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雲母峰(鈴鹿)2009年11月23日 No.517 隊長、うさぎ
〜ルートの検証に雲母峰へ〜
雲母橋(9:03)〜岳不動(9:32)〜林道終点(10:40)〜雲母峰888.4m(11:12)〜(11:17)2峰(12:00)〜林道(12:47)〜雲母橋(12:56) コース データ
雲母峰に登るにはどのルートが一番いいか。宮妻からのルートはいいが、ピストンすると芸がない。残岳不動からは昔から登られているコースだが、ほとんどが植林帯で薄暗くしかも、何度も林道と交差し、終点まで車で登ることができる。宮妻キャンプ場からはバリエーションになるが、雲母橋から登り周回コースが可能だ。これは次回の宿題とする。さて見出しの写真だが、今回はこれにしよう。

プロローグ 昨夜前線が通過し、移動性の高気圧の配下に入ったようで、この時期にしては暖かい日になった。今回も三重県の山改訂版の取材となった。昨夜の天気がよければ、鈴鹿縦走中のリンちゃん、M田くんのサポートに根の平峠までビールをボッカするつもりだったが、残念ながら悪天のために中止を余儀なくされた。この埋め合わせはいつかしようと思う。取材は半年で20山以上をこなさなければならないので、気長に構えてやろうと思う。


茶畑越しに見る鈴鹿南部の山々

登路 比較的よく登られているのは概ね4ルートあると思う。前回採用した稲森谷から鎌ー雲母の稜線をたどるもの、雲母橋から南峰に至る地形図に記されたルート、古くからある岳不動からのルート、南峰から南東に下りる群界尾根を下りる通称小林新道たるート(これは前回却下した)。また、少し古くなり実際とは違ってきているが、よく登られている登路として、鈴鹿の山と谷で紹介しているコースと重なってくる。この中でもアプローチがよく、行程の半分以上が二次林になっている、雲母橋から南峰に至るルートは外せないだろう。さて復路をどうするかだ。791独標から宮妻キャンプ場に下りるルートはバリエーションだが、使えないか検討したいと思う。今日は、岳不動ルートで登ったが、90パーセント以上が植林で、しかも何度も林道と工作し、山頂直下まで車で上がることができる。今日もバラグライダー愛好家が軽四で登ってきて、そこからは荷揚げモノレールで山頂まで上がっていた。

 
雲母峰

山麓 山麓は、もみじ祭やウォークラリーのイベントがあり、もみじ谷の手前で車を駐車場へ誘導していた。渋滞をさけるため、星の広場から回り込み、東海自然歩道に入った。混雑は会場周辺のみで雲母橋まで進むと先ほどの賑わいが嘘のようで、車も駐まっていなかった。この周辺は以前と変わりなかった。さて今回は岳不動コースで山頂を目指したいので、駐車地から東海自然歩道を30分ほど歩かなければならない。東海自然歩道といっても、車が通れる林道になっているので歩きやすい。

 
雲母橋     雲母橋から臨む雲母峰2峰

岳不動 平坦な林道と思ったが実際は、宮妻側からは小丘を乗り越すかたちになっている。30分ほど歩き、谷に回り込むところに岳不動がある。登山口はこの脇からだ。手洗い場があるが、案内板には飲料には適しない旨が書かれていた。神社に参ってから入山した。

 
フユイチゴ         岳不動登山口


岳不動

 岳不動からはよく歩かれている植林帯の単調な道だ。30分も歩くと林道に出た。怪しげな軽トラックが一台駐まっていて、小さな鳥籠をもった老人が隠れるようにしていた。この林道をたどれば山頂直下までたどり着けるが、登山道はこの林道を一部分利用しながら串刺しするように伸びている。しばらく林道を歩き再び登山道へ入る。次に林道に出た所が終点だ。木のベンチに座り、熱くなった体を冷やす。すると荷台に人と荷物を載せた軽トラックがやってきた。どうやらこれからパラグライダーを楽しもうとするおじさんグループのようだ。


