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藤原岳(鈴鹿)2009年4月26日 No.489 隊長
〜悪天候の藤原岳、花たちも風雨に打たれうつむいていた〜
一難去ってまた一難、過ぎ去った低気圧の後にもう一つ。低気圧が控えていた。フクジュソウの賑わいが去り、一人静かに花見を企てたが、風雨激しく花見どころではなかった。
大貝戸登山口(7:51)〜5合目(8:50)〜バリエーション〜9合目(10:09)〜(10:32)避難小屋(11:00)〜9合目(11:17)〜8合目(11:39)〜聖宝寺(12:42)〜大貝戸(13:01)
カメラ:α900 レンズ:sony20mm SIGMA70mm TAMRON28-70mm


 天候が大荒れの週末となった。前線の通過後の晴天をねらった山行であったが、ダブルの低気圧が日本列島を通過後に発達し、気圧配置は冬型となり、山頂では山小屋のありがたさをしみじみと感じた。

出発 予定通り8時前に大貝戸の登山休憩所に到着した。天候が悪いので駐車場は、登山者の車が2台ほどで、がらんとしていた。青空は見えていたが小雨のぱらつく天気だった。準備をしているうちに2,3台の車が入ってきた。今年は高速道路料金定額のメリットを積極的に使うべく遠方からの登山者が増えてきている。
 

   
ギンラン             ヒメウズ

ヒメウズ 今日は稜線の花見散策を期待して来たが、見上げると山は、すっぽりとガスに包まれ、しかも風は収まりそうになさそうだ。とりあえず様子を伺いながら登り始める。登山道を入るとすぐに、ギンランが待ってきてくれた。花はまだ開いていなかったが、さい先の良いスタートだった。今回、登りに使っている大貝戸コースだが、8合目までは植林帯が多く花はあまり期待できいない。この時期は白い小さな花をつけたアブラナ科のハクサンハタザオが目に付く程度だ。2合目では、ヒメウズが目立たない小さな花を風に揺らせていた。光不足と風で撮影に苦労した。ヒメウズは、キンポウゲ科ヒメウズ属で、ウズはトリカブトの事らしく、ヒメが付くので、小さくかわいいトリカブトということらしい。半日陰で水分が多く、通気性のよい土壌のところでよく見かける。

バリエーション 若葉が陽射しを和らげ、新緑の森は清々しく雰囲気がよい。天候の回復を期待して高度を上げていく。5合目からは植林帯では、花は期待できないので、ここからバリエーションに入る。高度を上げるにつれ徐々に、ガスがかかりはじめ風が強くなってきた。ニリンソウやイチリンソウは花を閉じ、うなだれているので、なかなかよい被写体にはなってくれない。しかしヒトリシズカは花を閉じることもなく風にも強いので撮影しやすい。カタクリの葉もたくさん出ているが花は見かけなかった。ヒロハアマナの葉はどれも先半分が無くなっている。どうやら鹿に食われたようだ。


カタクリ

  
ヒトリシズカ

避難小屋 花を見ながら登っているうちに9合目に到着した。風雨がますます激しくなり、もはや撮影どころではなくなってきた。気温が低く手がかじかんできた。とりあえず山頂の小屋に逃げ込むことにした。カタクリが花を閉じうつむいていたが、かまってはいられない。急いで登って小屋に逃げ込んだ。先客が数人食事をしていた。とりあえずゆっくりと食事ができるのは、小屋があるからだ。改めて小屋のありがたさを感じた。30分ほどで食事を済ませたが、風雨の収まる気配はない。防寒をして山頂を往復する登山者もいたが、もはや長居は無用と判断し早々に山小屋を後にした。


ミノコバイモ

ミノコバイモ 帰路で期待したのは、トウゴクサバノオとミノコバイモだったが、両方とも見られたので安心した。ミノコバイモは年々減少傾向になるので心配だ。トウゴクサバノオ(東国鯖の尾)は既に種をつけていた。鯖のしっぽに見えなくもないが、もう少しきれいな名を付けられなかったか。

  
トウゴクサバノオ


ニリンソウ


イチリンソウ

 8合目までに2団体と、また、聖宝寺道の4合目では、二十人以上のツアーと行き交った。雨でも中止できないのがツアー登山なのだろう。雨脚が徐々に強くなってきたので、急いで下った。 完

追記

このとき北アルプスでは2件の遭難事故が発生していた。1件は京都府立大学の2人パーティーで、黒部川から鳴沢岳を越え扇沢に降りようとしたが、天候の急変のために山頂付近で力尽きて凍死。26日の11時過ぎまでは写真から、生存が確認されており、死亡推定時刻の5時間ほど前だった。つまり、たった5時間の間に死に至るほどの天候の急変があったことが予測できる。もう一件は、鹿島槍に向かった2人グループで、やはり稜線付近で行動不能に陥っている。この日前後の気圧配置を見てみると、いわゆる二玉低気圧で26日の午前中は比較的安定していたが午後になり急激に低気圧が発達し冬型となったことが伺える。二つの的気圧の間は比較的等圧線が緩やかで、「疑似晴天」の状態だったようだ。そのため、日とつ目の低気圧が通過し天候が回復に向かうと判断したのだろう。私も午後からは天気の回復を期待し藤原岳に登頂したが、山頂は吹雪となり、避難小屋での昼食となった。


yahooより引用

 

 

2009年4月26日  Copyright (C) 2009 k.kanamaru. All Rights Reserved.  home