2009年5月31日 御在所岳(鈴鹿) |
■御在所岳(鈴鹿)2009年5月31日 No.494 隊長 プロローグ 朝起きて西の空を見ると、低層雲が山にまとわりついていた。天候は予報では、前線が通過した後、午後から回復するようだ。そこで、昼前に少し青空が覗き始めたのを見計らって家を出た。山域は御在所だ。目的は、シロヤシオの残り花とトレーニング。ヤマヒルが活躍する季節になったので、これを避けるには必然的にコースが限られてくる。午後からなので時間に制限があるが、体調さえ良ければ鎌ガ岳まで足を伸ばすつもりだった。 アプローチ 旧スカイラインが閉鎖となり、登山者は皆、マイカーでのアプローチに苦慮しているようだ。それでこの日も、はっきりしない天気だったが、温泉街外れの駐車地は満車だった。ゲートから歩くよりも、こちらから歩いた方が早いので、よく知った人はこちらに車を回してくるようだ。少し戻って路肩に駐める。この時間から登る人はいないようで、駐車地周辺も登山口も閑散としてた。 中道 車道を登山口まで歩く。道端に咲くウツギやタニウツギが、車道を飾っていた。紅葉の時期もいいが、緑が鮮やかなこの季節も清々しく、歩いていると気持ちがいい。さて今日の体調はどうか、少し歩くとその日の体調がわかるのだが、どうも今日は万全ではないようだ。気温は低いが湿度が高いのが原因か、それとも昨日のジョギングの疲労が残っているのかわからない。トレーニングのつもりで少しペースを上げ負荷をかけて登るつもりだったが、それほどモチベーションが上がらず、のんびりペースに切り替えた。 地蔵岩 登り始めると体が温まる前に汗が出始めた。やはり、気温の高低よりも湿度の高さが体に影響するようだ。梅雨が明ければ今年もまた、アルプス山行が始まるので、その厳しさを想定しながら歩いた。地蔵岩まで一気に登り、ここで少し撮影に時間を使った。青空は見られないが、鮮やかな新緑と山にまとわりつく雲がいい脇役となっている。ロケーションがいいので、分県登山ガイド「三重県の山」の表紙の写真も、この時期にここで撮影したことを思い出す。あの頃は64のフィルムで撮影したが今はデジタルだ。 山道に入ってから見かけた花は、アズキナシの白い花程度だった。スイカズラ科のコバノガマズミかなと思ったが、葉が互生なのでスイカズラ科ではない。花をよく見るとバラ科の花だ。地蔵岩の向こう側に回り込んで、土石流が流れた北谷を見下ろす。岩の上に立つと高度感があり、日向小屋と藤内小屋が確認できる。また空気の透明度が高く、伊勢平野に広がる町並みが一望できた。 鮮やかな新緑 地蔵岩でうろうろとして撮影していると体が冷えてきた。寒気が入っているのか気温が上がらない。天候も徐々に回復しているようで、白い鉄塔が見え隠れしだした。ツクバネウツギが花盛りなのでレンズを向けるが、風が強くて撮影が難しかった。キレットを過ぎて岩峰帯まで来ると雲の中に突入した。ガスが視界を遮るが、新緑の緑がより一層鮮やかさを増し、この季節ならではの光景が展開する。この間に何人かの下山者と行き交った。荒天でも登山者が多く、やはり御在所は人気の山岳のようだ。 イワカガミ 岩峰帯を過ぎたあたりではイワカガミの花がちょうど見頃を迎えていた。雨に濡れ鮮やかなピンク色をしていた。またシロヤシオの落花が目立つ。しかし枝を見上げるとまだしっかりと花をつけている。シロヤシオは年によりは花付きが全く違う。不作の年はほとんど花をつけないが今年は、枝もたわわに花をつけている。同じくツツジ科のサラサドウダンも同じだ。今年のツツジ科の花は総じて、豊作ということだろう。 落花 山上公園に上がると観光客もまばらだった。ガスと風で花見散策どころではなく、背を丸くして震えながら歩いていた。体が冷えるので、カッパを着込んで遅い昼食にした。 帰路 百間滝の水量を期待したがいつもと変わらなかった。スカイラインに降り立ち少し歩くと、昨年の土砂災害の傷跡がそのまま放置されている。確かこのスカイラインは県道だったと思うが、どうやら復旧の目途が立っていないのだろうか。時間と費用を費やして作った人間の構造物など、自然の力に抗することなく、たやすく壊れてしまう。バイクや車の騒音がなくなり、静寂の戻った御在所岳は、山上公園の喧噪を除くと、登山者にとっては嬉しいことだが。タニウツギやコアジサイを見ながら登山道を下った。 完
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