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2008年9月27日 御池岳、鈴北岳(鈴鹿)

 

御池岳、鈴北岳(鈴鹿)2008年9月27日 No.463 隊長
〜先生にあんパンと花を持っていく〜
306号線山口ゲート(8:35)〜コグルミ谷登山口(9:30)〜長命水(10:10)〜近藤石〜天ケ平(10:35)〜御池岳(11:20)〜池散策〜鈴北岳(12:05)〜鞍掛峠(12:35)〜306号線トンネル〜306号線山口ゲート(13:52) 歩行距離17km、累積標高+1215m、行動時間5時20分
気圧配置が変わり一気に秋らしくなってきた。告別式に出席できなかったので、最後のお別れに御池岳に行ってきた。近藤石に花とあんパンを供え、お別れをした。ゲートが閉まり、国道歩きを強制されたが、時間に追われて駆け足で御池と鈴北を周回した。御池岳はいつもと全く変わるところがないが、我々山仲間の心には大きな穴が開いてしまった。しかし御池に行けば、「千の風になって」のように、光になってふりそそぎ、風になって吹いてきた、鳥になってさえずってくれるだろう。

 ゲートが閉鎖されていることがわかっていたので、最初から歩くつもりで現地に向かった。8時過ぎに到着するとすでに1台の車が路肩に止められいた。前後して登山者らしい車が入ってきたが、あきらめてUターンしていった。準備をすませてゲートから歩き始める。往復で10キロ以上のアスファルト歩きになり、登山靴だと大変歩きにくいので、前回の大峰に引き続きトレイルシューズを使用する。

 
閉鎖された306号線山口ゲート        国道から見上げる焼尾

 これからの季節、登山者で賑わいを見せる国道筋だが、ゲートを潜ると雑音もなく、まるで自然歩道を歩いているような錯覚に陥る。天気は快晴、日射しにはまだ夏の力強さが残っているが、谷を吹き抜ける風は実にさわやかで、日陰に入ると肌寒ささえ感じる。
 10分ほど歩くと身体が温まったので、徐々にスピードを上げていく。ゲートからコグルミ谷登山口までは登りで距離が5kmあるので、所要時間は普通に歩くと1時間半くらいだろうか。しかし今日は、夕方から予定が入っているので、14時過ぎには車に戻りたいところだ。少し汗ばむくらいまで速度を上げて、約1時間で登山口に立った。途中で親子が降りてくるのと行き交う。どうも途中で引き返してきたようだ。それからジムニーが国道を駆け上がっていった。どうやら林道から入り込んだようだ。この後、この人(尾張小牧のYさん)と御池岳山頂までご一緒することになった。


コグルミ谷のミカエリソウ

 いつもなら谷に登山者の声が響いているだろうが、通行止めの関係で、この山域が敬遠されているようだ。風もなく、静かで落ち着いた感じがいい。鳥のさえずりを聞きながら谷を登っていく。ここ数年来、災害のため、谷は荒れ放題になっているが、さすがは人気山岳であるので、すぐにルートが出来上がってくる。谷筋にはミカエリソウが良く咲いていた。登り始めるとすぐに、年配のご夫婦に追いついた。車もなかったので我々が先陣を切っていると思っていたが、先客がいた。話しを聞くと工事関係の人に乗せてもらったとのこと。納得。


荒れたコグルミ谷

 特に撮影する花もないし、紅葉にはまだ早いので、ぐいぐいと登って、10時過ぎに長命水に到着する。一口飲めば1歳若返る。3口飲んで3歳若返ろうか、と言っていた先生のことが思い浮かぶ。3口飲んで3歳若返ることにした。木々の葉はまだ青々としているが、落葉のシーズンになるとこのあたりもぐんと明るくなるだろう。一息入れて尾張の山人Y氏と山談義。Y氏はT字尾根を偵察にきたらしい。秋に引率するのでテーブルランドからの降下ポイントを間違えないように、マーキングすることが目的らしい。確かに悪天時など、間違って支尾根に入り込むことがあるし、引率となるやはり責任を背負うことになるので、下見をしておくと安心だ。目的は違うが、丸山までは行動を共にすることにする。


長命水のサワグルミ

 少し休憩をしてから近藤岩まで上がる。岩の上に、花とあんパンを供え、お香を焚いて供養をする。尾張の山人のY氏も、麓のログハウスをお借りしたことがあるそうだ。先生とは実際にお会いしたことがないようだが、何冊かの御池の本のこともご存じのようだ。あまりのんびりしている時間もないし、少し池も見たいので、カタクリ峠を経由して登山コースで真の谷に降りる。
 谷の道祖神のいわれや、いつからあるのかなどわからないが、ケーブルテレビの取材の時に、この道祖神について先生が、簡単なコメントをしていたのを思い出した。あのときの30分番組をもう一度見てみたくなった。取材は2001年9月2日だった。花は私が解説を加え、池関係はすべて近藤先生にお任せした。10時間以上の長い取材になり。鞍掛峠を降りたときはすでに真っ暗になっていたこと。


真の谷の道祖神

谷を離れ丸山(御池岳山頂)へ登る。先人が一人山頂を発つところだった。滋賀県からの山人でこれからボタン淵に向かうらしいが、慣れてないらしくルートに自信がなさそうなので、同じ方向に向かう尾張のY氏が案内するというので、ここで分かれる。時計を見ると11時を過ぎているので、コンビニのおにぎり1個をほおばり、質素な昼食にした。山頂に少しだけアケボノソウが咲いていた。先ほども谷で少し見かけたが、どうやら鹿に食べられているようで、人の気配の多い山頂の花が生き残っているようだ。


御池岳山頂に咲くアケボノソウ


御池岳山頂

風池にも回りたいが、時間がないので、ウリハダカエデの池あたりから真の池に抜けることにした。今日は登山者もすくなる、鹿がのんびりと草を食べていたが、私の姿を見るなり、すっ飛んで逃げていった。一声「ぴー」と鳴いて、警戒をしていた。


シロヨメナ


マユミ


ウリハダカエデの池あたりか?


真の池


カワチブシ


鈴北のカレンフェルト


鈴北から見る御池岳

 少し池を巡ったと、鈴北岳の山頂に立つ。空気に透明感があり、琵琶湖や周辺の町を一望できた。振り返り、いつもと変わらぬ御池岳を見る。これからも季節を変え、一年に何度か訪れることになるだろうが、今日は一つの区切りの登山だったように思う。
 さてこれから山口のゲートまで帰らなければならないし、6時からは津で用事がある。先を急ごう。鈴北岳を駆け下りて、国道を走って降りた。完


鈴北山頂から見る琵琶湖


左:霊仙山   右:伊吹山


鞍掛峠の地蔵さん かわいい祠にないっています。


休耕田のコスモス、山口にて

 

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