2011年月3日27日 鍋尻山(鈴鹿) |
■鍋尻山(鈴鹿)2011年3月27日 No.598 隊長 プロローグ 国道421号線の石榑トンネルが3月26日午後に開通した。以前は冬期閉鎖はもちろんのこと、災害により通行不能となっていた。利用されていたときも2トン以上の車は通行できず、物流を担う道路とはいえなかった。しかし石榑トンネルの貫通により、東近江と北勢が太いパイプで結ばれ、容易に行き来ができるようになり文化交流、経済効果などが期待できる。我々山屋にとっても、この一本のトンネルによって、足を運ぶ山域に変化がありそうだ。ということで早速、滋賀県の鍋尻山を目指すことにした。 山女原 準備をして、権現谷にかかる鉄の端を渡り登山口を探す。 登山口といっても道標や目印はなく、作業道というか昔の生活の道だ。民家の横手に道を見つけたのでそれをたどることにした。急勾配だがジグザグにうまく道がつけられていて痩せおねまでぐいぐいと高度をあげられた。ここで宮前からのルートと合流していた。いかにもミスミソウが生えていそうな尾根だが、残念ながら地表を雪が覆っているので見つけられない。今日は天気がいいので、午後の雪解けに期待を残し、とりあえずは鍋尻山まで行ってみることにした。 岳の峠 痩せ尾根が終わると樹林帯に入り傾斜がゆるんだが再び急坂となる。一旦雪が溶けその上にふんわりと雪が乗った状態になっているので良く滑る。なかなか効率が上がらない。ジグザグに刻んでやっと岳の峠に到着した。広々としていて見通しがきき、鍋尻山を見上げられる峠だ。今日は朝食が早く小腹が空いてきたのでお握りを一個かじる。山頂付近は霧氷がついているようで樹木が粉を散らしたように白くなっていた。また残雪もかなりあるようで、フクジュソウすら拝めないかもしれないと思うと、なかなか意気が上がらなかった。 鍋尻山 気を取り直して山頂に向かう。丘の峠からはちょっとした登りだ。固まった残雪の上に薄く柔らかい新雪が乗った状態だ。堅い雪の層をしっかりと捉えられたので歩きやすかったが、たまには膝くらいまで落ち込むところがあった。所々で樹間からの展望を楽しみながら峠から30分ほどの山頂に立った。灌木が視界が遮られあまり展望は良くないので、南端に移動した。南端からは、御池岳、藤原など鈴鹿北部の山を一望でき、鈴鹿北部の山深さが感じられる展望だ。ザックを降ろし岩に腰掛けて展望を楽しみ中がしばらく休憩をした。
福寿草 山頂付近は雪が深かったが南斜面の日当たりの良いところではフクジュソウが見頃を迎えていた。枯れ葉の中から顔を出すフクジュソウも春の暖かさが感じられて趣があるが、雪の中のフクジュソウも絶好の被写体になってくれた。白を背景にすると明るい感じの写真になる。 保月 午後になり雪が溶け始めたようで南斜面は良く滑った。 急斜面を滑るように下って保月の集落に入った。村には舗装道路が通じ、乗り合いタクシーの定期便があるようだが、聞こえるのは鳥の鳴き声くらいで、時間が止まったような空間だった。神社の灯籠が屋根からの落雪で倒れていた。 さて、保月を後にして、岳の峠を目指した。ルートは鍋尻を迂回する山腹道であまり高低差がない歩きやすい道だが、雪で踏み後が隠されていてルートがはっきりとしなかったが、地形を読みながら岳の峠を目指した。途中、日当たりの良いところで昼食休憩にした。ミスミソウ 岳の峠まで戻り一息入れてから往路をたどり下山開始。登山口で登山者風の男女に出会ったが、鍋尻には来なかったようだ。往路の足跡は私のものだけだった。うっとうしい樹林帯を過ぎ痩せ尾根に入ると、雪解けの日当たりの良い所でミスミソウが花を開き始めていた。藤原岳など鈴鹿主稜線の東斜面ではミスミソウは少ないが、滋賀県側はごく普通に見られる花だ。光に敏感に反応し、曇り空だと花がうつむき閉じてしまう。気温は低いが日射しには力強さが感じられる季節なので、2,3日地前からの積雪がこの日射しで溶け始め、花が開き始めたところだった。往路では気がつかなかったが、尾根のあちらこちらで花を開き始めていた。ミスミソウを楽しみながら出発地に戻った。完 |
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