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2007年7月16日 西穂高岳(南アルプス)

 

西穂高岳(北アルプス)2007年7月16日No.415 隊長、うさぎ
〜山がゆらゆらと動く〜
自宅(4:00)〜新穂高温泉(7:40)〜ロープウェイ始発(8:30)〜西穂高口駅(8:50)〜(10:00)西穂山荘(10:20)〜(11:40)西穂独標(12:25)〜(13:25)西穂山荘(13:40)〜(14:20)西穂高口駅(14:45)〜新穂高温泉(15:35)〜自宅(20:20) 
西穂山荘でテーブルに座ってアイスクリームを食べていると突然、山がゆらゆらと揺れた。10時13分だった。台風のために2泊3日の山行がお流れになり、このままじゃ悔いが残ると思い、西穂までやってきた。西穂高口駅に到着すると霧雨で、出だしから雨具の世話になる。とりあえず山荘まで来てみたが、ガスの晴れる気配すらない。山荘でひと息入れていたら、山が揺れた。今日はきっと、もっと悪いことが起こりそうな気配がしたが、ここでしっぽを巻いて帰ってくれば、何とも情けない山日記になってしまいそう。だから・・・

 ページ1  花のページ  

 せっかくの3連休が雨で流れ去ろうとしたが、何とか最後の一日だけでも山に行くことができた。当初は燕岳のコマクサを見に行こうかと思ったが、体力的な準備もできていなかったので、簡単に日帰りができる西穂高岳に行くことにした。

ロープウェイの始発は8時30分なので、それに合わせて自宅を4時過ぎに出発する。早朝の東海北陸道はガラガラ状態で、前後を走る車も少なく、休憩を居れて3時間30分で新穂高温泉に到着する。始発までに1時間ほどあるので無料駐車場から歩こうかとも思ったが、面倒なので搭乗口の近くの有料Pに車を入れる。6時間500円だが、それ以上は追加料金になる。準備をして軽く食事をして乗り場に向かうとちょうどいい時間になった。数人の登山者と供に待っていると、バス一台分の団体客がやって来て急ににぎやかになった。ガスでまったく視界はなく、ただ上まで行ってすぐに帰って来るのだろか。果たして意義のあることだろうか。始発に乗ったが、途中白樺平で、ここまで車で上がってきた登山者がすでに乗り場で待っていた。

  


 西穂高口駅を出ると霧雨が風に舞っていた。出鼻をくじかれたが、早速雨具を着用して歩き始める。遊歩道脇にあるキヌガサソウは満開。小屋までは樹林の登りになるので鼻はあまり期待できない。樹林に咲く花の常連はマイズルソウとゴゼンタチバナで、ちょうどこの標高で花が見頃になっていた。鞍部を過ぎると本格的な登りになるが、標高差はそれほどない。蒸し暑いので途中で傘に切り替える。約1時間で、ガスの中にぼんやりと浮かぶ西穂山荘が見えてきた。


コバイケイソウ


 小屋の周辺の草付きの斜面ではコバイケイソウが咲き始めていた。他にミヤマキンポウゲの黄色い花が目立つ程度で、あまり花がなかった。ときおり薄日がさしてくるが依然として視界はない。小屋に入って一息入れることにする。アイスクリームを注文しテーブルにつくと、グラグラと小屋が揺れだした。ガタガタとくる地震ではないので、地震の規模は大きそうだが、震源は遠いようだ。東海地方かどうか心配になったが、テレビの速報で震源は新潟であることが判明。北アルプスの山々を揺るがす地震のパワーに驚愕するばかり。小屋に居てよかったが、岩場に居たり、落石の多い谷筋や雪渓を歩いていたら、きっと肝を冷やすことになったであろう。
 西穂山荘は森林限界にあり、ここからはハイマツ帯に入る。西穂独標までは比較的歩きやすいので、胸のすく展望を楽しみながらのスカイロードだ。東側を見下ろすと上高地を俯瞰することができ、くねくねと流れる梓川が印象的で、西側には笠が岳を含む長大な山稜が衝立のように伸びているはずだが、生憎のガスで何も見えない。楽しみは足元に咲く花を探しながら歩くこと。


ゴゼンタチバナ


 コイワカガミ、バイカオウレン、ツマトリソウ、マイズルソウ、ゴゼンタチバナ、コケモモなどは常連。ハクサンシャクナゲのつぼみが膨らんできたが、開花までにはもうひといきかかりそうだ。リンネソウをハイマツの下に探すが、見つけることができなかった。ハイマツの途切れたところでは、タカネツメクサ、ハクサンイチゲ、ミヤマキンバイが、岩場ではイワウメが花盛りだった。ミヤマダイコンソウやイワギキョウなどは咲き始めだった。雷鳥の夫婦が盛んにえさをついばんでいる。あまり人を怖がらず愛嬌のあるしぐさは、カメラマンのいい被写体になるだろう。


雷鳥


緩やかなのぼりがしばらく続くが、時事の高度を上げると同時に岩場主体の登山道となってくる。浮石の多い斜面で足をとられてうさぎが転倒。捻挫でもしたら山を降りるのが大変になる。浮石は要注意だ。山岳保険には入っているが、使わなくてもいい山歩きをしたいものだ。


独標手前の稜線

 独標の向こうに西穂煌xの山頂が見え出した。まずは独標に這い上がる。数名の登山者が展望を楽しんでいた。われわれも適当な場所を見つけ腰をおろす。風もなく気温も適度で暑さ寒さもない、ガスの流れで見え隠れする山頂を気にしながら昼食にする。 しばらくすると青空が見え展望が開けてきた。蒲田川を挟み、笠が岳を含む山稜が巨大な衝立のように見える。谷には残雪があり、いかにも高山であることの風格が感じられる。雲に浮かぶ笠ケ岳を見ていると登校意欲をそそられる。


独標への登り

 
常にカメラを持っているが、たまには登場することもある


西穂独標より笠ヶ岳を見る


西穂独標にて


西穂高岳

 時計を見ると12時を過ぎている。西穂山頂の往復に2時間半、ここから西穂高口までは2時間と見積もると、16時15分のロープウェイの最終には間に合わない計算になるので、今回は断念することにする。ロープウェイの始発の時間がもう少し早まる8月には、ゆとりをもって山頂を往復できるのだが。もう少し展望を楽しみたいが、頃合を見計らって独標を後にした。


イワウメ


ハクサンイチゲ


西穂高山荘

  

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