2011年月7日3日 加賀白山(両白山地) ホーム |
■加賀白山(両白山地)2011年7月3日 No.613 utty、隊長 プロローグ 梅雨の間隙をぬって、白山に日帰り花見山行をした。四季折々の花が咲き、展望も良く、最短距離で山頂が往復できる平瀬道をたどった。紅葉の時期は良く歩くコースだが、この時期に歩くのは初めてで、曇り空で天候は優れなかったものの、たくさんの花が迎えてくれた。また、夏場のアルプスバリエーションに向けての高所順応山行でもあり、意味のある一本になった。 アプローチ 鈴鹿を20時に出発し,東名阪,名古屋高速,東海北陸道と乗り継ぎ,荘川ICで降りて,登山口のある大白川に23時30分に到着した。登山口前の駐車場の入りは少なく,場所は自由に選べる状態だった。4時起床,4時半出発の予定で横になった。 平瀬道 昨夜は星空が見えていたし,今朝も山の稜線を確認できる天候状態だ。曇りの予報が出ていたが。久し振りのロングコースだ。標高差1500m,歩行距離16kmの行程で,鈴鹿の山行と比べると距離,標高差ともほぼ倍になっている。また6月はクライミングが続き,山歩きとは違った筋力を使い,体がロングコースに慣れていないので,ペース配分に心掛けゆったりペースで歩きだす。といってもこのコースは,尾根の末端の急登から始まり,歩き始めるとすぐに息が上がってくる。 ブナ林 いつ来ても思うが,登山口を入るとすぐにブナ林が始まり,豊かな森に心がいやされる。登山道もよく整備されていて歩きやすいが,階段状の急登がひと段落するころには,額に汗がにじみだしていた。気温はそれほど高くはないが,湿度は高いようで,少しでもペースを上げると苦しくなってくる。花見山行なのでスローペースで周囲をよく観察しながら登った。ショウキランやギンリョウソウなど,日陰を好む腐生植物がちらほらとみられた。白い美肌のブナにツルアジサイが絡まり,派の緑が鮮やかに映える。 少しずつ高度を上げていくと,ブナの中にダケカンバの巨木が混ざりだし,亜高山の森林へと変わっていく。少し日陰の湿った所にはミゾホオズキ(ゴマノハグサ科ミゾホオズキ属)が群生し,かわいい黄色の花が登山道に彩りを添えていた。尾根の展望が開けた所でザックを下し給水休憩をとる。大白川の流れる谷の地形が俯瞰でき,山深さが感じられる景観が眼前に広がっている。心配していた天候だが,谷に雲が流れているが上層部はガスもなく今のところ大丈夫のようだ。 ハクサンチドリ 登山道は概ね尾根通しだが,展望は南側の地獄谷側に開けている。徐々に高度を上げていくとブナ林からダケカンバ,ナナカマド林へと林相が変化していき,日当たりのよい草付きの斜面では,ハクサンチドリが見られるようになってきた。ツマトリソウと花期が同じようで,撮影に興じながら歩く。白色の花をつけたハクサンチドリを一輪だけ見つけた。 大倉山が近付くと,尾根北側の日当たりのよい斜面には,ミヤマキンポウゲやシナノキンバイなど夏の花がにぎやかに花を開いていた。また少し日陰の湿った所では,サンカヨウ,キヌガサソウが見られ,何度も足を止めて写真に収めた。 大倉山 花に興じながら登ってきたので,大いに時間を消費し,大倉山には7時過ぎに到着した。この時点ではまだ展望があり,残雪をまとった白山本峰の御前峰や別山に続く稜線がよく見えていた。谷を埋める残雪と山腹の樹木の緑色とのコントラストが実に美しく,まるで夏の北アルプスのようだ。大倉山まで登ってきたが,花も山も大いに満足できた。 雪渓 さて,大倉山周辺で緩やかな尾根歩きが終わると一転,斜面の登りが始まる。ダケカンバからナナカマドの低木林に入り,小雪渓を横断しながらのルートになる。下山者のグループがにぎやかに話をしながら降りてきた。アイゼンは準備してきたが,なしでも歩行に支障はない程度だ。ただしスリップは滑落につながるので注意を要する。 カンクラ雪渓 右手にカンクラ雪渓を見ながら高度を上げていく,天候は曇りで展望はきかない。傾斜が緩みハイマツ帯に入ると室堂平の東端だ。ハイマツの下ではゴザンタチバナやバイカオウレンが白い花を開いていた。ハイマツが途切れたところでは,コイワカガミが群生し,鮮やかなピンク色に目が奪われた。雪解けの水が谷を流れ,雪渓もまだ残っていた。ハクサンコザクラを探しながら歩いたが,開花にはまだ少し早いようだった。 |
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