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2007年1月13日14日 積雪期のイブネ

 

積雪期のイブネ(鈴鹿)2007年1月13,14日 No.392 隊長
13日:朝明駐車場(9:10)〜根の平峠(11:20)〜上水晶分岐〜コクイ谷分岐(12:45)〜小峠分岐(13:10)〜高昌山(P1125)(16:40)野営
14日:高昌山(8:00)〜イブネ北端(8:15)〜イブネ1160m(8:25)〜(9:00)高昌山(9:30)〜(10:30)〜コクイ谷分岐(11:00)〜上水晶分岐(12:00)〜根の平峠(13:20)〜駐車場(14:45)

この時期、朝明からイブネをピストンするだけの体力はない。だけどイブネの雪原を歩いてみたい。ならば、二日かければ往復できることになる。天気予報はまずまずだったが、このあたりは太平洋側の天気予報は当てはまらないようだ。視界は20メートルほどで、被写体はエビのしっぽのみ。高昌山からの急降下中にスノーシューをなくし、最後に仕上げは駐車場にストックを忘れてきた。コースタイムは、無積雪期の2倍をようした。最難関は、小峠分岐から高昌山への急登で、まるであり地獄にはまったアリのようで、標高差300mの登りに3時間半もかかってしまった。高昌山の30mほど手前で、時間切れと同時に、全勢力を使い切ってしまった。

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出がけにザックの計量をする。夏のアルプス、テント1泊なら、カメラを入れても16キロくらいで収まるが、冬装備となるとそうもいかない。スノーシュー、アイゼンが余分になるが、アウターやズボン、手袋、シュラフも厳冬期用となると重くなるし、燃料の消費も多くなる。シュラフは今回、厳冬期用のモンベルを#1(マイナス30度まで)を購入したので、少し軽量化することができた。それにカメラ、交換レンズ、水を1リットル持つと、ザックの重さが約20キロになった。


朝明駐車場 9:10スタート

お天気は悪くはないと思うが、朝明の駐車常に到着すると、予想に反して車が一台とまっているだけだった。根の平峠まででも、トレースがあると有り難いなと思っていたが、トレースは期待できそうになさそうさ。昨年、この駐車場は雪で入れなかったが、今年は雪が少ない。準備を整え、凍てついた路面に足を取られないように雪の上を選んで歩き始める。案の定、林道の根の平分岐からは、まったくトレースがなく、真新しい雪面が続いている。イブネの雪原にテントを張る予定だが、今日のうちにそこまでたどり着けるのか、不安がよぎる。

根の平峠からは、トレースの痕跡すらない雪面を進む。前回の積雪から少し日数が経過しているので、少し雪がしまりかけているようだ。雪で何もかも隠されているこの季節、神杉の巨木が遠くからでも確認できる。上水晶までは気持ちのいいスノーシューハイクが続く。しかしここから神崎川の右岸のコースに入ると、積雪が多くなり登山道であることを確認できるのは、目印の赤テープのみ。無積雪期には何度も歩いているコースだが、雪で何もかも隠されていると雰囲気がまるで違う。記憶を探りながらルートファイングする。思いこみで進んで、2回ほど目印を見失しない、コースを外してしまった。


根の平峠 踏み跡なし 2時間もかかった


神杉

この街道は、地形を上手く利用してつけられていることがよくわかった。谷が狭くなり岸近くの斜面はくせ者だ。ルートの痕跡すらない、雪で埋もれた急角度の斜面を、スノーシューでトレースしていく。本流へ流れ込む支流の乗越は要注意だ。スノーシューを履いていても、ズボッとはまり込んでしまう。ザックの20キロの重みが、背中からのしかかってくるので、片足の力だけでは抜け出せない。ストックを短くもって、両手にも力を入れる。荷物が重いので、スノーシューの浮力も落ちている。体力がどんどんと消費されていくのがわかる。
12時45分にコクイ谷の分岐に到着した。ラーメンでも作ってゆっくりと食べたいところだが、時間にゆとりがなくなってきているので、余りのんびりともしていられなくなってきた。16時には野営地に到着したので、許された行動時間は3時間ほどだ。さて、この先のルートをどうするか。


コクイ谷分岐で


コクイ谷分岐


コクイ谷分岐


神崎川上流

ここから七人山へ直登し、適当な野営地を探して、早朝から登り雨乞い山頂で日の出を拝む。あるいは、このまま杉峠まで進み、佐目峠あたりで野営し、早朝にイブネ山頂から日の出を拝む。第3案は、このまま小峠分岐まで進み、高昌山からイブネまで進み、雪原で野営。テントの中から温かいコーヒーでもすすりながら日の出を拝む。地形図を身ながら、色々とルートを探ってみる。しかし時間的にゆとりがないけども、今日のうちに山頂まで上がりたいという願望が強い。ならば、最短距離でイブネまで行ってしまうことに、腹が決まる。問題は、高昌山までの急登だ。地形図を見る限り、最初の標高差150mが難儀しそうだし、上部のアセビの灌木帯の通過も問題だ。時間が3時間あるので、最低でも高昌山までははい上がれるだろうと目論む。


御在所岳と鎌ケ岳 高昌山1125mより

予想通り、最初の標高差150mが大変だった。雪質は表面はクラスト気味だが、スノーシューがなければ、足が膝の上あたりまでズボッと入ってしまう。スノーシューをつけると、傾斜がきついので雪の上をスリップする。時間の経過を忘れて、無我夢中で雪と格闘する。少し傾斜が緩んでくると、今度はアセビの灌木帯に突入する。尾根が痩せてきているので、少し尾根の芯を外すと、ずるずると滑り落ち、登り返しにまた一苦労を強いられる。大きなザックが灌木に引っかかるので、枝の張り出しを上手く交わさないと進めない。時計を見るとすでに1時を過ぎている。イブネの雪原まで行きたいが、体力の消耗も激しく、時間もない。しかしもう少し上がらないと、テントを設営できそうな場所もない。最後の力を振り絞り、高昌山手前で、テントひと張り文の平地を見つける。もはやここまで、ザックを降ろして座り込む。テントを設営ができた頃には、外は暗くなっていた。

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2007年1月13日 Copyright (C) 2007 k.kanamaru. All Rights Reserved.  home