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野登山(鈴鹿)2009年11月3日 No.513 隊長、うさぎ
〜紅葉を探しに野登山へ〜
取材のために野登山へ登った。先日の釈迦ヶ岳は汗ばむほどだったが、前線通過で今日の山は冬の装い。高度を上げるにつれて、一枚ずつ着込んでいった。山頂まで車道の通じる野登山だが、一ノ谷、仙鶏尾根を組み合わせると、大変魅了的な山に変身する。
祓塚駐車場(9:45)〜窓(10:56)〜国見広場(11:33)〜(12:05)山頂(12:30)〜野登寺851.6m(12:55)〜車道の仙鶏尾根分岐(13:15)〜P778(13:24)〜尾根の小岐須分岐(13:55)〜合流点(14:20)〜林道(14:33)〜大石橋(14:55)〜駐車場(15:15) 歩行距離10km 累積標高+830 コース データ

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プロローグ 温暖な気候が続いていたが、11月にはいると冬型気圧配置になり寒気が入り込んできた。平野部では晴れの予報だったが、山間部は荒れ模様だ。高畑山の取材で鈴鹿峠まで車を走らせたが、小雨がぱらつき始めたので山域を小岐須の野登山に替えることにした。野登山はご存じのように、山上に野登寺や、無線中継所などの施設があり、山麓の坂本から山頂まで車道が延びている。登山の対象としてはどうかと思うが、寺は歴史のある古刹であり、スギとブナの巨木は見応えがある。それに小岐須を基点として、一ノ谷、仙鶏尾根を利用すると大変魅力的なコースになる。


祓谷Pから石大神を見上げる

アプローチ 小岐須渓谷の祓谷駐車場には9時過ぎに到着した。遅い到着だったので、駐車場は満車だったが、駐車場手前の空き地がなんとか車を入れることができた。ここは、入道、宮指路、仙ガ岳の登山基地にもなっている。また、紅葉のいい時期でもあるので、ある程度の混雑は予想できる。

 
一ノ谷コース

登山口 一ノ谷の登山口は駐車場の端にある。河原に降り橋を渡るとヤブツバキを交えたスギの植林帯から始まるがすぐに谷筋の明るいコースとなる。登山道は右岸につけられていて、水流の浸食で深く刻まれた谷を見下ろしながら進む。岩場にはクサリやロープが設置されているところがあり、岩場でのスリップなど注意が必要だ。

 

 
鎖場

クサリ場 クサリ場を過ぎると谷は浅くなり、歩きやすくなる。サンショウが赤い実をつけ、シロモジ、クロモジ、ケヤキ、ウリハダカエデの葉は色付き始めていた。赤い実をつける樹木は多いが、ここではカナクギノキが群生していた。数メートルの高木になるようで、クスノキ科のなかでも落葉するのはこの種だけだそうだ。和名の由来だが、樹皮の模様が鹿の子に似ているので、「鹿の子木」(カノコギ)が訛って、カナクギとなったようだ。

 
カナクギノキの実              水面に浮かぶ落葉

マド 谷を詰め源頭に近づくと勾配がきつくなってくる。踏み跡も定まらなくなるが、ちょっとしたルートファインディング気分で上を目指せば鞍部の「マド」に登りつく。南北に展望が開け、山に来たという時間が湧いてくる。足早にかけ抜けていく雲の陰が山腹をなめていく。冷たい風に冬の厳しさを感じる季節になってきた。歩き始めて1時間が過ぎたので、風を避け日だまりで一本入れることにした。


鎌ガ岳と県境稜線


尾根の登りイヌシデ並木

国見広場 マドからは尾根に沿って歩くことになる。ここも明るい雑木林で感じがいい。イヌシデ、コナラ、アカマツが多いようだ。30分ほど登ると勾配がゆるみやがて国見広場に登りつく。広場手前に鹿避けネットもそのままだった。ツルリンドウが一輪咲き残っていたのが印象的だった。ススキの原となった広場からの展望は抜群によい。テントでも設営して初日の出を見るのもいいかもしれない。


山頂付近のススキの原

巨木 広がりのある山頂部は、ツガ、ブナ、スギなどの巨木があり見応えがある。特にここのブナの原生林は県指定の天然記念物になっている。西日本太平洋側の代表的なブナ林で、高木層にモミ、ツガミズナラなど、亜高木層にはシラキ、リョウブ、クロモジ、低木層にシロヤシオ、ベニドウダン、シャクナゲなどが見られる。またひときわ赤く色付いているのはミネカエデのようだ。国見広場からは無線中継所に通じる車道を少し歩き興ざめさせられるが、植物層の豊かさが相殺してくれる。国見石を見て山頂で昼食にすることにした。二等三角点のある山頂は狭く展望もあまり良くない。


ツガの巨木


咲き残ったツルリンドウの花


コミネカエデ


コミネカエデ


国見広場からの眺望


カナクギノキの実


国見石


鎌ガ岳と御在所岳

 
ブナの巨木


スギの巨木


スギの巨木

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