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馬の背尾根散策(鈴鹿)2009年4月19日 No.488 じんじん&ふーみんさん、りんちゃん、隊長
〜アカヤシオ咲く馬の背尾根へ〜
この時期は毎年、長石谷と馬の背尾根の散策をすることにしている。谷の瀬音を聞きながら登り、展望を楽しみながら降りてくるのも悪くない。今年のアカヤシオは大変花付きがよく、これから連休にかけて山頂へと咲あがるだろう。しかし今年は、イワウチワが不作の年のようで、花付きが大変悪く全体的に小さかった。
蒼滝無料駐車場(8:30)〜長石谷〜犬星の滝〜馬の背尾根〜蒼滝無料駐車場(15:20)
カメラ:α900 レンズ:sony20mm SIGMA70mm TAMRON28-70mm


 昨夜は所要があったので熊野へ帰っていた。8時半の集合に間に合うように熊野を5時半に出て、ひたすら北上する。早朝のために道路は空いていて走りやすい。集合場所の蒼滝無料駐車場まで3時間を予定していたが、思ったより早く2時間半で到着した。この駐車場は昨年九月の災害により利用できなくなっていたが、仮復旧で昨年の秋からは利用できるようになっている。

 


新緑の温泉街


新緑の道を登山口に向かう

 予定通り参加予定者が集合したので、準備を整えてまずは階段を温泉街まで上がる。蒼滝あたりの災害がひどかったため、遊歩道は壊滅状態で今も通行不能となっている。温泉街を通り抜け長石谷の登山口まで進む。この時点額に汗がにじみ始めた。天気予報によると本日は、初夏の気温になるようで、ここまで歩いてそれを実感した。
 登山口を入るとすぐにある鉄製のしっかりとした橋だが、昨年9月の災害で流されその残骸が谷にころがっていた。

 
左:登山口の新緑           右:流された鉄の橋


堰堤上部の山桜が満開

 石を拾って谷を渡り登山道を進む。この長石谷コースだが、御在所周辺の谷は被害を免れなかったが、この長石谷はほとんど無傷の状態だ。登山口からしばらくは、谷が深いためにコースに険しいところがあるが、堰堤を乗り越えたあたりから歩きやすくなってくる。堰堤に川原に入ったところで、カモシカの子の死骸が横たわっているのをじんじんさんが発見。ほとんど傷みはなく、あどけない姿が悲しさを誘った。今日は急ぐことのない山旅なので、川原の日陰で一息入れる。山桜が、芽生えたばかりの新緑の森に彩りを添えていた。

   
左:カモシカの子が息絶えていた          右:新緑の谷を行く

 鎌ケ岳直下の岳峠に源頭をもつ長石谷は、上部こそ急峻で岩の堆積した涸谷になっているが、枝谷から少しずつ水を集め中流域からは安定した水量を持つ谷となっている。今日は初夏を思わせる天気になったので、水際の涼感がありがたかった。今年のイワウチワの少なさは、登山口から気になっていたことだが、歩を進めるうちに、少なくともこの谷に関しては、何年かに一度の不作であることを実感した。またショウジョウバカマも例年よりもかなり少ないことがわかった。気温が関係したのかそれとも、降雨が少なかったのかわからないが、岩壁をしたたる水が少ないように思った。


涼感たっぷりの谷を進む

 記録には残せないが、要所で花の撮影をして犬星の滝までを一区切りとした。久しぶりに滝見物をして、右岸に移りのんびりと昼食とした。3年ほど前に滝の右岸が崩壊して荒れていたが、自然の風化作用により景観が戻りつつある。この辺りの標高ではアカヤシオの花が見頃を迎えており、樹間から垣間見るかぎり今年は、大変花付きがよさそうだ。昼食を終え早速、馬の背尾根に上がることにした。


イワウチワ イワウメ科

 
ミツバコンロンソウ アブラナ科

 この、ミツバコンロンソウだが、三重県レッドデータブックを見るとどうやら、絶滅危惧類になっていた。既知の生育地数5以下、各地点個体数250未満。現状は、伊賀市青山町1,松阪市飯高町1となっている。アブラナの類はまとまって生えることが多いし、あまり気にとめていなかった。確かにハタザオの類とは葉の形が違ったので、気になっていたのだが。


犬星の滝

 あまりにも花付きが良いので、鎌ケ岳が見えるところまで登ることにした。稜線では既にミツバツツジも花をたくさんつけており、アカヤシオとの競演がまたよかった。しかし稜線の陽射しはきつく、夏を思わせるほど気温が上がり、体がだるく感じた。ザックをデポし花見のために稜線を散策した。今年はシャクナゲの花芽がたくさん膨らんでおり、5月の花の時期が楽しみだ。


アカヤシオ ツツジ科

  
馬の背尾根に咲くアカヤシオ

 
アカヤシオとミツバツツジ


タムシバとアカヤシオ

 帰路は馬の背尾根を降りることにした。足下のイワウチワが気になるが、尾根筋も今年は駄目なようで、どの場所も大きな群落はできていなかった。徐々に高度を落としていくと今度は、イワカガミが咲き始めていた。また、ミツバツツジも花盛りで、枝もたわわに花をつけていた。例年より今年は温暖で、季節が進んでいるようだった。今年の桜と同じように、咲き出した頃に少し気温が下がってくれると、花持ちがよくなるだろう。アカヤシオといいシャクナゲといい今年は、ツツジの当たり年なのだろうか。

 

 

  
馬の背尾根に咲くイワウチワとイワカガミ


イワウチワ


 コブシ咲く三岳寺

 三岳寺に降りたち、ロープウェイの駅までもどってソフトクリームを食べた。熱気で身体が火照っていたのでおいしかった。 完

 

2009年4月19日  Copyright (C) 2009 k.kanamaru. All Rights Reserved.  home