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2011年10月2日 南駒ケ岳、越百山(中央アルプス)   ホーム

 

南駒ヶ岳、越百山(中央アルプス)2011年10月2日 No.627 utty、隊長
〜日帰りで周回にチャレンジ〜
伊奈川ダム駐車場1150m(4:30)〜今朝沢林道〜越百山登山口1300m(5:14)〜南駒ヶ岳登山口1524m(5:44)〜P2411(8:36)〜P2712(10:07)〜(11:00)南駒ヶ岳2841m(11:12)〜仙涯嶺2734m(12:20)〜(13:30)越百山2613m(13:40)〜(14:10)越百小屋(14:26)〜 越百山登山口(16:35)〜伊奈川ダム駐車場(17:20) *累積標高差+2000m、歩行距離19km

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プロローグ 今年度のアルプス日帰り登山は南駒ケ岳になった。前回の挑戦は4年前の6月だった。残雪を抱き,縦走路の雪面のトラバースに肝を冷やしたことが印象に残っている。南駒が岳は花崗岩の岩峰で,ハイマツとのコントラスが美しい山だ。中央アルプスの盟主は美しいカールを従えた木曽駒ケ岳だと思うが,岩峰の美しさを競えば,空木岳や南駒ケ岳が肩を並べるだろう。今回も周回ハイキングということで,まず南駒ケ岳に登頂し越百山まで縦走し下山するコースをとった。

さて簡単に周回といっても,南駒ケ岳は2800mを超える高峰だ。簡単には登れないし,まして周回となるとかなりの労力がいる。前回の記録を見てみると,所要時間が13時間となっている。ちなみに昭文社のエアリアマップのコースタイムは15時間以上になっている。加齢による体力の衰えと山歩きの経験値を加減すると,やはり13時間が妥当な所用時間になるはずだ。1日は24時間だから,日帰り登山に使える所用時間も24時間になるが,夜を徹して競うトレランではないので,行動時間は日の出から日没までとしたいが,休憩や撮影の時間もとりたいのでこの範囲にはおさまらない。

アプローチ できればヘッドランプを使わずに帰着したいので,早朝4時30分の出発としたため,前夜車泊で臨むことにした。湾岸川越ICから入り,中央高速中津川ICで降りればいいが,話し込んでいいたのでうっかり通過してしまい,園原ICで降りて国道256号線で19号線に戻ることになった。19号線を北上し須原の集落から細い道を伊奈川ダムまで進む。道幅は狭いが比較的よく整備されている道で,安心してダムの上のゲートまで進むことができる。駐車場はゲート手前に2か所ほどあり,数十台は駐車できそうだ。この駐車場は越百山,南駒ケ岳,空木岳の登山口にあたり,中央アルプスの木曽川の実質の登山基地だ。23時ころに駐車場に到着すると数台の車が停まっておりテントもひと張設営されていた。さっそく横になり4時半の出発に備えた。

出発の準備をしていると車が2台入ってきた。そして,ヘッドランプを点けて先発が出発したようだ。殺風景な登山口だが,早朝の少し緊張した雰囲気が感じられた。われわれもヘッドランプを点灯し,予定通り4時30分に出発できた。
駐車場を出るとすぐに車止めのゲートがあり,それをくぐって橋を渡るとすぐに林道が分岐する。道標はしっかりと整備されていて,木曽殿山荘まで  kmと示されていた。われわれはここを右へ折れて,越百山,南駒ケ岳の登山口を目指す。前回はアプローチの時間短縮のために折りたたみ式の自転車を利用したが,傾斜がある林道だったので,下りは時間短縮に寄与したが,登りにはかなりの労力を要したことが記憶に残った。

    
左:登山口手前のにわとり橋から見る今朝沢   右:南駒ケ岳登山口4合目

ヘッドランプの明かりを頼りに林道を進む。GPSの電源の入れ忘れに気づき,立ち止まりザックを下していると,若い男性の単独者が通り過ぎようとしたので,本日の行程を尋ねると,我々と同じ周回コースを歩くようだ。ここでこの単独男性が先行することになった。
45分歩き越百登山口に到着した。南駒登山口はまだ更に30分歩かなければならない。1時間をこえる林道歩きであったが,この間に標高を350m稼げたことが嬉しい。


見晴台 標高1850m

   
御岳産            

北沢尾根コース  登山口には一連の道標が設置され,山頂までの所要時間が5.5時間と書かれていた。また,建築資材の鉄パイプで組み立てられた階段が設置されている。全コースを通じでみると,道票も設置され比較的よく整備されている。さて今から6時間の登りが始まる。その後も3時間の縦走と3時間の下山が待っている。この長丁場をどのように快適に歩くかは,ペース配分に依ることが大きい。タイムトライアルではないが,暗くなるまでには帰着したい。


シラビソ林の登り

ペースが重要 登山口を入ると尾根を右に回り込むように進み,尾根に取り付くと急登が始まる。徐々に傾斜は緩んでいくが,最初の標高差150mほどがきつい。登り始めはどうしても気がはやりペースも速くなりがちで,息がはずみだす。ここで無理をしてしまうとリズムが狂い,つらいばかりの山行になってしまう。8分の力で登ることが肝要だ。標高点1964まではモミやトウヒ,コメツガの樹林帯の単調な登りが続く。苦しいが一歩づつ山頂に近付けるのだと思いながら足を出していると,先ほど林道で追い越して行った単独の若者が下ってきた。「体調不良で今日は断念します,山は逃げませんから」と言って下って行った。時計を見るとまだ7時にもなっていなかった。原因はわからないが,ペースが速すぎたのかもしれない。これで周回の仲間がいなくなり,我々が先頭になったようだ。

   

標高点1964で尾根の方向が北東に変わると同時に傾斜が緩みしばらく続いた。コースに変化があると気分も変わるのでうれしい。このまましばらく進み,ガレ場を通過すると,進路が直角に右に回り三角点2411.0から直接降りてくる尾根に乗る。この辺りからコメツガにシラビソが混ざるようになり,林床に繁茂するシダ類の緑色と相まって,明るく美しい雰囲気の樹林になってくる。体力的には苦しいばかりの登りだが,このような環境変化は,心のストレスを取り除いてくれる。登山口から約3時間でやっと2411.0に到着した。ここは6合目で,南駒ケ岳山頂までは2時間と書かれていた。


シラビソやダケカンバが美しい

6合目からはしばらく平坦になり,ガレ場を通過してひと登りで標高点2591に立つ。休憩中の追い越して行った男性単独者がカメラを片手に展望を楽しんでいた。この男性の今日の予定は,南駒ケ岳山頂をピストンするようだ。眼前には南駒ケ岳が迫ってきているが,まだ1時間を要する距離だ。まずは2712まで進み,撮影や展望を楽しんでいると,先ほどとは違う後続男性が追い越して行った。前線の通過で上空に寒気が入り高曇が続いていたが,昼近くになりようやく青空が見え始めた。それと同時に風が出始めたようだ。

    


北沢尾根コースの上部は岩峰帯となる

   
先行者が展望を楽しんでいた     ダケカンバが色付き始めていた


空木岳


木曽の御岳山

   
チングルマ               コケモモ


南駒ケ岳


赤椰岳

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