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2011年8月28日 鬼ケ牙(鈴鹿)   ホーム

 

鬼ケ牙(鈴鹿)2011年8月28日 No.623 隊長、うさぎ
〜ルート探しと支点整備に出かけた〜
(9:50)鬼が牙(14:00)
昨日に引き続き、鬼ケ牙に出かけた。今日の目的は、登攀練習よりもルート探しと支点の整備がメインとなった。


石水渓谷から見上げる鬼ケ牙

右のスラブは、ボルトが打たれている開始点が2カ所ある。約35mのスラブだが、終了点手前の数mが核心で、壁が立ってくる。しかしちょうどいいところに、2本の堅い地層が帯のように走っていて、ホールドになる。いずれにしろフリクションは良く効くので安心して立つことができる。今週は、取り付きにアルミのはしごが、終了点からはフィックスロープが下がっていた。測量のために山に入っているものと思われる。

  
右のスラブの左のルート

さて今日は、雨の心配はなさそうだが、日当たりの良い斜面なので暑い。1ピッチ登っただけで汗が落ちてきた。 1ピッチ目の終了点は垂壁になっていて、A1でぬけられる。古くなったリングボルトでは不安なのだろうか、新しいものが何本か打たれていた。スリンクで抜けられそうだが、今回はこの垂壁を右に巻いてみることにした。灌木帯の急坂を木に捕まりながら登ると水に濡れたスラブの基部に出た。古いボルトが打たれているようだが、使われていないルートらしい。これ以上は進むにブッシュとの格闘がありそうなのでここはひとまず、懸垂で撤退することにした。ロープいっぱいで右スラブの中間テラスまで降りた。そこからもう一度、終了点まで登り返し、トラバースで左スラブの1ピッチ目の終了点に移動した。

この終了点からの2ピッチ目は距離は短いが傾斜が強くなり少し難しくなる。出だしが核心部で、今回はカンテ?(リッジ)で登ってみた。スタンス、ホールドとも細かくリードなのでどうしても慎重になる。この上も、適度なスタンス、ホールドはあるものの傾斜が強いので、フリクションを効かせながらバランス良く登る。2ピッチ目は垂壁で終了となる。木を支点にしていたが今回、リングボルトを2個打ち込んで支点をとった。一般的にリングボルトは、「墜落時の衝撃荷重を直接受ける可能性の少ないセルフビレーの支点や、懸垂下降の支点としては有効」と言われている。

   
2ピッチ目終了点の整備

   
とりあえずリングボルト2個


2ピッチ目終了点からの懸垂


2ピッチ目終了点からの懸垂


1ピッチ目の終了点まで降りてきたうさぎ


2ピッチ目からの懸垂下降

 



右のスラブの左のルートの上部核心部


2ピッチ目の終了点の近く

   
左のスラブの1ピッチ目をリードする私

   
左のスラブのTピッチ目のうさぎの登攀

      
左のスラブの1ピッチ目のうさぎの登攀

さて、左のスラブだが、垂壁までは2ピッチで登れる。1ピッチ目は約25m、2ピッチ目は約20mだ。 右のスラブ(Vくらい)に比べると、少し難しいように思う。1ピッチ目のグレードはV〜Wくらいだろうか。2ピッチ目はTピッチ目と比べると少し難度が上のように思える。素人には判断が難しいが、W〜Xくらいだろうか。2ピッチ目は最初の出だしが核心。今日は1本目がリッジで、2本目が凹角を登ってみた。いずれもリードなので、あまり冒険はできない。特にリッジで行く場合、支点が凹角の上の右にあるので、落ちると大きく振られるだろう。リッジの場合、スタンス、ホールドとも細かく、もろいところもあるのでどうしても慎重になってしまう。凹角の方は、基本はステミングだろうと思うが、スタンスが細かいし、背が低いと最初のホールドに届かない。うさぎがA0せずに登ったといったので、「どうしやって登った」と聞くと、「背中で登った」という。つまり、背中と足で踏ん張る「バック・アンド・フィット」を使って登ったみたいだ。なるほどと感心する。少しやってみたが、体が大きいのでしっかりと踏ん張れなかった。私は左のホールドに手が届くので、レイバックでやってみると、これがばっちりと決まった。この核心部は、いろいろと手があっておもしろい所だ。この核心部を過ぎても壁が立っているので油断はできない。しかし、ホールド、スタンスはそこそこあるので、あまり困らないだろう。

 

     
2ピッチ目の出だしの核心部を懸垂で下る


左のスラブのTピッチ目終了点からの懸垂下降


左のスラブのTピッチ目終了点からの懸垂下降

 

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