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2011年月4日16日 孫太尾根から藤原岳(鈴鹿) 

 

藤原岳(鈴鹿)2011年4月17日 No.599 隊長
〜孫太尾根のロングルートで花を満喫〜
新町配水場(8:05)〜神武祠P387(8:17)〜(9:17)丸山(9:28)〜草木P834(10:12)〜多志田山P965(10:56)〜(11:29)藤原岳(12:00)〜西端(12:21)〜避難小屋(12:47)〜8合目(13:14)〜(14:05)西藤原駅(14:13)〜伊勢治田駅(14:25)〜新町配水場(15:07) 歩行距離13km GPSdata

プロローグ 短命な春の花のこと、山は1週間で様変わりしてしまう。予定していた日が好天に恵まれ、また今年も、孫太尾根を歩き大貝戸を降りた。単独なので車を回せないので、多少時間はかかるが鉄道を利用し徒歩で駐車値に戻った。久しぶりにしっかりと歩いた一日だった。

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アプローチ 山行が2週間空いたので、孫太尾根で花だけ見て帰ってもいいなと、少し消極的な出だしだった。青川の桜を期待していたが、時機を逸したようだ。しかし山麓の里山では新緑が始まり、春の息吹が感じられた。日差しは力強いが、昨日から寒気が入ったようで、清々しく空気の透明度もある。 新町の配水場の駐車場にはすでに数台の車が駐められていた。すべて県外ナンバーで、一度は孫太尾根を登ってみたいという人達だろう。さて、第一印象はどうだろうか。自分はというと、昨年の春は都合3回、このルートを登っている。だいたいどの辺にどんな花が咲いているかもわかっているが、年に一度は歩いてみたくなるコースだ。

神武祠 山靴に履き替え駐車場を後にした。樹林帯の緩斜面を徐々に高度を上げていき,神武祠の南斜面の急登を登りきると孫太尾根に乗る。杉林やシキミの常緑樹林が続くがやがて,石灰岩のごろつくやせ尾根に差し掛かると,何本かのケヤキが目につくが,ヤブサンザシやコクサギなど乾燥地を好む灌木に支配されている。足元には,タチツボスミレ,ヒメウズ,ヤマネコノメソウ,カテンソウなど,石灰岩地帯でふつうにみられる花が咲いているが,興味のない人に目につかないだろう。

高度を上げるにつれ展望が開け,青川対岸の遠足尾根や鈴鹿主稜線上の銚子岳が一望できる。谷の残雪は,例年になく厳しかった今年の冬の名残だろう。足元の小さな花を愛でながら徐々に高度を上げていくと,丸山の急登の手前でカタクリが出迎えてくれた。


青川の桜並木と遠足尾根


里山の新緑

     
山麓の山桜が見頃だ          青川渓谷と遠足尾根

  
ヤシャブシが賑やかに穂を下げている        銚子岳


尾根のケヤキ

丸山 急坂を登り切ると丸山に登り着く。山といってもこの孫太尾根の小ピークに過ぎずない。落葉樹の灌木の中にあり、この時期はまだ芽吹きの前なので見通しが良く高度感が感じられる。腰を下ろし小休止していると、駐車場で出会った数人のグループが追いついてきた。


丸山

草木 この丸山から草木P834までは緩やかな登りになり、明るく開放的で雰囲気のよい落葉樹林が続く。時折ミズナラやケヤキの大木を見かける。ヒトリシズカが咲き出したが、ニリンソウにはまだ少し早い時期だった。ミヤマカタバミやヒロハノアマナもちょうど見頃を迎えている。 樹間から見えている藤原岳はまだまだ遠いが、時間を気にせずにじっくりと楽しみながら歩く。厳しく攻める山もおもしろいが、落葉樹林の森はなんと心に優しいことか。

     
明るい尾根道         ミズナラ


ヒロハノアマナ

多志田山 樅の大木を見送ると今度は色白の落書きブナが待っている。それから今度はミズナラの大木だ。 この尾根は花ばかりではなく、存在感のある大木との再会もうれしい。日当たりの良い所ではちょうどカタクリが咲き出していた。さて今度は、多志田山P965への急坂が待っている。都合、標高差200m登りだ。これを登り切ると、県境の縦走路に出る。藤原岳はすぐそこに見えてきたが、最後の急坂が待っている。残雪を踏みしめながら頂を目指した。

  
ブナ            ミズナラ

    
残雪のある稜線

さてここからがまた標高差200mの登りになる。ゴールは近いが歩き始めて3時間が過ぎ、足腰に広が出始めたところだ。何度も立ち止まり肩で息をしながら徐々に高度を上げていく。ガレ場に出ると一気に展望が開け、少しに間だがアルペン的な登りになり、天へ向かって一歩一歩高度を稼いでいく。


ハイケイソウが芽を出しまじめていた


最後のガレ場の急登


多志田山と竜ケ岳

  
竜ケ岳              ガレ場の急斜面を登る

展望丘 ガレ場を登っていくと、山頂まであと少しの所に単独男性先行者が一人いた。 同じルートで登ってきたようだ。花を見ながら登ってきたので、山頂まで3時間30分を要したが、距離な高度差などもあり、地形的にも変化があって飽きないコースだ。日差しは力強くなってきたが、山頂部を吹き抜ける風は実にさわやかだった。石に腰をかけ、お握りを頬張りながら展望を楽しんだ。


藤原岳の山上台地


山上台地からの展望

山上台地 午後は、ヒロハノアマナを見ながら山上台地の東の縁を周回した。笹原の中に露岩帯が点在し、フクジュソウが咲き残っていた。 ヒロハノアマナが咲き始めたところで、至る所で花を開いていた。また窪地には残雪があり、ここ数年はこの時期まで残ったことはなかったと思う。


孫太尾根


展望丘を見上げる


山上台地のカレンフェルト


芽吹き始めたバイケイソウ

キクザキイチゲ 樹林帯に入るとバイケイソウが芽吹き始め、フクジュソウもまだ花をしっかりと開いていた。キクザキイチゲを探しながら歩き、やっと一輪だけ見つけることができ、幸運だった。 少し時期が早かったようで、引き続き探しはしたが今日は、この一輪だけだった。


まだフクジュソウが咲き残っていた


8合目の水たまりでは大きなガマガエルの合唱が聞かれた。交尾に余念がなかった

別名ガマガエルだがニホンヒキガエルかアズマヒキガエルか、ここは分布域の境目だ

三岐鉄道 さて帰路はどうするか。 来た道を戻っても良かったが、まだ時間にゆとりがあるので、大貝戸で下り、電車で車の回収に向かうことにした。大貝戸を急降下し西藤原駅に到着すると、ほとんど待ち時間なしで近鉄富田行き14:13乗車できた。伊勢治田までは200円。新町までは東藤原駅下車でもよかったようだ。後で距離を調べたらあまり変わらなかったようだ。伊勢治田駅から新町の配水場までは約3キロで、所要時間40分で到着した。たまには電車を使うのもいいものだ。


大貝戸の里山の新緑

  
2時13分発の富田行きに乗る         伊勢治田駅で下車


伊勢治田駅からとぼとぼと歩いて車の回収に向かう

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