■御池岳(鈴鹿) 2009年4月12日 No.487 隊長 花の写真のストックがなくなってきたので、今年の春は、5月半ばまで御池中心に歩くつもりでいる。フクジュソウが終わり、モノトーンの樹林が少し彩り始めた。葉が茂り森が緑色になるまでに、草花は花を咲かせ実をつけなければならない。春の花の写真撮影はこの一ケ月が勝負だ。1週でも見送ると撮影のチャンスは来年まで待たなければならない。 コグルミ谷下の駐車場閉鎖の連絡が、なっきーさんから入っていたので、少し早く家を出たがすでに、上の駐車場のスペース一台分のみだった。何とか車を入れると、隣はどこかで見たことのあるデミオだった。早速準備をしてコグルミ谷登山口へ向った。2週間ぶりのコグルミ谷だ。前回は降雪直後のために、花は期待できなかったが今回は、2,3日前から気温が上がり始めたので開花が期待できそうだ。 登山口を入るなり、咲き残りのミスミソウでもないだろうかと探しながら歩くが、目に付くのはうつむいたミヤマカタバミばかりだ。谷に日が射せば、帰りには花を開いてくれそうだ。ニリンソウもまだつぼみは堅そうだが、昨日のような陽気になればこれも期待できそうだ。時期的には今が、ヤマネコノメソウ、ボタンネコノメソウ、ハナネコノメソウの花盛りだ。ハナネコノメソウも小さな花だが、群生すると見栄えがする。何枚か写真を撮ってタテ谷に入る。おおかたの登山者はコグルミ谷をそのまま進むので、この谷に入ると人の気配がなくなり、急に静かになる。 日当たりの良いところではカタクリが、花柄を延ばして花芽を膨らませていたが、開花株は見つけることができなかった。このままの天候が続けば来週には咲き出しそうだ。しかし今日の目的はカタクリではない。ミノコバイモとキクザキイチゲ、アズマイチゲを何とかものにしたい。まずはミノコバイモだが、なんとか数株見つけることができた。この花も花期が短いので、山行の都合で出会えない年も何度か合ったが、今年は見ることができた。プレビューでぼけ具合をもう少し吟味したかったが、フィールドに来るとどうしてもいい加減になってしまう。それだけではなく、背景の処理も適当だ。 ミノコバイモ、ヤマエンゴサクを撮りながらタテ谷に入る。さてここまで上がってしまうと、まだ花は咲いていない。谷筋はまだ時期が早いので、日当たりの良い左岸尾根に上がってみた。カタクリの葉が沢山でき居るが、他に花の気配はなかった。ブナもあり雰囲気のいい尾根だ。鈴北辺りをうろつけば確実にキクザキイチゲとは出会えるだろうが今回は、真の谷を源頭部から降ってみることにした。 まずは谷を離れ、枝尾根に乗って県境稜線まで上がった。途中で何本かのブナがあった。御池岳が正面見えている。登山者が二人通り過ぎていった。登り初めは曇り空だったが、稜線まで上がると青空が広がりだした。さすがに昨日の大峰山行がこたえているのか、足が重く感じる。木の根に腰を降ろし一息入れる。テーブルランドも少しは歩こうかと思ったが、今日は谷にこだわる事にした。 谷へ降り少し進むと登山道と合流した。いつもの沼地が池のようになっていた。近づくとオタマジャクシが動いていた。前回はこの辺りでキクザキイチゲを見かけたが、今日は、探したが見つからなかった。仕方なく登山道に沿って谷を降る。谷には残雪があるが、石灰岩の地形なのでほとんど水がない。キクザキイチゲはないかと探しているとまずは、アズマイチゲが見つかった。残念ながら花が開き始めたところだ。やはり少し季節が早いようで、おそらく来週になるともう数が少し咲き出すだろう。 少し下って今度は、今年初めてのキクザキイチゲと出会った。谷で見る個体は、白い花のものが多いようだ。鈴北や藤原で見るキクザキは花が紫色をしたものをよく見かける。残雪があるとは言え、解けた水は伏流してしまうのか、谷全体が乾燥している。春の花の命は短いのでおそらく、開花時に雪解けの水分が有れば事足りるのだろうか。久しぶりにカタクリ峠の分岐まで真の谷を下ってみたが、花を見つけることができなかった。しかしカタクリとアマナの葉はたくさん見かけた。谷筋ではあるが乾燥しているので、むしろ草原の生育環境に似ているのだろうか。明るい森の中で、鳥の鳴き声と風の音を聞きながらのんびりと昼にした。 帰路はカタクリ峠まで登り返し、コグルミ谷の通常コースを下った。朝は閉じていた花が、5月を思わせる陽気につられ、背丈は伸びていたいが一斉に花を開いていた。ニリンソウもこれくらいの時の方が初々しくていいようだ。駐車場に帰るとリンちゃんの車はすでになかった。 完
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