2007年8月25-26日 塩見岳(南アルプス) |
■唐松岳・五竜岳(北アルプス)2007年9月1日2日 No.421 隊長、うさぎ 少し夏期休暇が残っていたので、白馬槍温泉につかってから五竜まで縦走しようかなと計画していたが、秋雨前線の停滞で計画を縮小し、今回のコースとなった。このあたりは大変アクセスが良くて、色々なコースが考えられるが、今回は最もスタンダードなコースとなった。前回は五竜を前にして悪天候のために撤退した経緯がある。天気が良いのは土曜のみだったので、先に五竜をと思ったが、八方池に映る白馬三山も捨てがたかったので、前回と同じコースをたどることになった。すでに夏の花が終わり、マツムシソウ、カライトソウ、トウヤクリンドウなど秋の花が勢揃い。 紅葉にはまだ早いこの時期、登山者も少なくて夏の頃の賑わいはなく、ちょっぴり寂しさが感じられました。 「北安曇野から後ろ立山連峰を眺めると、高さは特別ではないが、山容雄偉、岩稜峻れい、根張りのどっしりとした山が眼につく。これこそ大地から生えたようなガッチリして、ビクとも動かないと言った感じである。これが五竜岳だ。北は大黒の岩峰を経て唐松岳へ続き、南は八峰キレットの瞼によって鹿島槍岳に連なり、昔は後立山縦走中の難関であった。」深田久弥 日本百名山より 引用 【1日目(9月1日)】 地元のアルプスタクシーに5時に予約を入れておいた。目覚まし時計で4時40分に目が覚め、準備をしていたら丁度5時になった。タクシーは5分ほど遅刻して到着。八方尾根にはリフトがあるが、始発が8時と遅く、リフトを利用するにしろタクシーでの移動が伴うので、黒菱まで上がってもらい歩くことにする。約20分ほどの黒菱に到着した。駐車地には数台の車があった。登山者の気配は全くなく、どうやら我々が先頭のようだ。 誰も居ない八方池に下りてみる。静かな湖面に白馬三山や天狗の頭、不帰のキレットが映り、どれを主体にもってくるか、悩むところだ。池の周囲を移動して何度もファインダーを覗き、しばらく池で時間を過ごす。 池の上の第3ケルンを過ぎると、遊歩道も終わり登山道らしくなってくる。ダケカンバ、ナナカマド、ミヤマハンノキなどの樹林がしばらく続き、雪渓の斜面を左に見送ると、ハイマツ帯に入り、いよいよ高山らしくなってくる。丸山まで登り切ると、唐松岳山頂山荘まではあと1時間ほどだ。山荘が近づくと、ガレ場のトラバース道になるが、桟橋やロープなどが設けられ、よく整備されている。 唐松岳山頂小屋は狭い稜線に立てられている小屋だが、3棟からなり規模も大きい。新館の増築中で、小型の重機を使って斜面の土木工事も進められている。近年、登山者は減少の傾向になるが、時代の流れと供に山小屋に求められる価値観が変わり、それに合わせて山小屋も変容を続けなければならないのだろう。 山荘が見えると一気に黒部側の視界が開ける。正面には立山と剱が一望でき、正に後立山である。右手には唐松岳山頂、左手には五竜岳が視界に入り、突然の眺望に戸惑ってしまうほどだ。とりあえずザックを小屋前にデポし、唐松岳山頂に向かう。前回来たときはガスで何も見えず、ガスにけむる標柱だけの証拠写真を撮ったのみだったことを思い起こす。じっとしていると肌寒さを感じるが、風もなく穏やかな天気だ。岩に座りパンを昼食にする。これから先の牛首の岩稜地帯の急降下と、最低鞍部からの登り返しが待っているだけに、気を許しての昼食とはいかない。
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