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2011年10月23日 一の壁&中尾根@藤内壁(御在所岳、鈴鹿)   ホーム

 

一の壁&中尾根@藤内壁(鈴鹿、御在所岳)2011年10月23日 No.629 Hさん、Mガイド、Mママ、隊長 〜壁が濡れていて条件が悪かったが、課題がクリアできてうれしい〜
ログハウス前(8:00)〜藤内小屋(8:30)〜藤内沢出合(9:00)〜(9:30)一の壁@藤内壁(12:00)〜(12:35)中尾根(15:00)〜藤内沢出合〜藤内小屋(16:10)〜裏道登山口(16:30)

スカイライン(国道477号線)に入ると、警察が車道駐車注意を呼びかけていた。国道477号線は復旧工事が完了し、年内に全線通行可能となるようだ。工事中は登山者の車が、車道に駐車されていましたが、従来から駐停車禁止のどうろになっているので、絶対に車道に駐車しないでくださいとのこと。今日から取り締まるということで、違反点数3点、罰金18000円だそうだ。これからは紅葉シーズンに入り、登山者が多くなる時季だが、駐車場所に苦慮することになりそうだ。

プロローグ クライミングには最適の季節になった。ここのところ週末に天気が崩れるという周期になっていたが、今日はなんとか天候が持ち直してくれた。昨日はまとまった雨が降ったので、壁の濡れ具合が心配されたが、悪条件にもかかわらず満足できるクライミングができたのでうれしい。

アプローチ スカイラインに入り警察からの忠告に従い、何とか駐車場の空きを見つけ車を入れた。パトカーが巡回しているのでさすがに路上駐車はなかった。少し遠くに駐めたので、慌ててログハウス前に向かう。秋の空気だが湿度が高そうだ。ログハウス前で全員集合。今回はMガイド、Mママ、Hさんと私の4人のグループになった。Hさんは中尾根を希望で、私は一の壁の課題クリアが目的だが、中尾根も兼ねてから登攀してみたかったので、思惑が一致した。しかし問題は壁の濡れ具合だ。特に中尾根はクラックルートなので条件が厳しいことが予想された。とにかく現場に行くことだ。

   
ノコンギク       次郎亡き後、この二匹が後を継いだ

裏登山口を入ると作業道の法面が崩れていたが車は通行できるようだ。路肩に咲くノコンギクが、日の光のスポットライトを浴びて色鮮やかに輝いていた。藤内小屋までは30分の行程だが、湿度が高いので汗が噴き出してくる。小屋に到着すると、かわいい子犬が二匹飛び回って、登山者に愛想を振りまいていた。高齢となった次郎は日ごとに弱ってきていたが、どうやら天国へ旅立ったようだ。その代わりにこの二匹が次郎の後を継いだようだ。

   
前尾根         一の壁&バットレス

   
前尾根           ぼちぼち色づき始めた


一の壁&バットレス

一の壁 藤内小屋で火照った体を冷やし、藤内壁に向かった。クライミングにはいい時期なので、すでにいくつかのグループが入っているようだ。日当たりのよい前尾根からは合図のかけ声が響いてくる。一の壁は10月に入ると日が当たらなくなり、雨の後は壁の乾きが悪くなる。昨日はまとまった降雨があったので、壁の状態はあまり良くないようだ。

右ルート(V) 初級の1,2,3ルートは見た目にも濡れているとわかるので敬遠する。まずは中央の右ルートでウォームアップ。といってもVレベルなので,気が抜けない。それよりも一の壁は2カ月ぶりなので,この最初の1本で感覚が戻したいところだ。ホールドに手をかけると指先が濡れてしまう。そのたびにチョークをつける。その繰り返しだ。濡れていない所を選ぶので制約がつく。これも技術アップに寄与しているだろう。

   
右ルート(X)            左ルート(X)

左ルート(V) 2本目は左ルート。ここは右ルートよりも濡れている。特に前半部分が濡れているので慎重にルートを選んだので逆に戸惑ってしまった。ハングの下も濡れ場を避けて核心部へ。徐々に感が戻り,後半部分は快適に登れたが,兄に濡れ場に足を置くと微妙に滑った。チョークをつけて慎重に行く。

  
左ルート          ダイレクトルート(X)

