最新情報  レポート  登山  バリエーション  ブログ  プロフィール

2010年月12日4日 国見岳(鈴鹿)

 

国見岳(鈴鹿)2010年12月4日 No.578 utty、隊長
〜御在所岳の好展望、裏街道をぐるっと廻る〜
裏道登山口(7:30)~(8:07)藤内小屋(8:15)〜国見尾根分岐(8:27)〜(9:02)国見大岩(9:17)〜(9:30)ゆるぎ岩・天狗岩(9:50)〜石門(10:03)〜国見岳(10:15)〜きのこ岩(10:32)〜藤内小屋分岐(10:48)〜(10:56)昼(11:23)〜腰越分岐(11:40)〜山岳寺鐘堂跡(11:46)〜割谷の頭(11:54)〜山岳寺跡(12:10)〜藤内小屋(12:22)〜駐車場所(12:44)〜桑名のライフページへ

プロローグ 昨日は大荒れの天気だったが、今日は朝から天候が回復に向かった。ご存じのように御在所周辺の山道は災害により、コースが変更になったり、まだ開通していないコースも残っている。しかし最近は、これまであまり使われていなかったコースが見直され、観光協会の尽力で新しい道標などが整備された。そこで今回は、御在所周辺のあまり歩かれないコースの確認と奇岩巨石巡りをした。彩りの季節が終わり、森はモノトーンの世界へ。

アプローチ 橋の手前の駐車地に7時半に到着すると、すでに満車の近い状態だった。アイゼントレに出発する二人組が準備をしていた。紅葉も終わり登山者も少なくなってきているようだ。準備を済ませ裏道から入る。気温が低く、歩き始めは寒さを感じたが、小屋まで歩いてくるとちょうど身体が温まった。小屋は営業開始前で閑散としていた。もちろん犬の次郎もまだ来ていなかった。ベンチに腰掛け一息入れる。

  
藤内小屋               北谷と藤内壁

藤内壁手前の分岐 さて、巨石が転がる北谷に出ると、ちょうど前尾根に光が射し始めたところだった。いいロケーションだ。兎に耳を過ぎると左岸に移り、しばらく進むと水場に到着した。昼食用の水を給水する。さて国見尾根の大石への分岐はここから少し進んだ所の枯谷の手前だ。藤内壁分岐まで行ってしまうと行き過ぎになる。道標はないが、谷の左岸に目印の赤テープが目につくだろう。あまり使われない道なのでバリエーションを覚悟していたが、踏み跡もしっかりとしていて歩きやすかった。ガレ場を左に見て、標高差200mを一気に登っていく。ガレ場の上に出ると少し展望が開け、前尾根の様子が手に取るように見える。クライマーが一人、前尾根のP5に取り付いたところだった。

  
前尾根P6                前尾根全景


前尾根P4

  
前尾根               一の壁

大岩 先ほどの分岐から約30分で国見大岩に登りついた。岩の上に立つと見晴らしがいい。一の壁もよく見える。まだ誰も取り付いていないようだった。これから登る国見尾根もよく見え、痩せた尾根であることがよく分かる。また、尾根にそびえ立つ「ゆるぎ岩」と「天狗岩」もよく見えていた。

  
大岩からの展望

しばらく展望を楽しみ大岩から降りると藤内小屋からの尾根ルートを単独者が一人、鈴を鳴らしながら登ってきた。災害後の登山道の整備で、小屋前にしっかりとした道標ができ、しかも対岸からもよく見えているので、歩く人が多くなってきたのかもしれない。国見尾根からのピストンでは変化がないが、この展望のよい尾根ルートを利用すれば楽しみも多くなるだろう。ただ今年の秋には、大岩のあたりでルートを見失い道迷いが発生し救助を要請した登山者があった。岩場は目印がなければルートを見失いがちだが、少なくとも、「地形図で現在位置がわかることと、コンパスで向かう方向がわかること」が大切だ。


ゆるぎ岩

ゆるぎ岩 さて、コルからは痩せ尾根の登りになる。ぐいぐいと高度を稼ぐと岩峰に出る。国見尾根の名物、ゆるぎ岩と天狗岩だ。岩を見るとワクワクする。登らねばなるまい。簡単に登れるが、風が強くふらふらした。ゆるぎ岩の最上部の岩は、微妙なバランスで釣り合っているように見えるが、実際に乗ってみるとしっかりとしている。しかしかすかに動いたように感じたのは気のせいだったのだろう。


