする。真の谷に降りるとまだ、残雪がたっぷりとあった。谷には少し深い所があるが、残雪が完全に消えるまでは対象外にはできないだろう。この斜面は谷も尾根も緩やかで危険要素は少ないと思われる。目視できる範囲でトラバース気味に高度を上げていくと、丸山の北側にあるピークに登りついた。少し丸山の方に進むと登山道と交わったようで、山頂の方にトレースが続いている。尾根の東側に雪庇がまだ残っていたのので、確かめながら丸山に向かった。


白山が白い巨体を横たえていた

丸山は盛況だ。 入れ替わり立ち返りする登山者で賑わっている。捜索という課題を担いで登ってきたのは我々だけのようで、それぞれが山頂を楽しんできた。遭難から2ヶ月以上経過し、知らぬ間に風化が進んでいるようだ。この後の行動について無線で、稜線のピークに居るIさんと相談する。本隊は鈴北の北斜面の捜索に移るとのこと、我々には縁を廻ってほしいとの指示。フクジュソウを見ながら鈴北へ向かうことになった。途中、ザックカバーと銀マットとボットのふたが見つかったという連絡が入ったが、どうも違うようだ。


丸山で休憩後、縁に沿って鈴北を目指した

 
バイケイソウが芽を出し始めた     フクジュソウは終盤だ


日本庭園

鈴北に到着するとすでに本体は、北斜面の捜索に下ったようなのでわれわれも、北斜面の捜索に下った。深く切れ込んだ谷にはまだ残雪があった。枝尾根をだ取り目視で高度を下げていく。末端を回り込むと登返しがきつそうなので、尾根を一本乗り換えて、登返し登山道に復帰した。ここも手がかりなしだ。 P1056で休憩し本隊を待った。そして今日も成果なく山を下った。


鈴北岳を振り返る


さて、帰ろう

帰りにシデコブシを見に桜に立ち寄った。今年は放つ気も良くしっかりと咲いていた。


シデコブシが満開だ、桜にて

  
シデコブシを見て心が和んだ

まとめ 捜索済み地図の最新版がIさん届いた。この週末の捜索で、丸山からコグルミ谷にかけてはほぼ捜索し尽くされたようだ。細かいところに見落としがあるかもしれないが。残雪が消え、これからは、捜索範囲が確実に狭めていくことができる。そう考えると、発見できる日が近づいていると思うが、その日がいつになるのか誰もわからない。

 

2012年4月15日 Copyright (C) 2012 k.kanamaru. All Rights Reserved.  home