最新情報  レポート  登山  バリエーション  ブログ  プロフィール

2011年7月9日10日 北岳(南アルプス)   ホーム

 

北岳(南アルプス)2011年7月9日10日 No.614
〜キタダケソウの時季は逸したが、百花繚乱の北岳を満喫できた〜
7月8日 自宅(21:30)〜芦安(2:00)
7月9日 芦安(6:30)〜乗合タクシー〜広河原(7:20)〜二俣(10:20)〜(13:40)八本歯のコル(14:00)〜北岳山荘野営場(15:20)
7月10日 北岳山荘野営場(4:40)〜(6:00)北岳(6:50)〜(7:15)肩の小屋(7:40)〜二俣(9:00)〜広河原(10:50)〜 11:30乗合タクシー12:20〜自宅(17:45)

| 9日の1 | 9日の2 | 10日 | 花のページ |

プロローグ 今回で4回目の北岳山行となった。狙い目はキタダケソウだったが、時季がずれ込み気がつくと百花繚乱の季節になっていた。しかも山行初日の7月9日は梅雨明けの日となり、5度目にしてようやく晴天の北岳を歩くことができた。また、大樺沢雪渓を上がったのは、雪渓のアイゼン歩行に慣れるため。剱岳の源治郎尾根、八ツ峰に備えてのこと。

アプローチ 前夜車泊の山行形態にした。効率的に時間は使えるが、車で夜間に移動するので、睡眠時間は必然的に少なくなる。時間に縛られて生活しているものにとっては仕方のないことだ。仕事が終わり帰宅後準備をして出発したのは21時30分だった。湾岸みえ川越ICから、山梨県の韮崎ICまで高速を利用する。休日1000円の特別割引は終わったが、深夜割で3700円。登山基地の芦安には14時に到着した。もっと混雑するのは来週の海に日の3連休だそうで、今週は比較的駐車場にゆとりがあった。このままだと睡眠時間が短くなるので、始発のバスは見送り、6時過ぎの出発ということで、4時間の睡眠を確保した。また芦安から広河原までの移動手段だが、バスか乗り合いタクシーということになる。バスは混雑時立ち席になるがその点、乗り合いタクシーは料金も同じで座れて早い。

広河原には7時過ぎに到し、広河原の吊り橋を渡ると、今年もいよいよアルプスシーズンの開幕だ。第1便のバスの集団が出発した後なので、登山者は少ない。小屋前で軽くサンドイッチの朝食を済ませ、スローペースで歩き出す。本日の行程は大樺沢コースで北岳山荘までなので時間にゆとりがある。

    
林道から見る北岳         この吊り橋を渡るといよいよ登山開始

この時季に北岳に入るのは初めてだ。今回で4回目だが、6月最終週、7月1週、8月中旬の三回に引き続き今回は7月の第2週だ。花さえこだわらなければ時季の多少の違いは問題ないが、花が目的だと見られる花の勢いが微妙に違ってくる。今回はキタダケソウの時季に少しずれているので、あまり期待はもたなかったが、夏の花の最盛期だっと思う。

広河原山荘(1530m)のベンチ前を出発する。お腹にものが入ったので少し足が重い。3ヶ月振りのテント装備を担ぐので、体が重さに反応するまで少し時間がかかる。息が上がらない程度のスローペースで歩き出す。わずかな距離だが白根御池小屋分岐(1660m)でザックを降ろし汗をぬぐう。森は冷んやりとして空気に包まれているが、湿度が高くすぐに汗が噴き出してきた。やはり夏だ。まずは大樺沢に沿って二俣(2209m)を目指す。尾根コースの場合は、白根御池小屋のある標高2150mまで尾根の急登だが、大樺沢コースはなだらかな登りだ。といっても、標高差550mの登りだ。鈴鹿の御在所でいえば、中道スカイライン登山口から山頂までということになる。今回は18kgのザックを担ぎ、花を花の撮影をしながらゆっくりと3時間で登った。

  
コアジサイが咲き始めていた         白根御池小屋分岐


大樺沢にかかる鉄パイプの橋

大樺沢コース 二股までの大樺沢コースだが、時季に応じた花が目を楽しませてくれる。大柄で色鮮やかなヤナギランはまだ時季が早く花をつけていなかった。花はつけていなかったが、気になったのはレンゲショウマだ。地味な花だがヤグルマソウも花期には少し早かった。サンカヨウは花が終わり、キヌガサソウは見かけなかった。 オドリコソウ、バイケイソウは低山の常連だが少し見かけた。たくさん咲いていたのはアブラナ科の白い花で、ヒロハコンロンソウやハタザオだろうか。しかし、なにより期待していたのはミヤマハナシノブで、期待通り咲いていてくれ、北岳に足を運んだ甲斐があった。


大樺沢に咲くミヤマハナシノブ

  
ヤグルマソウ         オドリコソウ


大樺沢の転がる巨石、チャートのようだ

雪渓 時間を気にせず、花を見ながら、谷の涼風で体を冷やしながら、思うままに歩いて、3時間で大樺沢二俣出合に到着した。雪渓が融けシュルントが大きく口を広げていた。雪渓を吹き降りてくる冷風が何とも心地よい。長居すると体が冷えてしまいそうだ。まずは雪渓を渡り、左岸のルートを歩く。かなり上部まで左岸のルートが使えるようだが、今回は雪渓のアイゼン歩行に慣れることも目的だったので、アイゼンを装着し早々に雪渓に降りた。昼になり雪渓の表面が柔らかくなり、12本アイゼンでも微妙に滑る。かといってガチガチに固まっていると転倒時に滑落してしまう。

  
大樺沢二俣出合の雪渓の様子


先行する3人パーティーを追いかけるうさぎ、そして途中で追い越した

雪渓を登っていくと徐々にバットレスが近づいてきた。昨年の崩壊地点はどのあたりだろうか。バットレスを見上げているとうさぎが今度はここを登りたいといいだした。おいおい、ここは崩壊して登れないようだ。昨年の10月10日に第4尾根の枯れ木のテラス付近が大崩壊したことは新聞やネットで紹介されていた。この左俣ルートもその影響で、通行規制されたようだ。今回も落石などの心配があったので、常にバットレスの方が気にしながら雪渓を登った。


バットレス

  
バットレス拡大写真

  
大樺沢雪渓上部

二俣の標高は2200mで、雪渓終了点の標高は2700mくらいだ。都合標高差500m登るが、上部ほど傾斜は厳しくなり、厳しい登高が続いた。雪渓の幅が狭くなりシュルントに注意しながら岸に乗り移った。ここでアイゼンを外し休憩を入れる。


バットレス

| 9日の1 | 9日の2 | 10日 | 花のページ |

 

2011年7月10日 Copyright (C) 2011 k.kanamaru. All Rights Reserved.  home