■国見岳、御在所岳、鎌ガ岳(鈴鹿)2009年10月3日 No.509 隊長 週末はF1が開催され、本戦のある日曜日は渋滞などの混雑が予想される。秋雨残線の影響で先週はずっと雨が続いていたが、運良く尾週末が青空が戻ってきた。アルプスは紅葉の盛りだが、秋雨前線が動きそうもなかったので山行を諦めていた。しかし、急に山行のチャンスが生まれたので、とりあえずホームグランドの鈴鹿を目指すことにした。御池岳も視野に入れていたが、まったり山行はもう少し秋が深まってからと思い、岩場があるダイナミックな御在所周辺とした。 一昨年の災害により壊滅的な被害のあった北谷だが、地道に復旧作業が継続されているようだ。砂防工事のために日向小屋あたりまで作業道が作られたり、日向小屋が撤去されたり、藤内小屋の修復も進んでいる。登山道も今のところ定まらず、仮のルートが作られていた。北谷の変化もさることながら、国見尾根へのルートとなっている、不動谷が気になっていたので、このルートで先ずは国見岳に登ることにした。 裏登山道の入り口となるスカイラインのトンネル手前まで車であがる。入り口付近は工事車両が出入りしているようなので、少し手前のPに駐めた。いつもなら路肩駐車も多いがこの日は、人出は少ないようだった。朝は曇り空だったが、前線が通過したので天気が一気に回復してくるだろう。それとともに気温も上がるとの予報だった。涼しいとは思うが少し湿っぽい感じがした。 登山口を入るといきなり、大型ダンプが降りてきた。作業道ができていると聞いていたがどうやら、砂防工事の現場まで延びているようだ。コンクリートの坂を登ると従来からある鉄製の桟橋が残っている。とりあえず登山道はこれを進めばいい。日向小屋手前まで来ると砂防工事現場を迂回するように巻道が新しく作られていた。山肌を削って作られて急造のものだが、道幅もありしっかりとしていて、休憩用のベンチまであった。他の山域なら通行止めにして終わりだろうが、さすが御在所、処遇が違う。 これを過ぎると藤内小屋までは、概ね以前の登山道に戻っている。コンコンと小屋を造る金槌の音が聞こえてきた。藤内小屋の復旧が続いているようで、新しいログハウス風の小屋ができつつあった。数名の作業ボランティアの方が、小屋前で休憩をしていた。ここで北谷と別れ不動谷へと入っていく。谷は、ヤシオ尾根分岐までは以前とあまり変わりはなかった。分岐まで来ると、不動谷は通行止めとなっていた。岳不動上部が崩壊していると書かれていた。ヤシオ尾根から登ってもいいと思ったが、ルートの確認が必要だったのでそのまま不動谷を進むことにした。 分岐を過ぎると谷の荒れが目立ち始めた。コースは谷を渡ると左岸に移るが、倒木が散乱して歩きづらい。谷には大小の岩が散乱し土石流のすさまじさがを物語っていた。通告止めとはなっていたが、真新し赤ペンキのマーキングがよく目につき、迷わずにルートをたどることができた。以前と様子が違うので今どこを歩いているのかわからなかったが、気がつくと岳不動まできていた。 岳不動を過ぎると様子が一変する。崩壊した土砂で谷が埋め尽くされていた。以前から崩壊の激しいところであったが、さらに厳しくなっている。右岸斜面を見上げると今にも崩れ落ちそうな状況だ。赤ペンキもマーキングはしっかりと付けられているのでそれをたどればいいだろう。 尾根への最後の登りは以前と変わらなかった。滑りやすいところで灌木鯛に逃げながら急坂を登り切ると国見尾根の鞍部に出る。尾根コースで登ってきた単独の男性と出くわした。「ここ登れるのですね」と言う質問に、「あくまでも自己責任ですね」と答えた。 国見尾根は以前と変わらなかった。ゆるぎ岩に立ち寄り、岩の上に登って眺望を楽しんだ。このルートはなかなか変化に富んでいて、巨岩があり御在所へ直登する中道に匹敵するだあろう。久し振りに見る光景に真新しさを感じた。先ほどの男性と前後しながら国見岳の山頂を目指した。 国見岳の山頂は誰もいなかった。先ほどの男性は先に石門を見に行ったようで、後から登ってきた。岩の上に立ち、ぐるっと一周回ってみる。紅葉が始まっているが見頃は2週間後だろうか。早々に山頂を後にし、石門に立ち寄ってから御在所岳へと向かった。 山上公園は閑散としていた、前線通過後の天候は回復したものの吹き返しの風が強く、ロープウェイの運転の不定期になったいるみたいだ。最終の運転時刻を知らせるアナウンスが何度も響いていた。観光客も数人を見かけたのみで、登山者も1グループと行き交っただけだった。ございしょ自然学校に立ち寄り展示物などを見、長者池の前の東屋で昼食にした。昼食と行ってもコロッケパンを一つ食べただけだったが。さてまだ時間があるので予定通り鎌ガ岳に向かうことにした。 峠コースを武平峠へと下っていく。何度も歩いているコースだが、スカイラインが通行止めになりここを歩く登山者が少なくなってきている。ひと組の男女を追い越し、武平峠から鎌ガ岳へ向けて登り返す。さすがに足がだるい。標高的には300mほどの登り返しになると思うが、アルプスの稜線歩きの訓練にちょうどいいだろう。途中男性二人と行き交い、山頂では一組の男女がいたが、他に誰にも会わなかった。天候は回復したのもの今日は、入山者が少なかったようだ。秋が深まるにつれ、午後の日差しはコントラストが増し、岩場などが造形的になっている。郷愁を感じる季節になってきた。 直下の鎖場を一気に登り頂上に立った。鎌が岳も実に展望がよい。いったい何度この山頂に立ったことだろうか。もう少し秋が深まれば今年もまた、見事な紅葉が楽しめそうだ。鎌尾根側に回って岩に腰を下ろし眺望を楽しむ。先ほどの男女が下山したのでもう誰もいなくなっていた。さて、車がスカイラインにおいているので今日は三ツ口谷で降りることにしよう。 完 |
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