薄暗い植林帯の登り

 
林道と合流       ニシキギ科ニシキギ属ツリバナ

 
林道から登山道へ            林道終点

林道終点 話しを聞くと道具一式が20キロくらいあるそうだ。テント山行なら一日中それを担いで歩くことになるが、パラグライダー乗りにとっては大変な荷物のようで、敷設してある荷揚げ用の動力モノレールで運び上げるらしい。4人分の荷物を積み込み自分たちも乗り込んで、大きなエンジン音を響かせて登っていった。同時に我々もスタートし、ちょうど同じくらいに鞍部に登りついた。


鞍部から本峰へ

  
三角点           雲母峰山頂 888.4m

雲母峰山頂 鞍部まで登ると、今までの薄暗い植林帯から開放され、明るく美しい二次林になる。西に5分ほど歩いた所が雲母峰山頂888.4mだ。残念ながら灌木に囲まれ展望はよくないが、葉を落とした灌木の枝の隙間から鈴鹿の主峰である御在所岳や鎌ガ岳を垣間見ることができる。前後して単独の男性が登ってきた。これから鎌の方面に向かうようだ。我々はここで少し休憩し、展望のいい2峰に向かった。


2峰からの展望

2峰 5分ほど歩くと2峰に至る。ここは先ほどの本峰と違い、すこぶる展望がよい。パラグライダーの離陸地点になっているので、よく手入れされているようだ。先ほどのおじさん4人グループも鯉のぼりを見ながら風を読んでいるようだ。上空を見ると北風が吹いているが、稜線付近は地表からの上昇気流のためか南風となっている。どうやらこの風に乗って飛び立つようだ。このように今日は複雑な気流になっているので、飛び上がってから山を離れるまでがかなり難しいようだ。いい風が来るまで待つらしい。その間に我々は昼食をとった。


左:鎌ガ岳    右:雲母本峰888.4m

 風がかなり複雑なのでそのうちの3人は断念したようだが、どうやら1人は飛び立つようだ。準備をして風を待っている。そして、いい風がきたかとおもったら一気に飛び立った。まっすぐ飛ぶと巻き込みの風があるので駄目なようだ。飛び立ってすぐに稜線をなめるように上昇気流を拾いながら尾根に沿って降りていった。そして尾根を乗り越した所で山を離れていくが、上昇気流がないらしく一気に高度を落としていった。星の広場あたりまで降りていくと上昇気流を捕まえたようで今度は、旋回しながらぐんぐんと高度を上げていった。面白そうだが、難しそうだ。

 
パラグライダー

 

樹皮 食事をしてからパラグライダーを見て十分楽しませてもらった。帰路は宮妻コースで降りることにする。コースの半分は雰囲気の良い二次林なので、気持ちよく歩ける。紅葉はほとんど終わっていたが、何本かは綺麗な色を残していた。樹皮を見て木の種類を同定するのも面白い。後で図鑑で確かめるために写真を撮りながら下った。


2峰から続く尾根筋の登山道、落葉後の森は明るい


コハウチワカエデ


白い樹はコブシなか?

 
カバノキ科クマシデ属アカシデ            ブナ科コナラ属コナラ

 
バラ科カマツカ属カマツカ            カバノキ科ハンノキ属 ヤシャブシ

 樹皮や木の実を楽しみながら、山頂から約50分で林道に降り立った。途中に京都からの登山者と出会い、これからのルートをアドバイスした。第二名神ができ京都から1時間で来られるようになったようだ。ここから駐車場までは約10分。駐車場に戻るとたくさんの車が止まっていた。帰りにモミジ谷に寄ろうと思ったが、かなり遠くまで駐車の列が伸びていたので断念した。マイカー利用の場合は、登路に使った岳不動周辺は駐車お断りとなっていたので、やはりこの雲母橋あたりを基点とした方がいいだろう。完

 
宮妻側の登山口(駐車場横)      雲母端付近に様子     

 

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