■御在所岳(鈴鹿)2009年6月20日 No.497 隊長 プロローグ 天気は下り坂で、平野部はまだ少し青空が覗いていたが、鈴鹿の山々は雲がかかっている。今回はトレーニング山行なので、天望などはあまり気にせず、また花の時期でもないので、山歩きに専念できそうだ。6時過ぎに家を出ることができたので、7時から歩き始めることができた。今回は蒼滝Pを基点に歩こうかと思ったが、午後から降雨が予想されるので、アプローチ短縮のために温泉街の外まで車で上がった。さすがに朝が早いので車の混雑はなく、いつもの路肩の空きに車を入れることができた。たぶん予算の関係だろうが、復旧の見込みのない国道を放置するくらいなら、せめて山の家あたりまで車が入れるようにしてもらえると、登山者にとってはありがたいと思うが。 アプローチ 本日の予定は、まず本谷で山頂まで上がり、それから峠コースで鎌ケ岳まで行って、長石谷を降りるコースを考えていた。御在所山の家までの車道歩きがちょうど体の準備運動になる。小屋の前に立ちひと呼吸置く。本谷コース登山口は小屋横にある。観光協会が設置するような立派な道標などはなく、私設の目立たない案内がある。5分ほど薄暗い樹林を歩くと自然に谷に合流する。無理に降りると堰堤に捕まるので、忠実に目印をたどればいいだろう。 ササユリ 花などは期待していなかったが、谷に降りるとササユリが出迎えてくれた。確か昨年もこの時期に本谷を歩き、ササユリが咲いていたのを思い出した。谷に降りるとしばらくは、小谷や滑滝が連続している。終始左岸に巻道があるが、ほどほどの水量なので、沢登りの装備がなくても白い花崗岩を伝いながら、渓歩きが楽しめる。この谷はヤマヒルもいないので、それほど足下を気にしなくてもいいだろう。直登するか巻道を使うかは水量次第だ。30分ほど歩き谷が狭まってくると前方に不動滝が現れ進路を遮る。水量があると絵になるが、普段は水が黒い岩肌を伝う程度だ。直下まだ進んでいくと薄暗く不気味な感じがする。登山道はこの滝を右岸から巻くようになっている。ジグザグに登ると滝の上に出て、再び谷に降りる。その際、ちょっとした岩場のへつりがあるので注意が必要だ。この辺りから谷も荒々しくなってくる。登山道は左岸で、転石伝いに登っていく。 コアジサイ やがて、谷の真ん中に居座る巨石見えてくる。この上に登り振り返ると四日市方面に天望が開け、休憩には都合の良いところだ。この日も二人の先行者が広々とした岩の上で休憩をしていた。この当たりはコアジサイがよく咲いている。梅雨の時期に鮮やかな色彩を放つ園芸用のアジサイと違い、こちらの方が控えめで自然な感じする。険しい谷登りにあって、心が和むひとときだ。 山上公園 谷が行き詰まる所で右岸から高巻く。前回はここで左岸の巡視路を這い上がり鉄塔の下に出た。右岸の岩棚をトラバースして上部に出ると今度は大黒滝が現れる。これを過ぎると左の山腹を途中まで登り(そのまま尾根に登ってしまうことがある)岩棚をトラバースして上部に出る。正面を見上げると駅舎の一部が見えてくる。そのまま進み笹に捕まりながら登ると大黒岩への踏み跡に出るが今回は、巡視路にそって山上公園に出た。このコース普段は高度感があるが、ガスでこの日は何も見えなかった。 落花 山上公園に出ると閑散としており、いつもの賑わいはなかった。どうやらロープウェイが止まっているようで、観光客が上がってきていないようだ。登山者の先客が二人、ベンチに座り早い昼食を採っていた。山の家で見かけた若い男性も到着したところだった。また、本谷で追い抜いてきたご婦人も到着したようだ。ガスと風があり、初夏ではあるが、じっとベンチに座っていると肌寒さを感じるほどだ。それほどお腹はすいていないが、これから鎌ケ岳に行く気にもなれないので、おにぎりと「どんべい」で簡単に食事を済ませ、ここで折り返すことにした。さて、帰りのコースだが、久しく歩いていなかった裏道を使うことにした。 帰路 初夏を彩ったサラサドウダンやベニドウダンの落花が目立った。落花した花が地面を埋め尽くし、花付きの良さを物語っていた。国見峠からしばらくは、以前と変わらない登山道だがやがて、昨年9月の土石流の傷跡を目の当たりにすることになる。上部で発生した土石が一気に北谷を流れ下り、谷を埋め尽くし広い川原のようになっていた。左岸に着けられている登山道も途中から川原を進むように変更されていた。被害を受けた藤内小屋は現在、ボランティアによる修復作業が行われているようであった。 マイナールート 車に戻るには、小屋を過ぎてから中道にスイッチした方が近道だ。以前に通ったことがあるが、はっきりとした記憶はない。目印もあり迷うことはないが、中道分岐の手前にもう一本分岐がある。この分岐はまだ下ったことがなかったので、下ってみることにした。予想通り、裏道と中道の中間地点のスカイラインに降り立った。ちょうど駐車地の真上に当たるようだが、急ぐこともないのでブラブラとスカイラインを歩いて駐車地に戻った。 完
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2009年6月20日 Copyright (C) 2009 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |