■高畑山(鈴鹿)2009年11月7日 No.514 隊長 プロローグ 取材のために高畑山に登ることになった。聞き慣れない山名だが、鈴鹿南部の山に属している。南北に長い鈴鹿山脈は、仙ガ岳から西に向きを変え徐々に高度を下げていっている。関宿や鈴鹿峠と聞くとだいたいの位置が想像できるだろう。鈴鹿峠は古来より交通の要所として知られていて、南部鈴鹿の滋賀県に抜ける最鞍部となっている。高畑山はその鈴鹿峠から稜線を西に向かった最初のピークだ。 アプローチ さてアプローチだが、5年もたつと様子が変わっていた。駐車場は旧道脇の公園の駐車場が使えたが、現在は進入禁止となっている。何カ所か調べたがすべて使えなくなっている。仕方がないのでトンネルと越えて、滋賀県側になる常夜燈の周辺を探してみる。常夜燈周辺は茶畑が広がり、東海自然歩道や国道1号線の上りと下りをバイパスする道路が通っている。その近辺を探ると、駐車できる場所が何カ所かあった。また、登山口は東海自然歩道を三重県側に進むと植林帯の中にあり、そこが鈴鹿峠だ。岡崎からのご夫婦がアプローチで迷っていたので、一緒に登ることになった。鈴鹿峠周辺だが、往事は何件もの茶屋が軒を並べ、賑わっていたそうだが今は、当時の痕跡を探すのは難しそうだ。案内によると石積みが残っているそうだが、確認をしてこなかった。 鏡岩 峠から3分も歩くとルートなら少し外れたところに鏡岩がある。底は岩場になっていて展望がよく、国道1号線を見下ろすことができる。当時横行した山賊がこの鏡岩に移る旅人を見て危害を加えたそうだ。歩き始めて早々にビューポイントがあるので、子も先も期待が膨らむが、しばらくは展望のない急登が待っている。 植林域を抜けると、カシ、リョウブ、アセビなどの常緑の雑木林となり、やがて傾斜がゆるみ所々で展望のあるやせ尾根になっていく。ベニドウダン、アカヤシオ、コナラ、シロモジ、オオモミジなどの葉が色づき、晴れた日には気持ちよく歩けるだろう。 ナイフリッジ しばらく歩くとナイフリッジと呼ばれる小規模なキレットに出る。花崗岩が風化してざらついていて滑りやすく注意が必要だ。ここは展望がよくこれから向かう稜線が見えている。ピークが山頂のようにも見えるが、山頂はその向こう側だ。 ナイフリッジを過ぎると、アップダウンをっくりかえしながら徐々に高度を上げていく。カシの木に混じって、何本かのイヌブナの木が確認できる。イヌブナは、ブナ帯よりちょっと下の高度で見られる樹木だ。足下に咲き残りのリンドウの花をみつけほっとした。 山頂 稜線からはななかな山頂は見えてこないが、最後のピークを越えると樹間から高畑山山頂が見えてくる。山頂の周辺はイヌツゲなどの低木がある程度で、遮るものがなにもなく、360度の展望台となっている。昼食後は岡崎からご夫婦とともに山座同定などを楽しみながら過ごし、来た道を戻った。 *登山口周辺について |
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