2010年4月18日 藤原岳(鈴鹿) |
■藤原岳(鈴鹿)2010年4月18日 No.539 じんじんさん、隊長 プロローグ 今年の春は気温が低い日が多いので、花もちがよく、長く春の花が残っている。しかし季節は日追おうごとに進み、春の終盤お花が顔を出し始めた。イワザクラやアカヤシオ、イワウチワが咲き出す頃で、この時期は例年、どちらの山域に入るか迷うところだ。今年は花もちがいいので、春の花の最後のおさらいに孫太尾根で藤原岳を目指した。また、今回も前回同様、採集圧による花の減少を配慮し、花については写真のみの掲載にし、詳しい情報は記さない。 アプローチ 大貝戸駐車場に集合し、じんじんさんを拾って新町配水池に向かった。お墓前の駐車場には先客の車が2台。このコースは大貝戸のように大挙して登山者が詰めかけることはないが、週末には何人かの人が入っているようだ。単独の場合は、西藤原−伊勢治田間を三岐鉄道で移動すればいいだろう。準備を済ませ歩き始めた。 尾根の南側の急登を息を切らせて登り、神武祠の手前に出た。ここまではルートが2本あり、どちらも登られているようだ。尾根に乗ってしまうと丸山の手前までは緩やかに登っていく。アセビやシキミの常緑樹林を抜けると、石灰岩のごろつく歩きにくい尾根になる。先週までは茶色一色だった落葉樹が芽吹き初めてた。薄紫色をしたアケビの花が膨らみ始めている。ヤブサンザシの葉の緑も少し濃くなったようだ。石灰岩地帯は水が地下に抜けていくので乾燥しやすく、このような環境を好むヤブサンザシやコクサギ、メギなどの樹木が繁茂している。ミツバツツジや山桜も見頃で、春の華やぎが感じられた。ふと足元を見ると、動けなくなった山鳩がうずくまっていた。 しばらく緩やかな尾根が続くが、丸山の手前でガレ場の急坂となる。息を切らせながら登ると、おばちゃん三人組が、おしゃべりしながらくつろいでいた。山頂を目指す気配はなく、のんびりと構えていた。 先週は咲き始めだったカタクリも今日は、花を開いた株が多くなってきた。春の日差しを受けて、花びらがそりくり返っている。のんびりと歩いて標高点834になっている通称「草木」に到着した。顕著なピークではなく、石灰岩のごろつく痩せ尾根といったところだ。樹間から見える藤原岳が徐々に大きく見えてきた。その手前に、多志田山のピークがそびえ立っている。一旦50mほど鞍部まで降り、多志田山を目指して登っていく。急登だ。 息を切らせて多志田山にたどり着き時計を見ると、ちょうどお昼時になっていたが、体が暖まっているうちに藤原岳に登ってしまうことにした。稜線を辿っていくと治田峠へ縦走路分岐に出た。これからがまた急登だ。咲き残った福寿草の黄色い花を愛でながらぐいぐいと高度を上げていった。 しばらく登ると展望丘東側の展望のよいガレ場に出た。先陣が一人、展望を楽しんでいた。どうやら自分たちとは逆コースらしい。岩に腰を下ろし展望を楽しみながら昼食休憩とした。ヒロハノアマナがたくさん花を開いていた。 帰路は山の縁を回って避難木屋に出た。福寿草が所々で咲き残っていた。バイケイソウやトリカブトが芽を出し始めている。一気に緑に季節に突入していきそうだ。 福寿草の季節も終わり、一時の異常なほどの賑わいはない。小屋周辺で紫のキクザキイチゲを探したが、すでに花の時期は過ぎてしまったようだ。木陰で一息入れ、8合目からは聖宝寺コースで下山した。イチリンソウを探しながら降ったが、結局、見つけたのは境内や道端だった。完
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