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2011年7月25日 藤内壁@御在所岳(鈴鹿)   ホーム

 

一の壁&前尾根@御在所岳(鈴鹿)2011年7月31日  No.617 隊長、うさぎ
〜剱の遠征が中止になり、御在所へクライミング〜
裏道登山口(9:17)〜藤内小屋(9:50)〜(10:35)一の壁(13:10)〜前尾根P7(13:20)〜P6(14:40)〜藤内沢〜藤内小屋(16:00)〜裏道登山口(16:30)


プロローグ 天候不良のために剱の遠征を中止にした。中止と言っても登山口の扇沢まで出向いての中止決定だった。高気圧の谷間の前線が消えかかっていたので、天候の大きな崩れはないだろうと思ったが、大町に入ると雨脚が強まり扇沢はガスの中だった。曇りの予報だった二日目が雨に予報に変わったのを確かめ中止を決定した。帰路は温泉に浸かったりSAで食事をしたり買い物をしたり、最後は桑名のライフページによって残念報告。uttyはヘルメットとガスバーナーを、私とうさぎはモンチュラの上着、カラビナを購入した。陣田さんに、八ツ峰は早月から攻めたらどうだと助言をもらい、早速、次回の計画に反映することにした。
前置きが長くなったが、今日はそんなことで空いた時間を埋めるべく、クライミングの技術向上にいそしむことになった。
私はリードの技術を高めるためで、うさぎはグレードXに挑戦した。

      

アプローチ 天気予報では晴れの予報だったが、山間部はぱっとしなかった。朝起きてからの天候判断だったので、出足が遅れたが、前尾根などは出だしのP7の待ち時間はないかもしれない。一の壁か前尾根か、状況を見て判断するつもりでとりあえず、8時に自宅を出発した。

      
完成間近のトイレ         うさぎの

一の壁  一の壁まで登っていくと、数パーティーのクライマーで賑わっていた。藤内沢で先ほど、2パーティー降りてきたので状況を聞くと、もう降りてくるとのことだった。どこかの山岳会らしく、登攀が終わり帰り支度をしているところだった。この団体さんが降りれば、3人パーティと我々2人パーティだけになりそうだった。中尾根の方からも声が聞こえていたがガスで確認できなかった。1の壁下にザックがデポしてあったので、バットレスあたりをやっているのだろう。

      

2ルート 3人パーティーが3ルートに取り付いたので、われわれはまず、2ルート(W)でウォームアップすることにした。雨はまだ降り出していなかったが、壁がガスで濡れたような状態になっていた。スタンスに足を乗せると微妙に滑るので、とにかく今日は慎重にならざるを得ない。何度かチョークをつけながらリードする。岩の濡れを警戒するあまり、全体的に体が縮こまり、ムーブ小さくなっているのがわかる。


2ルートをのぼるうさぎ

3ルート 先ほどの3人パーティが登り終えたので、2ルートに続き、3ルート(W+)を登る。若干グレードが上がるが、2ルートとそれほど変わらない。強いて言うならスタンス、ホールドが若干細かい部分があるのと、距離が少し長くなることだろうか。 ガスが濃くなり高度感がわからない。うさぎは前回、2回ほどロープが止まるところがあったが、今回は、スムーズに終了点まで登り切った。上から見ていると前回よりも壁から体が離れ、よく壁を観察しているようだった。

    
左:2ルートを登り始める3人パーティー 中:フランケの人工でアブミトレする3人パーティー

左ルート  3ルートもスイスイと登攀できたので、今度は左ルートに挑戦。ところがこのあたりからぽつぽつと雨が当たり出した。しかしすでに、登攀モードに入っているので止まらない。2つ目の支点にヌンチャクをかけたところで、雨が降り出した。懸垂で撤退しようかとも思ったが、あまりひどくなりそうになかったので、そのまま登攀を続行した。もちろん、濡れた岩はよく滑るので、チョークをつけながらだましだまし登った。一度もフォールしたことがないルートだが、リードとなると勝手が違うし、しかも岩が濡れている。とにかく慎重にスタンスとホールドをとり、終了点まで登った。滑りを警戒するあまり、どうも体が縮こまり、ムーブが小さくなっているのが自分でもわかった。さて、うさぎは左ルート初挑戦になる。しかも最悪の条件で、チョークバックも持っていない。1,2度はテンションかかるだろうと思いきや、すんなりと一発クリア。恐るべし。3ルートよりも簡単で登りやすかったそうだ。そうなると次の目標は4ルート(Y)だが、私がまだリードできない。


左ルート(X)

      
左ルート、残りあと少しでゆとりのうさぎ

前尾根P7 ぽつぽつと降り出した雨が降りやまないのでとりあえず、一の壁を退散し前尾根に行くことにした。 前尾根に行ったところで岩は濡れているが、P7が貸し切りできるので、とりあえずP7の取り付きまで移動した。やはり岩は濡れていて、しかもクラックなので滑りやすい。登り始めるとやはりよく滑る。セカンドならいいが、リードで落ちるとやばいところだ。仕方がないので、念のためにカムを入れ大事をとった。上部でも、もう一カ所カムを入れた。やはりクラックはカムが有効だ。


前尾根P7のTピッチ目


前尾根P7の1ピッチ目終了点から見下ろす

Tピッチ終了点で確保し、さて次はセカンドのうさぎだ。P7の1ピッチ目はグレードがXだし、クラックは初めてなので、少し苦戦するだろうと思いきや、カムをつかんでぐいぐいと登ってきた。おいおい、その手を使うとA0だが、今日は岩がツルツルと滑るので許してあげよう。


前尾根P7の2ピッチ目を快調にのぼるうさぎ

P7の2ピッチ目のポイントは、一段上のリッジへ乗るところだ。陰鬱な樹林の岩から一気に、高度感のある展望の良いリッジに飛び出し、気分が高揚するところでもある。うさぎは背が低いので乗り越しが難しいだろうと思いきや、ここも一発クリア。 ところが3ピッチ目の簡単な所で足が滑りテンション。油断は禁物だ。

P6 さて次はP6(W)に進む。1ピッチ目の途中からうさぎをチムニーに向かわせ、私はそのまま終了点まで進み確保。リムニーの登攀に挑戦したが要領がわからず断念。次回の課題となった。終了点で休憩しP6で終了し巻き道で戻ることにした。ところが支点を解除中にヌンチャクを一つ落としてしまい、懸垂でチムニーに降りて回収した。余分なアルバイトだったが、登攀具などは絶対落としてはいけない。もしロープで、巻き道がないなら、誰かが来るまで帰れなくなる。


P6のチムニー

     
P6の1ピッチ目終了点で、疲れが出だしたのでここで終了

      
新しくなった7の渡し

まとめ 今日は、2ルート(W)、3ルート(W+)、右ルート(X)、前尾根P7(X)、前尾根P6(W)と5本だったが、岩が濡れていたので余分な力が入り、体が小さくなったのが反省点として残った。さて次の本番は剱岳八ツ峰Cフェース。やさしいルートだが、快適に気持ちよくリードしたいと思う。完

 

 

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