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2007年2月12日 藤内沢 御在所、鈴鹿

 

藤内沢(御在所、鈴鹿)2007年2月12日 No.393 隊長、うさぎ
スカイラインゲート(9:00)〜裏道〜藤内小屋(10:10)〜藤内壁分岐〜藤内沢〜山上公園〜中道〜御在所山の家〜スカイラインゲート(14:50)
3月に西穂を計画しているので、訓練のために藤内沢に登った。予想はしていたが、雪の少なさに嘆き節。しかし昨日から少し気温が下がったので、雪腐れはなく、ピッケル、アイゼン共によく効いてくれた。何人かがアイスクライミングを楽しんでいた。確保なしで登っている、にーちゃんの滑落を見てしまった。最初は10mほど落ちて止まりそうになったが、更に10mほど落ちて止まった。雪があったのでよかったのと、軽やかな身のこなしだったので、助かったようだ。あー恐ろしや!

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スカイラインゲート前にはたくさんの車が駐まっていた。3連休の最終日、好天に恵まれ山好きの登山者がくり出したようだ。路肩に駐車し準備をして出発する。例年ならこの時期は積雪があり、凍結した車道歩きに注意が必要だが、今年は全く雪がない。これでは道路を閉鎖する理由もないだろうが、今年もお決まりのように通行止めだ。道路をテクテク歩いて裏道に入る。今回はうさぎ連れなので、本谷のルートも考えたが、やはり藤内沢にすることに決める。雪のない登山道を歩き始めると、すぐに汗ばんできた。念のためにミトンの手袋やら冬用のヤッケをザックに入れてきたが、どうやらただの荷物になってしまいそうだ。

藤内小屋は相変わらず賑わっている。昨年から増築していたが、裏手の新家がもう完成しているようだ。3週間ぶりの山歩きなので、ペースはゆっくり、休憩はたっぷり、ゆとりをもって山歩きを楽しむように心がけているが、これから先に藤内沢が控えているだけに、心の構えは隠せない。「兎の耳」を過ぎると、少し雪がでてきた。問題なのは藤内沢の氷の状態だ。要所で岩がむき出しになっていると難儀だ。土曜日あたりからミニ寒波が南下してきているので、雪が腐り氷が溶け始めている状態は避けられそうだ。藤内壁分岐までゆっくりと歩いてきたつもりだが、結構汗をかいてしまった。先客が3人、ハーネス、アイゼン、ヘルメットなどの準備をしていた。一方こちらの装備は、アイゼンとピッケルのみだ。ただ、ウサギが岩場を乗り越せないときのために、長めのスリングを準備している。結果としてはこれは大いに役立った。先行者が出発して少し時間をおいて我々も出発した。すぐ後ろを歩くと、雪やら氷の破片が落ちてくるので、ある程度間隔を開けておかないといけない。

最初の難関は、藤内滝の右岸の高巻き。岩場の通過は、氷とのミックスと思いきや、全く氷がついていない。アイゼンをガリガリと言わせて這い上がる。案の定、ウサギは這い上がれないので、早速スリングを使って引き上げる。前尾根フランケの下の氷柱をモチーフに記念撮影を考えていたが、肝心の氷柱がない。やせ細った氷柱が、無惨に砕け散っていた。この先のコウモリ滝も氷が少ないが、しかりと固まっているので、ピッケルとアイゼンを効かせて這い上がる。ここでもスリングを使用。

 

3ルンゼに近づくにつれ傾斜が増してくるが、雪が少なくてしっかりと凍り付いているので、ずるずるといかず、比較的登りやすい。ただ傾斜はかなりのもので、滑ったらまずとまらないだろう。はしごを登るようにぐいぐいと高度を上げ、3ルンゼに入る。ちょっとした灌木帯を抜けると、ちょっとした空間が開ける。山上公園はすぐ上だ。この高さまで来ると樹氷がついている。青空をバックにきれいな花が咲いている。

数名お登山者がアイスクライミングを楽しんでいる。しばらく見物することにする。今年は氷が少ないので登りにくそうだ。大部分の人はザイルで確保しながら登っているが、若いにーちゃんは確保なしで登っている。実はこのにーちゃんが滑落した。落ちていくときの身のこなしがいいのか、それてとも雪がクッションになったのか、どこにもぶつからなかったのがよかったのか、途中の棚で少し減速したのがよかったのかわからないが、アイスクライミングはひとつ間違えると簡単に命を落としてしまいそうなスポーツだ。

しばらくアイスクライミングを見ていたら体が冷えてきたので、山頂公園まで這い上がる。息を切らせて遊歩道に這い上がると、観光客が普通の靴を履いて歩いていた。風を避けて日だまりで昼食にする。帰りは中道をさっさと降りた。

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