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2008年1月2日 藤原岳(鈴鹿)

 

御池岳(鈴鹿)2008年1月5日 No.433 隊長
国道306号線山口ゲート(7:50)〜コグルミ谷登山口(9:20)〜県境稜線(11:20)〜テーブルランド(12:50)〜丸山周辺(13:20)〜コグルミ谷登山口(15:30)〜国道306号線山口ゲート(16:40)
久しぶりに手応えのある山歩きができた。ゲートを出発してテーブルランドまで約5時間。アルプス山行に比べると、標高差、歩行距離ともに及ばないが、何しろ新雪なので骨が折れる。スノーシューは威力を発揮するものの、脚にかかる負荷は大きい。テーブルランドを青空のキャンパスで捉えたかったが、ホワイトアウト状態のために丸山すら見つけることができなかった。こんな事初めてだ。

今回は長丁場になりそうなので早く出発したかったが、結局はゲート出発が7時50分になってしまった。雪の状態がわからないので所要時間は予測ができない。「14時になればどこにいようが引き返す」という自分なりのルールを決める。ゲートに車を着けると先陣が一人、折りたたみ自転車を準備をしていた。この手があったかと思いつつも、昨年の中央アルプスで自転車を利用したときのことを思い出す。利用条件にもよるが、結果としてはそれほど効率が上がらなかった。準備を済ませ、ゲートの脇をすり抜けて国道306号線を歩き出す。

 
朝日に輝く御在所岳         両ケ池から見る藤原岳

20分ほど歩くと路面は凍結してつるつると滑る。アイゼンをつけるのも面倒なので、路肩の雪の上を歩くが、思ったように歩けず効率が悪い。上高地から徳沢くらいの距離だと思うが、単調な国道歩きは「忍」の一字だ。とにかくは先のことを考えずに、コグルミ谷登山口を目指す。犬返橋あたりからは残雪が多くなり歩きにくい。路面の状況がよくなかったので、コグルミ谷登山口まで1時間半を要することになってしまった。テーブルランドでの時間を稼ぎたいので、あんパンをお茶で流し込み、早々に登山口を後にする。

 

荒れ放題のコグルミ谷だが、トレースに助けられて適切なルートをたどる。ただし無積雪期のような調子にはいかない。所要時間はほぼ倍になる。長命水までは比較的順調に歩けたが、苦労したのはここから県境稜線までだ。スノーシューの利点を生かしたいなら、距離はかさむが尾根筋のコースを選択した方がいいだろう。谷筋のコースは岩があるので不向きだ。しかしここを簡単にクリアする方法はなさそうだ。蟻地獄にはまった蟻のように、もがくしかない。ここで先陣の姿を捉える。

もがきにもがいてやっと、県境稜線に立つ。先陣はここで退却するようだ。稜線を吹き抜ける風が冷たいので、厳冬期用のヤッケと手袋を装着する。立ったまま、おにぎりとあんパンでエネルギー充填。時間がどんどん消費される。テーブルランドまで2時間は使えない。できれは1時間半で行きたいが、コースの状況がわからないので不安だ。

稜線からはワカンのトレースが一人分あった。尾根コースになるとスノーシューが威力を発揮する。時折日差しあるが、山頂はどうだろうか。とにかく山頂に立たなくてはいけない。真の谷に降りて最後の登りにかかる。ワカンのトレースは尾根をたどっているようだ。これは正解だろう。このトレースに従う。1時間ほど登ったところで、じんじんさんより携帯が入る。鈴北をめざしているようだが、苦戦中とのこと。傾斜がゆるんでくると稜線は近い。体力的には苦しいが、充実感が気分を楽にしてくれる。

樹林の枝にはびっしりと雪がついている。これで青空があれば申し分ないが、あいにくのガスで視界はない。とりあえず奥ノ平へ向かって歩くことにする。

ワカンの山人は丸山を往復しただけのようで、奥ノ平へのトレースはなかった。まっさらの雪面歩きは気持ちがいい。新雪なのでスノーシューをはいていても足下は緩いが、十分に歩き回ることができる。風はそれほどないが、ガスのために全く視界がない。青空の下で散策したかったが、残念だ。あまり時間もないので、丸山に戻ることにする。ところが丸山が見つからない。先人のワカントレースも迷った気配があり、途中で引き返しているようだ。歩き回っているうちにガスが濃くなりホワイトアウトになってしまった。時間も折り返し点の14時に近い。カップ麺でも食べて一息入れようとしたところ、後発の単独登山者が登りついたところだった。この日は結局、御池岳への登頂者は二人ということだろう。少し話をしながらカップ麺で簡単な遅い昼食とする。時計を見ると14時10分。折り返し点を過ぎてしまった。急いで来た道を戻る。雪道の下りは時間が計算でき、ほぼ予定通りの時間でコグルミ谷の登山口まで降りた。問題はここからの単調な国道歩きだ。氷がある程度溶け始めているので来た時よりは歩きやすい。ノンストップでゲートまで戻った。ほとんど休みなしで歩いていたので、車に乗り込むと一気に疲れだ出てきた。しかし9時間歩き通した充実感は確かなものだ。

 

   
ウサギの足跡         自分の足跡


長命水

【ルートについて】

国道306号線が冬期閉鎖になると、御池登山が一気に難易度が上がる。御池岳は鈴鹿最高峰だが、アプローチがいいので比較的短時間で核心部分を散策できる。しかし冬場になると積雪も多く、簡単には入山できなくなり、雪がしまってくる2月を待たなければならない。しかし最近はスノーシューが一般的に使われるようになると、新雪でも歩けるようになるので行動範囲が広くなってくる。三重県側から入山する場合、色々とルートは考えられるが、難易度を考えると国道を歩いてコグルミ谷から入るのがいいだろう。以前には何度か、木和田尾を使って白瀬峠から真の谷に下り、テーブルランドへ直登するルートをたどったことがあるが、真の谷からの直登が雪の状態によっては、かなり難しくなってくる。

行程は
冬期ゲート〜コグルミ谷登山口 5km
コグルミ谷登山口〜丸山 3km
往復すると 歩行距離が16km 累積標高 +1100m

数値的には比較的楽なコースにみえるが、新雪があるのでかなりきつくなる。

 

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