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2007年3月10日 鈴鹿山麓 美杉

 

三重県北部、中部の山麓散策

午後から少し時間があったので、三重県北部から中部の山麓を駆け足で巡った。

●トウゴクサバノオ キンポウゲ科 シロガネソウ属
鯖の尾:両側に張り出した袋果の様子に基づく
【生育地】
既知の生育地点は10以上だが、各生育地の個体数は50未満。生育地は、いなべ市、亀山市、伊賀市、津市、松阪市など(三重県レッドデータブック2005)
暖帯林中に生える多年生草本。谷川沿いの湿地に生えるので、河川改修による減少がある。
本種は何種類かあるシロガネソウの仲間だが、三重県内では他の種類はないように思われるので、その意味からも希少といえる。
【茎】
草全体は柔らかく、無毛である。高さは10センチほどで、ひと株から3、4本の茎が出て、葉よりも高く斜めに伸び上がる。4稜、汚紅色。上部に2個の包葉が対生する。包葉は柄が短く3出。
【葉】
根本から生え、葉柄のもとに軟骨状の鞘がある。3出あるいは、鳥足状の5出。小葉は円卵形で縁に鈍きょ歯がある。
【花】
4月頃、茎の先に淡黄緑色の花を開く。細い花柄がある。
がく片は5個で花弁状。花弁は黄色の密槽状となりがく片より短い。おしべ15個内外。袋果は6月で、熟して水平状に開く。


トウゴクサバノオ

●ユキワリイチゲ キンポウゲ科 イチリンソウ属
雪割イチゲ:雪の中ですでに芽が出ているから。ルリイチゲの別名がある。キクザキイチゲにも同じ別名がつけられている。
【生育地】
準絶滅危惧種、各生育地の個体数はそれほど多くない。県内では、津市、伊賀市、松阪市、多気町、度会町、大台町、伊勢市。やぶ陰に生える多年草で、湖畔林の林床、すぎ林の林縁、神社の境内などに生える。開発や治水工事により減少。
【茎】
根茎は地中を横にはい、多肉で紫色を帯び、ひげ根を出す。
早春の頃、葉よりも高い10センチ内外の茎を1本出し、茎頂に葉状包を3個つける。無柄で卵状被針形で2〜3の欠刻がある。
【葉】
葉は根生し、長い柄があって立ち、平開する無柄の3小葉からなる。小葉の先端は鋭形で、不ぞろいの鋸歯がある。両側の小葉は左右不同形。葉の上面は濃緑色、褐紫色の斑紋がある。裏面は紫色。無毛で草質。11月頃に新葉を出し冬を越す。

【花】
包の中心から、細毛のある1本の花柄をまっすぐに立て、その先に花を一個つける。花は日が当たると開く。上部はやや白色、下部は淡紫色を帯びている。ガク片は15個くらい線状楕円形、花弁はない。おしべは多数で黄色。

 


ユキワリイチゲ


 

2007年3月10日 Copyright (C) 2007 k.kanamaru. All Rights Reserved.  home