2011年12月17日 ハライド(鈴鹿@三重県) ホーム |
■祓戸「ハライド」908m(鈴鹿@三重)2011年12月17日 No.637 隊長、うさぎ プロローグ 寒波の襲来でやっと冬らしくなってきた。寒気から流れ込む雪雲を鈴鹿山脈が防波堤のように受け止めるが、流れ出した雲が山麓に小雪を運んできている。山は中腹より上がガスに隠れている。なかなか撮影チャンスはないものをとあきらめ、ルートチェックのための地味な山域を選定した。 アプローチ 道路は濡れていたが降雪はなく、スムーズに朝明駐車場に入ることができた。料金の徴収もなく、車は自分のを含めて3台だった。寒波襲来で、暖かい部屋で読書をするのも一考だ。準備をして歩き出す。どちらから周回するかまだ決めていなかった。 とりあえず腰越峠の分岐点まで進む。 登山口あたりで数センチの積雪があり、湿気を含んだ雪質だ。急傾斜を下降に使うと滑りやすそうだったので、まずはハライドまで登ることにした。災害後の腰越谷はひどく荒れ通行が困難になっているため、最近、尾根コースが整備されたようだ。道標もしっかりとしていた。 ハライド北尾根 登山口の標高はすでに450mあり、ハライドの山頂908mまでの標高差は450mだ。ひと登りといったところだ。 照葉樹林から始まるので明るさはないが、少し登ると落葉樹林になり雰囲気が良くなってくる。所々に花崗岩が露出し、傾斜もきつく、荒々しさが感じられる登山道だ。しかし、地形の弱点をうまくつき整備されている。所々で高度感のある展望が開けている。それはいいが、湿っぽい雪に足が取られる。しかしアイゼンを装着するまでに至らない。面倒でも装着した方が安定するが、山頂が見えてきたので登り切ることにした。 ハライド さてハライドとコブ尾根だが、人気コースとはいえないだろう。ハライドは展望とロケーションにおいては評価は高いが、国見岳への通過地点となっている。 コブ尾根については時折、ネットで報告を見かける程度だ。それでは「鈴鹿の山と谷4」ではどう扱っているか。ハライド(祓戸・原井戸)のことを、「岩とガレに囲まれたいかついピーク」「展望台としての価値は群を抜いている」「小広い裸の台地は絶好の休み場」。また、「コブ尾根は手強いので、もっぱら腰越峠から往復するのが順当である」 群を抜く展望 どうやら先行者がいるようで2人分の踏み後がピークへと続いていた。先行者は途中でアイゼンを装着したようで、雪面にアイゼンの爪痕が残っていた。 雪面に足をとられながら、撮影しながらゆっくりと登り、11時にハライドのピークに到着した。風が強く長居はできそうにないので、お握りを1個ほおばり撮影をしてコブ尾根に逃げた。先行者は国見を目指したようだ。確かに展望がいいところだ、一歩下がって鈴鹿主稜繊の主立った山を見渡すことができ、それらよりも標高が低いので威圧感がある。また山が重なって見えるので、山深さも感じられる。西尾本では「展望台としての価値は群を抜いている」と評しているが、まさしくその通りだ。残念ながら雲が視界を遮り、展望は芳しくなかった。 コブ尾根 さてコブ尾根だが、ハライドのピークから風越峠までだと、距離的には2kmほどだろう。地形図を見てもわかるように、コブのようにいくつものピークがあり、尾根も1本ではない。二次林の美しい平坦地もあるが、背丈を越す笹が視界を遮っている。近年笹の行き勢いは衰えてはいるが、踏み後がなければ難渋するだろう。西尾本によると現地の人の聞き取りで、「千草の猪狩りをしていた教師も南コブを知っており、若い頃尾根を歩いて腰越まで行ったという。途中馬乗りになって通過する所があって難渋したといい、二度と行きたくないところだと言った」と記述されている。実際歩いてみると、ブナやミズナラ、シロヤシオなど、美林を構成する落葉樹が見られたのはうれしかったが、東に進むにつれて、カシ主体の常緑樹林に変わっていった。また、痩せ尾根で露岩地帯もあるので展望を期待したが、灌木等に遮られ見通しが悪かった。 風越峠 南のコブ南側の平坦地で昼食休憩とした。 寒い時期はやはり暖かいものがありがたい、カップ麺と味噌汁で暖まった。さてここから風越峠までは標高差200mの急降下だ。雪が靴の底につき良く滑ので歩きにくい。15分で風越峠に降り立った。朝明渓谷まで1km、湯ノ山の希望荘まで1.9km地点だ。東海自然歩道になっているので良く整備されている。快調に下って20分で渓谷に到着した。 途中高齢者のグループが峠までの途中で引き返してきたようだ。雪道では足跡が記録を残すので他のグループの行動がよくわかる。 東海自然歩道 さて、このまま谷を渡り車道に出た方が楽だが、せっかくなので自然歩道を使って駐車場まで戻ることにした。立派な橋がかかり、階段が整備され、大変歩きやすく整備されているが、はたしてこの歩道をどれだけの人が利用しているか疑問だ。 登山者の皆さん、この歩道を利用された方はいますか?アップダウンが多く、くねくね曲がっていて、車道を歩いた方が遙かに効率的だ。 途中で休憩を入れ、ちんたらと歩いて朝明駐車場に戻った。完 |
2011年12月10日 Copyright (C) 2011 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |