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2010年月9日6日 藤内壁(御在所@鈴鹿)

 

藤内壁(御在所@鈴鹿)2010年9月6日 No.559 増井先生、隊長
〜一の壁の初級の4本とバットレス一般コースを登る〜
裏道コース蒼滝橋登山口(7:45)〜藤内小屋〜テストストーン(9:30)〜一の壁〜バットレス〜テストストーン(14:30)〜藤内小屋(15:00)〜登山口(15:20)
鈴鹿には藤内壁という、絶好のクライミングゲレンデがある。裏道を通る度に、クライマーがへばりつく藤内壁を、「すごいな」しかし「あぶないな」と思いながら見上げていた。その藤内壁に自分がへばりつくことになるとは思わなかった。


 今年の秋はクライミング技術の習得に励むことにした。日本アルプスも大部分の山とコースを歩き尽くし、バリエーションコースへとシフトし始めていた。3点支持さえ確実にやればこなせるコースの域を超えるためには、どうしてもクライミングの技術が必要になってくる。
 御在所クライミングスクールのHPには「お花畑を歩くのも良いけれど、縦走路の岩場がなんとなく楽しかったことはありませんか。クライミングはちょっとスリリングで過激だけど、基礎を学べば安全で楽しいのです。あなたのハートが冒険心でうずいてきたら、クライミングを始めてみましょう!」と書かれていて、すでに機が熟していたともあり、申し込みに至った。

裏道登山口に7時45分集合だった。平日なので生徒は私一人。これは想定内だった。すでに増井先生とは、準備する道具のこともあり連絡を取っていたが、お会いするのは今回が初めて。道具を確認し雑談をしながら藤内沢まで歩く。今日も残暑が厳しく、藤内小屋に着く頃には全身汗まみれとなった。しかし、準備運動にはちょうどいいような気がした。テストストーンまで上がり、装備の準備をする。靴を履き替え、ハーネスを装着、ヘルメットをかぶると、身が引き締まってきた。先生も普通のおじさんから、クライマーへと変身した。テストストーンでは、重心移動、足運び、岩の面の読み方などを教わると同時に、能力や気象条件などにより、その日のコースが決まるようだ。入門は前尾根だろうと思いきや、いきなり一の壁に行くとのこと。何も分からないのでついて行くしかない。

 
テストストーンと藤内沢

まずビレイについての話を聞く。というより実際にやった方がよく分かる。ビレイ点は岩にボルトがしっかりとはめ込んである。これらは増井先生がすべて整備したようだ。カラビナでスリンクをとめる。まず両者が一本のロープで結び会う。今日のロープは8.6mm50mを使用。ロープ強度についての話を聞く。数字がいろいろと出てくるのでなかなか頭に入っていかない。要するにトップが墜落したときにどれだけの衝撃がかかるかという話だ。ランニングビレイからどれだけロープが出ているかに関係してくるので、下で確保しているものにも大切な役割がある。素人が確保しているから、先生も心配だろうが、絶対に墜落したいという自身があるからだと思う。とにかくいつでも確保できるように、教わったとおりにロープを送りだす。1ルートなどは容易なのですいすいと登っていき、上を見上げながらロープを送り出すのも大変だった。


1,2ルート

1ルートはそれほど難しくないので、ランニングビレイの回収も忘れずに登ることができた。3級ということらしい。。上に登るとディジーチェンで自己確保しメインロープを外し、ロープを束ねる。そして歩いて降りる。次は2ルート。一の壁入門は誰もがこのルートから入るようだ。4級にあがる。これもクリア。ここで始めて懸垂で降下する。下降機はATCで補助ロープを使用。快適に降下できた。


1,2ルート、ビレイ点から見上げる


3ルート

続いて3ルートは4級+でゆとりがなくなり、2回ほどランニングビレイの回収を忘れ、先生から注意が飛ぶ。というかつっかえてしまい、不自然ば姿勢で外さなければならない。何とかフォール無しでクリア。次は左トラバースルートで5級ーにランクアップ。ビレイにカムも使っているので回収。難しさは先ほどと同じくらいか。ルートが長いので息が切れた。またロープの長さが足りないので懸垂では降りられない。

 
バットレス、もちろん先生がリード

さて最後はバットレス。先ほどの一の壁はフェイスクライミングだったが、こちらはスラブだ。ただし上部はフェイスになっている。ここも何本かのコースがあるみたいだが、最初なので一番簡単な一般コースを登った。先生がいるあたりからフェースで、ここの通過がちょっと御惑った。広く見えてない証拠だ。展望がよく一ノ壁や伊勢平野よく見える。一ノ壁の傾斜は80度ということらしい。ほぼ垂直の懸垂で下降した。ロープはぎりぎりの長さだった。


バットレスから北谷を見下ろす、高度感抜群


バットレスからの懸垂、裏道の北谷が真下に見える

    
一の壁下部

たいへん充実した1日を過ごすことができた。増井先生は60を過ぎているが全く年を感じさせない。現役でプロのガイドをしているからだろう。夏は1ヶ月のヨーロッパ遠征でマッターホルンでガイドをしていたようだ。これからの季節は藤内壁のガイドに専念するようだ。これからも何度かお世話になると思う。

  
藤内小屋


藤内小屋から伊勢湾の展望

 

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