ゆるぎ岩で遊ぶ

天狗岩 この岩も頭の上に立つことができる。両岩とも、岩の上からの展望がいいのは、言うまでもない。東側には伊勢平野広がり、西側は御在所の藤内壁が一望できる。気候が良ければ、しばらく遊んでいたい所だ。


天狗岩

 


ゆるぎ岩でバランスを取る

  
ゆるぎ岩             天狗岩

石門 さて体が冷えてきたので、岩遊びもそこそこにして、国見山頂に向け出発した。この岩峰あたりからは傾斜が緩み歩きやすくなる。葉を落とし明るくなった樹林を進んでいくと、国見・御在所の分岐T字路に出、進路を右に取り少し進むと石門の分岐がある。昨夜は氷点下まで冷え込んだようで、大きな霜柱がたくさんできていた。この石門も、石の上からの展望がよく、アカヤシオガ咲く頃は絶好の撮影ポイントになっている。


石門


石門からの展望

  
石門と霜柱

国見岳山頂 石門から少し進むと国見岳山頂だ。ここも岩場に登ると展望がよい。先ほど登ってきた国見尾根を見下ろすことができる。高度感が感じられるアングルだ。山頂には10時過ぎの到着した。岩の上に上がりパノラマを楽しむが、風が冷たく長居はしていられなかった。また、昼食にはまだ少し時間が早いので、早々に山頂を後にした。


国見岳東面の岩の崖


国見尾根越しに見る中道の立岩


国見山山頂

キノコ岩 青岳を少し覗き、根の平峠分岐を左に見送って、キノコ岩に立ち寄った。この辺りも道標が整備されたようで、踏み跡も濃くなり気づかずに通り過ぎることもないだろう。さてやしお尾根を少し進むと三岳寺への分岐点がある。ここも以前は薄い踏み跡があっただけだったが、しっかりとした道標が整備されたので、歩く人が多くなり道型がしっかりとしてきたようだ。腰越峠経由ルートも検証したいが今回は、尾根ルートで降ることにした。緩やかに降ると展望のよい所に出たので、ここで昼食とした。風も通らず展望が良く、休憩には都合の良い場所だ。


キノコ岩


キノコ岩からの展望、根の平峠を俯瞰する

  
やしお尾根 藤内小屋分岐


左:祓谷  右:割谷


下山路尾根から見るハライド

越越峠分岐 下りはじめは穏やかな尾根だが、昼食休憩した展望所からは岩峰となり、尾根南斜面のトラバース道となる。斜面には固定ロープが張られ慎重に行動したい所だ。再び尾根筋に戻ると傾斜が緩み、腰越峠分岐に出る。ここにも観光協会設置の新しい道標があるので分岐を見落とすことはないだろう。


腰越峠分岐

「界 越越峠分岐を見送り、尾根を降っていくと、一の坂道の峠に出る。ここは鐘突堂跡であると示されているが、鐘突堂が立てられスペースはなさそうだがと思い、西尾本「鈴鹿の山と谷4」を開いてみると、やはり西尾氏も疑問に思ったみたいで、この少し上の小広場ではないかと推論してた。それよりも、割谷の頭(ca786)のピークに、「界」の石彫は目を引く。宗教的なことを意味する界なのか、境界の界なのか、推測の域を出ないが、稜線上にあることを考えると菰野と千種の境界を意味しているように思う。樹間からは御在所岳や北谷が一望できる。


山岳寺跡分岐 割谷の頭へ


割谷の頭にある「界」


割谷の頭から見る御在所岳

三岳寺跡 峠に戻り、鐘突堂の階段を降りた所が山岳寺跡だ。平地は植林されていて、標識がないと素通りしてしまうが、誰もが「手洗石」に足を止められるだろう。三岳寺について西尾氏は、密教の行場を想定している。石門、ゆるぎ岩、天狗岩などは、古代の巨石信仰の対象となったと推論している。詳しくは、鈴鹿の山と谷4を読むといいだろう。不動谷を丸太橋で渡り右岸の移ると、国見尾根への登山道に合流する。現在、岳不動から国見尾根までは通行禁止になっている。災害後一度、コースの確認に歩いたが、不動滝から尾根までは谷が落石で埋まり危険な状態だった。

  
鐘突堂への階段                     手洗石


不動谷

  
不動谷合流点の道標                    藤内小屋

7時半出発の12時半到着の周回コースとなった。岩場で遊び昼食時間もしっかりと確保し、時間の割には充実した山行となった。 完

 

 

2010年12月4日 Copyright (C) 2010 k.kanamaru. All Rights Reserved.  home