ダイレクトルート(V) さて課題となっていたダイレクトルートだ。左,右と同じVだが,最初の失敗で苦手意識をもったので,それ以後,気持ちが逃げていた。核心部のムーブはイメージトレーニングで備えてきたので,思い切って責めることにした。このルートは乾いているとは言えないが,少なくとも濡れてはいない。一壁の中ではもっとも長いルートで50mロープほぼいっぱいだ。さて問題の核心部だが,手足がスムーズに動きあっけなく通過してしまった。ムーブが決まればこんなものなのだろう。

       
ダイレクトルートの登攀         中尾根バットレス

一壁を3本登った後,昼食休憩とした。相変わらず2,3ルートでトップロープを使い懸垂の練習ばかりしているグループがいる。見るからに初心者集団のようでエイト環でバックアップなしで懸垂していた。ロープのキンクが激しい。2,3ルートを登るグループがいないからいいものの,懸垂だけで占有するのはマナー違反だろう。懸垂だけなら前尾根のP8でやればいいだろう。20分休憩し中尾根P4取付に移動。一の壁からP4取付へは1ルンゼ右俣を登り藤内沢側をトラバースする。難しいルートではないが安全のためにコンテで移動した。


P4(X NP) 濡れているところがある

*NP ナチュラルプロテクション

中尾根P4 さて中尾根だが,一の壁のフェースクライミングに対してここは,クラック中心の内面登攀になる。体が大きい人ほど不利なので,私がその部類に入る。さてP4だが,途中にテラスがあるので2ピッチで登ることになった。クラックに沿って登るが最初は,中に入らないので楽だが,濡れた部分から内面に入って行く。下から見るとかなり濡れているので,核心になっているように思えた。内面に入るとかなり窮屈だ。ミノムシのようにもじもじしながら徐々に体を上げていく。ザックがあると大変だろう。
 さて2ピッチ目だ。上を見あげると岩が被っていて厳しそうだ。クラックに入り込んでの登攀になるようだ。まずは最初の一手が難しい。大きく足を開いて左足でスタンスをとり,右手のホールドで一気に身体を上げ気持ち良くクリアし,内面へと入っていく。窮屈だが,ホールドやスタンスは探せば見つかる。もがきながら徐々に体を上げていくと終了点。岩の下をくぐりフェースを登るとP4の頭に到着した。

   
P4の登攀


P4の登攀

 


P4頭からの展望


P3(X NP) 大きなクラックを登る

P4の頭は随分展望のよいところで,一の壁や北谷を見降ろすことができる。またP3を斜め横から見る位置にあり,何本ものクラックが走っている様子がよくわかった。ルートも最も広いクラックらしい。

中尾根P3 P4の頭からはクライムダウンでコルに降り,P3の取付点に移動。真下に来るとクラックの様子がよく観察できた。後半部分はフレークが縦に走っている。ここが核心部のようだ。Mガイドの登攀をじっくりと観察し,核心部のムーブを頭にインプット。左の内面にはあまり入り込まず,右足でフレークにスタンスをとるのが正解らしい。
 フレークの上でピッチを切り,P3のツルムへ。ここも展望の良いところで,しばらく撮影タイムをいただいた。P2へは懸垂でコルへ下りる。今日はここで終了となり。懸垂でP3のコルへ引き返した。

      
左:後尾根を登るグループ   右:ツルムから見下ろす藤内壁     


P3


P3の登攀


P3ツルムへの登攀


P3ツルムからの懸垂準備


中尾根P4と前尾根

    
ツルムからの展望


中尾根P2ツルムからの懸垂

モンキーフェース P4からはクライムダウン(一部懸垂)で回り込むと,モンキーフェイス(5.10a)の頭に出る。さらにクライムダウンし取り付きに回り込む。Mガイドがトップロープを準備し,見本を見せてもらった。モンキーの頭の耳のあたりが核心のようで,Mガイドのチョークの目印でホールドをとるが,指の第一関節のホールドなので,思い切ったムーブができない。テンションで手を休め再び挑戦するが,ムーブができない。どうも右足の位置が悪かったようで,次回の課題として残った。


モンキーフェースを登るMガイド

    
モンキーフェースを登るHさん    やはり岩の形が猿の顔に似てますね

今日は壁が濡れていたりしてコンディションはあまり良くなかったが,盛りだくさんの内容で充実した一日になった。一の壁に戻るととっちゃんたちがアブミや脱出の練習をしていた。一足先に失礼をし,一の壁を後にした。今回は内面登攀や10aをやったので、肩まわりが筋肉痛になった。 完

 

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