2007年5月3、4日 蝶ケ岳(北アルプス) |
■蝶ケ岳(北アルプス)2007年5月3,4日 No.406 隊長、うさぎ アカヤシオの淡紅色に染まる御在所周辺の山々に魅力を感じながらも、かねてから歩いてみたかった5月のアルプスに心惹かれて、上高地を目指した。連休の天気はまずまず予報だったが、高山の天候はめまぐるしく変わるので油断できず、その時の状況に応じて判断することが大切だ。残雪の穂高連邦を青空をバックに写真に納めたかったので、当初予定していた涸沢を蝶ケ岳に変更した。蝶ケ岳のテント場から、穂高のモルゲンロートをねらいたかったが、天候判断で横尾泊に変更した。この判断は正解で、夜は稲光と雷鳴に怯えることになった。そんなわけで、ベースキャンプ型で蝶が岳をピストンすることになったが、ピッケルとアイゼンで標高差1000mを往復するのはかなりしんどかった。稜線では風と雪であまり長いができず、視界もままならかなったが、雷鳥のペアーの出迎えに心が和み、登りの辛さを忘れさせてくれた。 5日に塩尻で用があるので、今回は沢渡から入ることにする。3日深夜1時半に駐車場に到着し、足湯で暖まってから車中泊し、早朝の出発に備えた。沢渡中駐車場もなかなかの盛況で、深夜にもかかわらず登山者や観光客の車で溢れていたが、駐車スペースに困ることはなかった。始発のバスが動き出す頃になると、駐車場も騒々しくなり、自然と目が覚めた。準備をしてバス停に向かった。すでにシャトルバスがピストン輸送を始めており、時刻表に関係なくバスが出ている。早朝は観光客よりも登山者の方が多いので、バスのトランクにザックを入れてもらえた。バスターミナルに6時過ぎに到着し、河童橋の袂から白銀に輝く穂高連邦を仰ぎ見る。平地は汗ばむほどの陽気だが、アルプスはまだまだ雪と氷の世界だ。 今回は稜線での野営も考えていたので、完全な冬装備となった。夏装備に比べると、シュラフ、手袋、アウター、インナー、燃料、ピッケル、アイゼンなどの重量が加算されるので、当然ザックの重量がかさみ19キロとなった。だけど気持ちの高揚が肩に掛かる重さを打ち消してくれる。 小梨平の野営場も盛況のようで、早朝にもかかわらず活気があった。道端の草木も芽吹きが始まったばかりで、当然花などは期待できそうもない。最初のうちはバスの到着に会わせて登山者がかたまりになっていたが、明神が近づくにつれて登山者の列もばらけてくる。しかしかなりの数の登山者が、涸沢もしくは槍へ向かうようだ。登山者で賑わう明神でひと息入れる。観光客の領域はこのあたりまでだ、ここから先は登山者の領域に入る。 常に左手に明神と穂高を身ながら歩くことになるが、山塊を回り込むように歩くので、刻一刻と山の姿が変わっていくのが面白い。河原に下りて青空に映える白銀の明神と穂高を楽しむ。 行きはよいよいというが、2時間の歩きもそれほど苦にならずに倒沢に到着した。テントの数は夏場よりも多いくらいだ。当初はここ徳沢から、長塀尾根を登って蝶ケ岳で野営と思っていたが、昨夜の雨が雪だったことを考えると、コースの状況が判断できなかったので、このコースはパスすることにする。時間的には標高差1000mで4時間半の登りなので、それほどでもないが、コースの全域で雪上歩行になるので、体力の消耗も計算に入れる必要がある。 徳沢でひと息入れる。のどかなキャンプ場の雰囲気に誘われて、ここで重い荷を下ろして、ビールでも飲んで昼寝をするのも悪くはなさそうだ、という安易な考えが頭をよぎる。 いつもなら3時間で歩くところを、今回はのんびりと歩いて4時間で横尾に到着した。すでにテントの花が咲いている。橋の袂は、行き交う登山者で賑わっており、アルプスのムードが高まってくるところだ。稜線で野営するか、ここで判断しなければならない。雲ひとつ無かった青空だったが、気温の上昇につれて、急速に雲が湧き始めている。お天気の方は3日が快晴となっていたので、ここにテントを設営して、山頂をピストンすることにした。テントに入り横になって少し休んでから昼食にする。 ようやくフキが芽を出したところだ。あわよくばニリンソウの群生を写真に納めたいなと思っていたが、やっと根生葉が開いたところで、花が開くのはまだ少し先のようだ。
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