■大洞山(室生)2009年11月15日 No.516 隊長、うさぎ | ページ1 | ページ2 | プロローグ 三重県の山改訂版の取材で大洞山を訪れた。初版の取材からすでに5年が経過しており、それ以後、行く機会がなかったので、ルートの確認が必要になっていた。この大洞山に関しては隣の尼ガ岳とあわせて登られることも多いが、1山として取り上げているので、ガイド通り山麓の三多気から山頂を通過し、東海自然歩道の出発地点に戻るコース設定になってる。山頂付近は植林域が多いが、展望がよく室生の山々が一望できる。また、石畳が続く東海自然歩道は明るい広葉樹林となっており、コース中の見所になっている。 アプローチ 三多気は桜並木が有名で、4月下旬の桜の季節になると多くの観光客が訪れる。そのため、駐車場も完備されていいて、マイカーによるアプローチには困らないだろう。しかし春以外は訪れる人も少なく、真副院下の駐車場が利用できる。このあたりの標高はすでに500mあり、お寺の境内のイロハモミジやイチョウの紅葉は今が見頃になっていた。お寺の石段の紅葉は、日本の原風景であり、しっくりと日本人の感性にマッチする。そこに居るだけで居心地がよく、心も豊かになるような気がする。 錦秋の絨毯 境内に入ると錦秋の絨毯になっていた。先ほど駐車場で出会ったご夫婦が銀杏を拾っていたので、さっそく参加することになった。ご夫婦から袋を一枚分けてもらい、登山のことなど忘れて無心になって拾う。こちらその時間を使ってゆっくりと撮影する。袋に半分ほど拾ったところで終了し、登山に復帰した。 登山口 境内から林道を進んでいくと三多気キャンプ場の駐車場に到着する。この駐車場にもたくさんのモミジが植えられていて、紅葉がとてもきれいだった。またそこから登山口まで上がるよく整備された歩道脇にもたくさんの紅葉が植えられている。落ち葉を踏みながら階段状の歩道を登っていくと林道に出る。そこから20mほど歩くと大洞山の登山口だ。この日は、捜索願の案内板が目についた。10月中旬に山に入った男性老人が戻らないようだ。登山道を歩いているだけなら、何か事故があっても誰かに見つけてもらいやすいが、キノコ採りで登山道を外れ、谷などに滑落してしまうとはっけんが難しくなるだろう。すでに一月が経過しているがまだ見付からないようだ。 登山口の標高は650mなので、山頂までの標高差は300mほどしかない。ゆっくりと歩いても1時間で、山頂まで登ることができるだろう。植林帯なので薄暗いが、石段でよく整備されていて歩きやすい。ただし、登り一辺倒のコースなのでマイペースでゆとりをもって登った方がいいだろう。 雌岳 途中で10分ほど休憩を入れたが、予定取り1時間で雌岳に到着した。前線通過後で冬型の気圧配置になっており風が強く、山頂には長居できなかった。植林は山頂まで迫ってきているが、樹木は切り払われていて展望がよく、山麓の太郎生の集落や倶留尊山が一望できる。隣の頂は雄岳だ。ここよりも少し標高が高い。山頂まで植樹されているようだが、広葉樹林帯が帯状に残っている。 雄岳 少し休憩して雄岳まで進むことにする。途中でご夫婦と単独男性と行き交った。倉骨を起点、尼ガ岳と大洞山の二山をまわるそうだ。20分で雄岳に到着した。ここも誰もいない。サルトリイバラやガマズミ、カナクギノノキの赤い実やツルウメモドキの黄色い実が目についた。少しガスっぽいが隣の尼ガ岳もよく見えている。相変わらず風が強いので早々に山頂を後にし、そのまま北斜面を降り東海自然歩道を合流した。この北斜面も傾斜はきついが雰囲気のよい落葉樹林となっている。イヌブナ、リョウブ、イヌシデ、コナラ、クロモジなどの木が判別できた。ほとんどの木は落葉しているが、黄色い葉を残しているのはクロモジのようだ。 | ページ1 | ページ2 | |
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