2010年月12日29日 国見岳(熊野) |
■国見岳(鈴鹿)2010年12月29日 No.582 隊長、うさぎ 「垂直の記憶」山野井泰史を読み返している。この本は彼の困難な山やルートへの挑戦の記録だ。登山者は誰でも冒険心を持っていると思うが、彼の場合は命がけでやっている。それも生死を分けるぎりぎりのところで勝負している。ハーケンが抜けるかロープが切れたら万事休す。凍り付いた藤内壁を見ていると、そんなことを思い出した。もちろん困難なルートをやる力もなければ自信もないわけだが、一般登山道でも冬になるとちょっとだけ歩きにくくなるので、その分少しだけおもしろくなる。そのレベルで国見尾根尾楽しんできた。 ゲート前は閑散としており、警備員さんと車が二台あるのみ。年末の慌ただしいなか、登山に出かける暇はないようだが、我が家は年末といっても特別な行事はなく、気楽なものだ。昨夜来の風雨は収まりつつあるが、かぜが強く粉雪がちらつく天気になった。雪と氷はありそうだが青空はあまり望めそうもない。準備を済ませゲートを抜ける。淡々としたペースでまずは小屋まで歩くと、汗が背中ににじんできた。しかし小屋のベンチに座り5分も経たないうちに寒くなってきた。小屋の温度計を見ると2度だった。日差しはないので山頂は氷点下ということだろう。霧氷が期待できそうだ。 北谷を進み藤内沢分岐手前で、国見尾根へ分岐する。急坂でしかも、中途半端に雪がついているので、しっかりとスタンスをとりノーアイゼンで尾根の大岩に登りついた。大岩は藤内壁が一望できる好ポイントだ。雪で視界がはっきりとしないが、1ルンゼの氷が徐々に成長してきているようだ。この年末寒波でどこまで大きくなるか楽しみだ。北谷で下山してきたソロクライマーと出会ったが、氷の具合を見に偵察に行ったのだろうか。 大岩も凍り付いているので、上に乗るにはアイゼンが必要だ。 危なくない範囲で、岩に登って遊ぶ。展望もよくホールドやスタンスが多いのでおもしろい。遊んでいるうちに手がかじかんでき。 さて、大岩をあとにして国見尾根尾を登り始める。中途半端な雪で凍結しているのでここでアイゼンを装着した。 凍り付いた岩を選んでアイゼンをギシギシガチガチといわせて登ると気持ちがいい。ごたごたしていたので、ゆるぎ岩・天狗岩への到着が遅くなった。またここも遊びのポイントだ。飽きもせずに岩に野ってはしゃぐ。ただし岩が凍結しているので、ノーアイゼンでは危険だ。遊んでいるうちに体が冷えてきたので先に進む。尾根を進むうちに傾斜がゆるみやがて分岐点に到着する。ついでなので石門に立ち寄る。 石門の上に出ると一気に展望が広がる。木々の枝には霧氷がつき、粉を散らしたようになっていた。これで青空があればいいが、 黒く垂れ込めた雲が足早に流れていた。次に国見山頂に出たが、岩の上から少し展望を楽しみ下山にとりかかる。寒くて長居はできなかった。 展望のいい青岳まで下り昼食にした。ウサギは味噌汁、私はシーフードヌードルで暖まる。しかし寒くて20分が限界だ。帰路、キノコ岩に立ち寄り、ヤシオ尾根から三岳寺へ分岐し、一気に下った。今月は同じコースを二度歩いたが、雪がつくと少しおもしろさがでてくる。年末の寒波でさらにおもしろさが増すだろう。小屋まで下ったが、来たときと同じで、閑散としていた。ベンチに座り菓子パンを食べてひと息入れる。 今年もいろいろな山に登ったが、事故もなく登れたことがなによりだった。年を重ね、いろいろと責任が増してくる一方、それと反比例して体力が減少していく。トレーニングにも限界があり、体力の低下は食い止めることができない。体力勝負の山への挑戦は限界があるので、ここで少し方向転換して、技で山を楽しめるようになれないかと思う。 |
2010年12月29日 Copyright (C) 2010 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |