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2010年月9日18日 笠ヶ岳(北アルプス)

 

笠ヶ岳(北アルプス)2010年9月18日 No.561 隊長
〜笠ヶ岳日帰り山行〜
ロープウェイ有料駐車場(4:48)〜笠新道登山口(5:50)〜杓子平(8:48)〜稜線分岐(10:07)〜笠ヶ岳山荘(11:30)〜笠ヶ岳山頂(11:50)〜笠ヶ岳山荘()〜稜線分岐(13:26)〜杓子平(14:20)〜笠新道登山口(16:20)〜有料駐車場(17:10)〜自宅(21:30) 累積標高 +-2100m 歩行距離 22km
*コースタイムには、休憩、昼食、撮影時間を含む

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プロローグ 夏のアルプスシーズンも終わり、秋を感じる季節になった。アルプスではいよいよ閉山まで1月を切った。紅葉の見頃は9月下旬から10月上旬で、予定していた週が雨で流れると、次の週はすでに紅葉が終わっていたということになる。秋の紅葉の時期は、夏の花の時期よりも期間が短くプランニングも難しくなる。今年の山行もアルプステント縦走を続けてきた。次の山行は紅葉狙いで、今年最後のアルプステント山行となるだろう。ここで少し気分転換のために、日帰り山行を入れてみた。より高くより険しくを目指すアルパインクライミング、長く長距離を旅するテント縦走、一気に山を駆け抜けるトレイルランなど、山行形態は様々。どれにも魅力を感じるが、アルプス日帰り山行はどちらかというと、トレイルランに近いのかもしれない。

アプローチ 前夜車泊となるために、昨夜20時に鈴鹿の自宅を出発した。この時間になるとスムーズに車が流れている。東名阪、名古屋高速、東海北陸、中部縦貫を高速を乗り継ぎ、0時頃に新穂高温泉に到着した。無料駐車場は、長時間駐車する登山者にとって、ありがたい存在だが、残念ながら満車だった。ガードマンが警備するようになり利用者が多くなってきたようだ。仕方がないのでロープウェイ有料駐車場に車を入れる。当然有料なのでがら空き状態だ。利用料金は、6時間500円。今回は18時間だったので、1500円かかった。駐車場は左俣谷の右岸にあり、水流の多い谷なので、一晩中沢から騒音が響いている。4時半アラームをセットしベットを作って横になった。疲れていたのか、ぐっすりと寝込んでしまった。アラームで目を覚ますと、駐車場は登山者車で半分ほど埋まり、大きなザックを担いだ登山者が次々と出発していった。

 
駐車場               左俣谷

出発 急いで準備をして出発する。準備と言っても日帰りなので、ザックには、おにぎり2個、バナナ、ペットボトル3本、あんパン、雨具しか入っていない。まったく気楽なものだ。笠ヶ岳登山は今回で5度目となり、日帰りは昨年に引き続いて二度目なので、コース状況、時間配分など行程的なものはよく分かっているので、気分的にもゆとりがある。ガイドブックによると、往路9時間、復路6時間で、総行程時間は15時間となっている。このとおりに歩けば、朝の5時に出発したとしても、休憩なしで歩いて、20時着となる。これでは駄目なので、帰着を17時とすると全行程を休憩を入れて、12時間で歩けばいいことになる。

 
笠新道

笠新道 約45分で笠新道の登山口に到着した。何人かの登山者が休んでいた。朝食を食べずに歩いて来たので、とりあえずバナナを一本食べエネルギー補給。この笠新道だが、アルプスの急登のひとつに数えられていて、登山口のの標高は1370m、杓子平が2450mだ。山腹に付けられたジグザグの道の急登で、この標高差1100m一気に稼ぐ。ガイド地図の所要時間は4時間20分となっている。取り付き付近はブナ林で、シラビソなどの針葉樹林からダケカンバ帯に入りやがて、ハイマツ帯へと変わっていく。(ここの記述は、前回の山行記より引用した。)

 
穂高連峰        ダケカンバ帯 標高2000m付近

ダケカンバ帯に入ると展望が少しずつ開けてくる。山にはガスがまとわりついているが、穂高と槍のシルエットがよく見えている。朝、穂高から笠ヶ岳を見ると、順光となるために山肌の質感がよく見えリアルだ。一方、笠から見る穂高と槍は、山腹の質感は分からず、岩峰のゴツゴツが際立って見えている。ジャンダルム、ロバのミミ、小槍など、特徴的な岩峰はすぐに特定できる。

 
槍ヶ岳のシルエット         ゴゼンタチバナ

先行する男性二人組に追いついた所で、休憩を入れる。この日に山頂を日帰りしたのは、この二人組と私の3人だけだったと思う。終日、抜きつ抜かれつ、この二人組とは同じだった。休憩中に若い単独男性が追い越していった。昨年も確か日帰りは私を含めて3人で、その二人は女性だった。あっさりと追い越され、少しだけ悔しい思いをしたことを思い出した。


乗鞍は雲の中に入っていた

杓子平までの急登だが、ダケカンバ帯に入る展望が開け一旦傾斜が緩む。やれやれと思うがここからが長く感じる。このあたりまで来ると小屋から降りてきた登山者と行き交うようになる。前回は登山口から2時間30分で杓子平に到着したが、今回はゆっくりペースだったので3時間を要してしまった。杓子平まで上がると景観が一変し、アルプスの雰囲気になる。残念ながら今日はガスが多く笠が岳は見えなかった。まるで写真を見るように稜線はすぐそこに見えているが、ここからの標高差は400mある。杓子平までの急坂で足に溜まった疲労と、酸素の薄さが、疲れた身体に追い打ちをかけてくる。稜線といっても標高は2800mを超えており、ここが踏ん張りどころだ。


杓子平からの展望


稜線に並ぶ小ピーク


ナナカマド


青空が覗いたのはこの時だけだった

ガスが流れて青空が見えている。稜線からの展望もある程度期待できそうな気がした。ナナカマドの紅葉亜はまだ始まっていないが、赤い実を付けている。バイケイソウが黄色く色づき始め、秋の気配が感じられる。途中で空腹感を感じたので小休止を入れて、残りのサンドイッチを食べた。稜線がすぐそこまで近づき、気分的にも少しゆとりが生まれたのだろう。いつもなら穂高連峰もよく見えるのだがこの日は、全く遠望がきかなかった。

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