■大普賢岳(大峰)2009年10月12日 No.510 隊長、うさぎ 秋を探しに大峰に向うことにした。今回はうさぎをつれているので無理はできない。また、昨日は出勤だったので熊野からの出発となったが、かえって登山口が近いので都合がよい。42号線から309号線、169号線と乗り継ぎ、紀伊半島の中心を北上する。下北山あたりは貯水池に沿ったぐねぐね道が続く。新伯母峰トンネル手前で林道に入り、和佐又ヒュッテまで車を進めた。連休最終日だが、車も多く、テントも何張かあった。駐車料金(1000円)を支払にヒュッテに入るとおいしそうなトチモチがたくさんできていた。ここの食堂の名前は「トチノキ食堂」だ。 10月中旬ともなるとさすがに、Tシャツ一枚では寒い。薄手のフリースを着込んで歩き出した。雲一つない晴天で、心も身体も軽やかだ。キャンプ場の脇を通り過ぎ、林道が途切れると自然と登山道に入っていく。このあたりは植林を免れており、和佐又山分岐からはブナ、ミズナラ、ヒメシャラ、モミ、ツガなどの巨木を縫いながら緩やかな稜線を登っていく。大普賢岳は今回で4度目となるが、山頂だけのピストンは今回が初めてだろう。昨年の秋は和佐又から山上ガ岳を往復し、途中で少し山頂に立ち寄っただけだった。距離、標高差ともに短いのでゆっくりと歩けばいい。 1時間ほど歩くと岩壁の斜面に沿ったコースとなり、シダン、笙、鷲、朝日の窟がある。これらの自然の岩窟は修験者の行場となったところで、修験道の開祖である役の行者が最初に修行したところとして地元では言い伝えられているようだ。ということは今から1300年前から人が行き交っていたことになる。世界遺産となった大峰奥駈の道からはずれているが、重要な歴史的背景のある信仰遺跡であることに違いはないだろう。窟の岩壁を見上げると、天に抜ける青空と白い岩肌のコントラストが絵になっていた。 窟を過ぎると「石の鼻」に出る。このコースで最初に展望が開けるところで、周囲の地形を見ると現在位置がよくわかる。先ほど通過してきた日本岳、これから向かう小普賢、大普賢、奥駈の稜線などが確認できた。今日は急ぐ必要が全くないので、石の鼻に腰をかけて悠々と展望を満喫した。 さてここからは登山道が厳しくなる。岸壁には桟橋やハシゴが設けられ、一気に高度を稼いでいく。ウラジロモミ、トウヒなどが目立つようになり、亜高山域に入ったことがわかる。一組の男女を追い越しハシゴ場を過ぎると傾斜がゆるみやがて奥駈道に合流した。もう山頂はすぐそこだ。 山頂には先客が数人いた。天気がよいので展望は抜群によく、大峰や台高のすべての山が見えた。木陰に腰を下ろし久し振りにゆっくりと昼飯を食べた。最近は、より高くより険しい山ばかりだったから、たまにはのんびりとした山行もいいものだ。 山頂一帯には、亜高山性の樹木である、ウラジロモミ、トウヒ、ツガなどの大木が目についた。帰路は笙の窟から七曜岳コースまで下り、豊かな樹林を楽しみながら帰った。 キノコ中毒の大半を占めるのがこのツキヨタケだそうだ。暗闇で光るそうだがまだ確かめていない。椎茸みたいにおいしそうな色と形をしているので、思い違いで食べてしまうのだろう。
昨年は御在所でオオウラジロノキの小木を見かけたが、今回は数メートル以上の大木と出会った。小さなリンゴのような果実が無数に落ちていたので気づいた。図鑑を見ると山地でまれに見られるとかかれていた。果実をかじってみると酸っぱくて苦くてとても食べられない。ネットで調べると果実酒という手があるようだが、探しても見つからない代物のようだ。 |
2009年10月12日 Copyright (C) 2009 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |