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2009年5月9日 修験業山、栗の木岳(美杉)

 

修験業山、栗の木岳(美杉)2009年5月9日 No.492 隊長
〜久しぶりにシャクナゲ咲く高宮へ〜
南海上に前線が現れ出すと、すっきりとしない天気が多くなる。連休の後半から一旦、崩れていた天気が回復し、五月晴れの日和となった。北の山へ花を求めるのもいいが、早朝より熊野発の日程となったので、三重県中部の山をねらってみた。
若宮八幡宮(8:31)〜若宮峠(10:20)〜栗の木岳1066(11:05)〜若宮分岐(11:42)〜(11:51)高宮(12:23)〜分岐(12:32)〜若宮八幡宮(13:30)歩行距離7km、累積標高+800m カメラ:α700 レンズ:VarioSnnar16-80mm 本日のコース 受信不良


アプローチ 伊勢自動車道久居ICで降り(一志嬉野ICでもよかった)、雲出川に沿って名松線と平行し、伊勢奥津まで車を進める。ここからは道路が狭くなり、川上を経て終点の若宮八幡宮まで入る。神社の駐車常は広くトイレも完備されている。

プロローグ シャクナゲの季節なので、何人かの登山者がすでに入山していると思いきや、駐車場は空だった。準備をしていると伊勢からのグループが到着した。例年この時期は、シャクナゲ目当ての登山者で賑わうが今日は、どうしたことだろうか。雨上がりの後なので、空気が澄んできて、実に清々しい。本日のコースは「の」の字周りで、栗の木から修験行へと回る予定だ。


若宮八幡宮

大宮谷 栗の木岳へ登るには、まずは稜線にある若宮峠まで登る。コースは大宮谷を遡るようになっている。取り付きは、神社駐車場の南端にある。駐車場から谷まで降りたが、連休からの降雨で水量が増し、谷を渡れなかったので、上流の神社前の橋から迂回した。コースはこの谷を縫うようにつけれていて、何度も徒渉を繰り返さなければならない。2,3日雨が続いていたので水量があり、渡りにくいところが何カ所かあった。逆に水量があるので、随所に小滝がかかり、見栄えのする谷だ。要所に目印があるが、それほど多くなく、沢のコースもあるので、徒渉時には確認が必要だ。

 地形図によると標高550m付近から尾根コースに転じているが実際は、この谷をもう少し詰めて行くようになっている。この山には、カタクリやイチリンソウなどの草花が咲くので、他の花も期待したがこの時期、目に付いたのはサワギキョウだけだった。ユキワリイチゲの葉を少し確認できた。谷を離れ、急斜面を登り切ると、地形図のコースと合流する。ここまで登ると傾斜も緩やかになり、バイケイソウやトリカブトが見られるようになる。いずれも花期は夏だが。

 
左:ヤブレガサ          右:ヤマツツジ

若宮峠 若宮峠に10時20分到着した。花探しをしていたので少し時間を食ってしまった。気温はそれほど高そうではないが、少し湿度が高いようなので、体にだるさを感じる。というよりも、昨夜は宴会があり、今朝は5時に起きて熊野を出てきたので、万全な体調とはいえない。峠に腰を下ろし、稜線を流れていく清々しい風に吹かれていると気持ちが良く、目を閉じていると眠気を感じてきた。横になって昼寝をするのもいいが、この先のシャクナゲの咲き具合が気になる。少し体を冷やし峠を後にした。


痩せ尾根に咲くシャクナゲと局ケ岳


局ケ岳

栗の木岳 栗の木岳への登りはきつい。都合200mを一気に高度を上げていく。花はなく、ヤブレガサばかりが目立っている。上部ほど険しく、岩になるとシャクナゲ帯に入る。沢山花をつけている。雨が続いたので多少、花が痛んでいるが。それでもちょうど見頃になっていた。空気が澄んでいて見晴らしもよく、新緑の山が眩しいほどだ。岩に腰をかけて絶景を楽しんだ。栗の木岳山頂は、標高点1066にある。シャクナゲの樹林の包まれ、広くはないが北側に展望が開け、室生の山々が展望できる。山頂にはこの日、誰も居なく静かだった。シャクナゲがよく咲いていた。


栗の木岳山頂から見る室生の山々

 昼には少し早かったので、早々に山頂を後にし、稜線を西に向かった。シャクナゲのなかを徐々に降っていく。シャクナゲに限らずツツジ科の多くは、岩の多い痩せ尾根を好むようだ。というよりも樹高のある木々を避けて、光が届きやすい崖縁に追いやられているのだろう。傾斜が緩やかになるとブナやヒメシャラ主体の樹林となる。植林域が北側から稜線まで迫ってきていてるが、なぜか、林縁にはカタクリが見かけられる。花期が過ぎしまったのは、花は落ちていた。

 
稜線に咲くシャクナゲとヒメシャラ

ブナ 小ピークを一つ越え、緩やかに再び登り返していくと、見覚えのあるブナが目にとまった。ここは若宮への分岐地点で、このブナが目印になっている。幹は下部で分枝しているが、しっかりと根を下ろしていて存在感がある。植林域が背後まで迫ってきているのが残念だ。

 


分岐点に立つ、存在感のあるブナ

高宮 分岐地点から少し登ると高宮につく。朝、顔を合わせた伊勢からの4人グループが、木陰で談笑していた。コースは私と逆回りのようだ。高宮は麓の若宮八幡宮の別宮で、立派な鳥居と小さな祠がある。沢山花をつけたシャクナゲに包まれ、コース中の見所にもなっている。時間も十二時を過ぎたので、日陰に腰を下ろし昼食とした。伊勢からの人たちと情報交換をしたが、この日は他に登山者はいないようだった。修験業山はここから20分の所だが、稜線上の単なる標高点(1093.8)に過ぎない。時間はあるが往復するのが面倒になってきたので今回は、山頂を踏まずに降りることにした。


高宮周辺シャクナゲ

 
高宮とシャクナゲ

下山 稜線から修験業谷までは、急降下となる。シャクナゲも所々に見られるが、稜線ほどでもない。気持ちよく一気に高度を下げた。谷間で降りて火照った体を冷やした。冷たい水で顔を洗うと気持ちがいい。巣この谷も水量があるが徒渉に困ることはなかった。遅くから登り始めた年配男性登山者が一人、おにぎりをおいしそうにほおばっていた。これから山頂を往復するようだった。

  
樹間から覗く栗の木岳


魚止の滝

 これからの季節谷沿いに瀬音を聞きながら歩くのも悪くない。途中で白山谷と合流すると林道歩きになる。道路脇には楓が植樹されていて、背丈を超すほどに伸びてきていた。魚止めの滝も水量があり見応えがあった。13時30分、出発地点の駐車場に戻った。 完

 

 

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