2012年1月2日 藤原岳(鈴鹿@三重県) ホーム |
■藤原岳2012年1月2日3日 No.642 隊長、うさぎ プロローグ さて今年は辰年、最初の山行は鈴鹿の竜ガ岳に決めていた。都合の良い日程を優先させたが、どうも寒冷前線が通過するようだ。竜ガ岳の登山口の宇賀渓谷に到着すると、雨が降っていた。等圧線が縦になり厳しい風雪が予想される。風浦ならテントは設営できるが、かなり厳しい山行となる。また、竜ガ岳が、琵琶湖で水分を補給した雪雲が伊勢平野に流れ込む所でもあり、撮影の天候は期待できない。ということで急遽、お隣の藤原岳に変更した。風雪を凌げる避難小屋があることが心強い。 アプローチ 藤原岳登山休憩所前の駐車場は盛況だが、午後1時ということもあり、すでに下山した人もいるので、2、3台のスペースがあった。風が強く気温は5度で、山行を中止する条件ではない。しかし高度を上げるにつれ厳しさが増してくることが予想できる。 今日は避難小屋までなので急ぐこともない。汗をかかない程度のペースで高度を上げていく。午後は下山者と行き交う時間帯なので挨拶が忙しかった。 ペースが遅くても冬山フル装備を背負っているので、すぐに体に熱がこもってくる。アルプス夏山バリエーションならテント装備&クライミング装備で20キロを越えるが、クライミング装備7キロがないので楽だ。冬装備は、シュラフやアウターが重くなるが、水を持たなくていいのはありがたい。 7合目に入ると急に冬山らしくなってきた。8合目からは積雪が数十センチで、別世界に入ったようだ。外国人の若者グループが、風雪が激しいので8合目から引き返してきたとか。 これから上はハイキング装備では厳しいだろう。雪質も良くなり、踏み込むとギュッという音がする。これで青空でもあるといいが、山頂は吹雪のようだ。9合目からはラッセルが始まった。油断すると膝くらいまで踏み込んでしまう。荷が重いので足を抜くのが一苦労だ。ペースダウンを余儀なくされ、避難小屋到着が4時半になった。天気が悪いので誰もいないだろうと思ったが、男性2名の先客がいた。我々と同じく、泊まりのようだ。吹雪のなか駆け込んだ小屋はオアシスのようだ。風浦を探せばテントは設営できそうだが、小屋があるので無理をすることはない。竜から藤原に変更してよかったと思った。 避難小屋 早速、靴のザックの雪をタワシで払い落とし、食事の準備にかかる。その前にアウターの下にダウンを着込む。風雪は避けられるが、すでに窓は凍り付いている。風雪が激しく風がうなっていた。ご飯を炊き、タオルに包んで蒸らしを兼ねてカイロにして暖をとる。そして豚汁をつくり暖まった。雪から水を作るので、時間と燃料を消費する。体は温まったが足下からしんしんと冷え込んできた。早速2階へ上がり、銀マットを敷きエアマットを準備する。8畳くらいの板間で、今夜は4人なので余裕だ。 二日目 激しかった風雪も夜半を過ぎると徐々に収まってきたようだ。朝、パンとポタージュで簡単に食事を済ませ外に出ると、雪雲が残ってはいたが、概ね穏やかな天候だった。早速、山頂に向かう。小屋を出たときは寒さを感じたが、ラッセルしながら歩いているとすぐに体が温まってきた。山頂に着く頃にはぽかぽかになった。ガスがかかっているが、日の出とともに少しずる晴れてきた。なんとか朝のコントラストの優位を生かした撮影がしたい。ガスと光をうまく使いたいが、思いのままにならない。時間は刻一刻と過ぎていく。何度も眺めてきた風景だが、やはり朝の風景は美しく、厳しい寒さをついて夜を明かした労は報われたような気がした。 山頂は穏やかだった。ガスが邪魔にはなるが、いい脇役になってくれた。朝日に輝く伊勢湾、ガスの切れ間から覗く御池岳、伊吹山などを眺めながら、山頂で30分ほど展望を楽しんだ。 下山 小屋に戻ると昨夜からの男性二人がくつろいでいた。温かいインスタントコーヒーを作り暖まった。荷物をパッキングし外へ出ると青空が覗き始めていた。しかし天候は予報どおりぱっとしないようで、薄曇りだ。昨夜の吹雪で踏み跡はかき消され新雪を踏んでの下山となった。 シリセードを交えた快適な下りだ。新雪を踏んでのラッセルとは雲泥の差だ。9合目で本日、トップで登ってきた単独男性と行き交う。その後にもう一人の男性がつけている。8合目を過ぎると何グループかと行き交った。穏やかに朝だったが天候は徐々に下り坂のようで、山頂を見上げると雲に隠れていた。2012年の初陣はまずまずの山行となった。完 |
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