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2008年7月21日 燕岳(北アルプス)

 

燕岳(北アルプス) 2008年7月21日 No.455 隊長、うさぎ
自宅(20日19:45)〜(21日0:00)中房温泉(5:00)〜第1ベンチ〜第2ベンチ〜第3ベンチ〜合戦小屋〜燕山荘〜燕岳〜北燕〜燕山荘(12:10)〜中房温泉(14:50)〜自宅(21日20:00)  累積標高 1400m 歩行距離 14km
 東海地方が梅雨明けし、平野部はうだる暑さだった。3連休だったが、真ん中の日に仕事が入り、何とも中途半端な週末となった。しかし、エアコンの効いた部屋に沈殿していたのでは、山屋のプライドが許さない。気持ちは既に、アルプスの高山モードに入っているので、日帰りで登れる山の候補から、燕岳を選択した。お目当てはずばりコマクサ。山頂を踏むだけでは深まりもないので、コマクサにテーマを絞っての山行とした。  昨年はコマクサを見に蓮華岳に出かけ、大規模な群生に驚かされたが、天候には恵まれず不完全燃焼に終わった。天気予報は残念ながら「曇り時々晴れ」となっていた。最悪、雨に降られることもあるだろうが、前線や低気圧の勢力と位置から判断して、大きな崩れは無いだろうと踏んだ。

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 中房温泉の登山駐車場に着くとすでに深夜0になっていた。予定通りだった。駐車場から溢れた車が路肩に駐められており、燕岳の盛況ぶりがうかがえる。しかし連休の最終日ということもあり、連休二日目に下山した登山者の車のスペースが所々に空いているので助かった。燕岳登山は1泊2日が一般的だ。
 シートを倒し、4時半まで仮眠する。仕事が終わってからの長距離ドライブだったので、適度な疲れでぐっすりと休むことができた。早速準備をして登山口までの林道を10分ほど歩く。連休最終日の早朝ということもあり、登山口は閑散としていた。単独登山者が3名ほどで、一人はテント装備で槍まで行くとのこと。


中房温泉登山口より入山


第2ベンチ


ゴザンタチバナ

 累積標高差は1400mほどで北アルプスでは平均的だが、この尾根はアルプス3大急登に数えられている。確かに登り初めからいきなり急な登りが続く。行程的には前回の白山と同じくらいで、日帰り登山で十分に対応できる範囲だ。樹林の中をジグザグにグイグイと高度を上げていく。第1ベンチ、2、3ベンチと休憩地点が設けられているので、今どれだけ登ってきたかを把握するのに役立っている。急登で熱を持った身体をベンチで、クールダウンするのに都合がよい。 第3ベンチを過ぎたあたりで、下山者と行き交うようになってくる。時間的にも早朝に日の出を見てからの下山だろう。

 富士見ベンチを過ぎたあたりで、槍の先が見えだした。樹林の中で展望がなかったが、高度が上がるにつれて、樹間から残雪のある稜線の様子が伺えるようになってきた。
 合戦小屋手前で、「お疲れ様でした。スイカいかがですか」、明るく朗らかな呼び声が聞こえだした。合戦小屋名物の「スイカ」は800円也。二つに切ってもらい、かぶりつく。冷たくて、甘くておいしい。うさぎが売り子のねえちゃんを、「声がいいし、売り方が上手」と褒めていたが、特別なサービスはなかった。帰りも食べたら、割引があるチケットでも準備したらどうだろうか。

 
合戦小屋にて名物のスイカを食べる

 スイカを食べて気分がリフレッシュし、残すところ稜線まで約1時間の行程に向かう。合戦小屋の標高は森林限界に近いので、小屋を過ぎるとシラビソの樹高が低くなり、辞林全体が明るくなってくる。この尾根はほとんど草付きの斜面が無い樹林なので、見られる花も、ゴゼンタチバナやマイズルソウに限られている。標高点2489mに乗ると一気に展望が開け、稜線に立つ燕山荘を見上げることができる。日当たりの良い斜面では、ハクサンイチゲやシナノキンバイ、ミヤマキンポウゲなどの高山では常連の花が咲き出していた。

 
稜線の無垢側に槍の穂先が見えだした

 
大天井                         槍ヶ岳


シナノキンバイ


シナノキンバイ

 燕山荘周辺にはまだ残雪があり、あまり広くないテント場にも少し雪が残っていた。小屋前でミヤマクワガタとテガタチドリ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイが見頃となっていた。小屋には寄らずに、コマクサ目指して北燕へ向かう。大半の登山者は小屋にザックをデポして往復するようだが、我々は日帰り登山なのでデポするほどの荷物はない。


燕岳


燕岳への稜線



イワギキョウ

 2年前の10月には、風雪に耐えながら燕山頂を往復した記憶が生々しいが、今回は、素晴らしい天候に恵まれ、穂高や槍の胸のすく展望をほしいままにしながら歩けた。稜線を歩いているとコマクサがちらほらと見かけられるが、本命は北燕の手前である。山頂を素通りしたあたりからコマクサが多くなり、保護地ではまさしくコマクサの花畑となっていた。残雪のアルプスの稜線を背景に何度もシャッターを切る。うまく撮りたいという気持ちよりも、目の前のコマクサに驚くばかりだった。

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